ヴィクトリアマイル 2021 出走予定馬：レシステンシア＆武豊騎手想定

time 2021/05/13

folder 2021重賞まとめ出走予定馬

第16回ヴィクトリアマイル(GI)出走予定馬展望

日程：2021年5月16日(日)
コース：東京芝1600ｍ

予想用・出走予定馬一覧

レシステンシア（武豊騎手想定）

　今年は阪急杯で力強く突き抜けたレシステンシアが武豊とのコンビでヴィクトリアマイルに出走予定だ。府中のマイルではNHKマイルカップでも２着の実績はあるが、今年はさらにパワーアップしてここに臨む形。ライバルは絶対女王だが、快足を活かして逃走劇を決め込みたい。

※この記事はnote,ブログ無料公開対象です。

　正直今期はグランアレグリアが強いとは思っているので、それに対して戦えるだけの武器があるのかないのかで判断すべきかなと。レシステンシアはそういう意味でははっきりとした武器を持っているので、あとはとにかく強気の競馬でどこまでやね。阪急杯で見せた逃げ切り勝ちはこれまでにないレベルだったと思うし、マイルなら宮記念みたいに自分の形を作れないということも可能性的には薄いと思う。まああとはスマイルカナとの兼ね合いはあるかなと。

阪急杯(GIII)１着

阪神芝内1400ｍ良 17頭４枠８番
風向き：北西1.2m/s(豊中市16:00)
1:19.2R 34.0-33.8 M
12.2 – 10.6 – 11.2 – 11.4 – 11.2 – 10.8 – 11.8

　まずは２走前の阪急杯勝ちから振り返りたい。かなり目立つ競馬だったのと、個人的にはラップ推移的にはかなり意外な感じだったかな。正直この形で圧倒してくるとは思っていなかったので後半要素で成長を感じた一戦。平均ペースから少し息を入れてのＬ２最速で10.8だからね。風向きは北西からなので３角地点が追い風でHSでは右前方からの向かい風に近い。まあ1.2m/s程度だから限定的だろう。

　８番枠から好発、そこから促しつつ様子を見て進めていくが、内のロードアクアが主張する中でコントロールしつつもハナを取り切る形になる。そこから少しペースを我慢しつつ34.0と上げきれずに３～４角でも持ったまま引き付けて直線。序盤で外から絡んできたジャンダルムに対して追い出されてしっかりと出し抜いてここで１馬身ほどリードを取る。Ｌ１の坂の登りでも踏ん張って後続を寄せ付けずの２馬身差完勝。

　シンプルに強かったなという印象やね。それと、個人的には途中のペースを見てこれだとジャンダルムに切れ負けするリスクが高いと思っていたんだけど、Ｌ２の最速地点でむしろ引き離してきた。最速ラップが10.8が示すようにトップスピードの質も求められていて、これは正直かなり意外だったね。瞬間のトップスピードの質でも最上位のものを見せてきたからこその完勝だったと思う。個人的には府中のマイル適性の高さをやはり感じさせる内容で、全体で引き上げて少しだけ息を入れての再加速という競馬としてはかなり高いレベルのものを見せてきたと。1400なら基礎スピードの質で優位に立てたしペースもしっかりと34.0で平均という形に持ち込んでそれもメリハリあるラップを見せてきた。個人的には３歳の頃のレシステンシアから一段階上の存在になってきたかなと思った一戦。

高松宮記念(GI)２着

中京芝1200ｍ重 18頭８枠16番
風向き：南東6.4m/s(大府市16:00)
1:09.2(+0.0) 34.1-35.1 H^1
12.2 – 10.7 – 11.2 – 11.5 – 11.6 – 12.0

　前走の高松宮記念では重馬場でタフな状況だったというのもあるのと、風が強かった。南東から6.4m/sなので３～４角中間が追い風となったかなと。なので宮記念だけど一貫ラップを踏んでいてコーナーで息が入る感じではなかったし、この辺もダノンスマッシュが勝ち切った要因かなと。ペースはややハイなんだが単調だった。

　16番枠からまずまずのスタートを切っていたが、促しつつもさすがに1200では進みが遅く、好位の外目ぐらいでの競馬となる。３～４角でも好位外で正攻法で進めてセイウンコウセイの外目から直線。序盤で追われるがジリジリと、それでも２列目から抜け出し気味。Ｌ１で外から最後までしぶとく伸び続けたが内のダノンスマッシュにアタマ差抜け出されての２着惜敗。

　まあ勝ちに行って甘くなってという形だが、1200ｍでタフな馬場でとなるとちょっとかみ合い切らなかった感じかもしれんね。前半からやはりポジションで苦労していたし、単調な中でもしぶとく最後まで踏ん張ってという競馬はできたけどこの馬らしい快足が活かし切れずに正攻法での横綱競馬になってしまった。それでも勝ち負けまで来たのは収穫だけど、ちょっと1200は短いかも？という感覚はあったかな。それで僅差の２着なんだけど、本番使用とはいえインディチャンプに対して首差まで詰められていることを踏まえても、この条件はあまりよくなかったんじゃないかなと。許容範囲ぐらいの適性面だったとみているかな。

NHKマイルC(GI)２着

東京芝1600ｍ良 18頭２枠３番
風向き：南南西7.1m/s(府中市16:00)
1:32.7(+0.2) 46.0-46.5 M
12.3 – 10.4 – 11.4 – 11.9 – 12.0 – 11.3 – 11.2 – 12.0

　府中マイルの内容的にはやはり４走前のNHKマイルカップかな。ペースは平均で進んでいたが中弛み顕著からのＬ２最速戦。総合力勝負の中でラウダシオンに不通に目標にされて完敗だった。この時点ではこういう競馬でパフォーマンスを落としていたかなと。南南西なので３角地点が完全追い風からのHSでは左前方から。向かい風気味だったのでそれも先頭で影響したかもしれないが。

　３番枠からまずまずのスタートを切ってそこから二の足でハナを切る形となるが、外からラウダシオンが競ってきたので少し引き上げる形で進めていく。３～４角で明確にペースを落としながら直線。序盤で追い出しつつだが外に出したラウダシオンにあっさり並ばれ、Ｌ２で先頭をクビ差ほど譲る。Ｌ１でそのまま離されて１馬身半差の２着完敗。

　ラウダシオンとの比較で見ても目標にされて直線でどの地点でも見劣っている。再加速のギアチェンジでも差を詰められ、最速地点でも詰められ、Ｌ１の減速地点でも詰められてと。ここではペースをコントロールしてきたんだけど、そこで息を入れたとしても後半要素で高いレベルの末脚を引き出せなかったのでラウダシオンに楽に交わされたというイメージなんだよね。だから阪急杯でああいう競馬ができたのは大きな収穫というか、レシステンシア自身の成長を感じた一戦というのはこのNHKマイルＣの負け方から来ていると。なので今回は楽しみの方が多い。が、やはり相手が相手なのでレシステンシアにとっての持ち味で相手の脚を削ぐ意識は必要。まあそれで削ぎきれるかどうかはやってみないとわからないが。

ヴィクトリアマイル2021への展望

　グランアレグリアがいなければ中心、といってもいいだけの存在にはなると思う。今年のパフォーマンスは特に面白く、阪急杯はこれまでにないトップスピードの質をしっかりと引き出してきたので、あの競馬ならば多少緩めても問題はないだろう。ただし、多少といっても限度はあるし、仮に３～４角で12秒前後までというようなこのレベルでは極端な息の入れ方をしてしまうと流石に難しいと思う。坂の登りでの加速でも対応はできている馬だけど、NHKマイルCを見る限りではそこまでぐんとくる感じではなくあっさりラウダシオンに交わされてしまっているからね。ダイワメジャーの仔なのでどうしてもメジャーエンブレムとの比較になるけど、個人的には府中の坂の登りでの加速性能はちょっと足りないかなと思っている。対応はしてくるけど、あそこまでギアの上げ下げがうまいというタイプではないか。宮記念もちょっと伸び始めが遅かった印象だしね。

　個人的にはやはり45後半では入ってほしい。今の馬場だと30秒台の決着も視野に入れての1:31.0ぐらいを想定に置く必要があると思うし、今の牝馬マイル路線はかなりハイレベルだからね。45で入って中盤も息を入れたとて11秒台半ばまでで収めきれるかどうかだろうね。もちろん個人的にはトロワゼトワルが刻んだようなラップを踏んでほしいかなと思っているけど、阪急杯だけやれれば十分対応できると思う。45.5-45.5を刻み切るイメージで運んでほしいかな。多少のハイはむしろ歓迎できると思うし、とにかく後ろの馬の適性を考えながらやね。グランアレグリアはスローの方が嫌ではあるといってもマイルCSの強さを見せられるとこちらがスローで良い材料が乏しい。本当にいい脚は阪急杯のラップを見ても一瞬だけど、それが前半速くても少し息を入れればという形で引き出せる。後は豊のレースメイク次第かな。グランに勝つだけの可能性はあるけど、グランが何らかのミスをしないとというのは確かなので、まだちょっと悩んでいるが連下では押さえないといけないなと考えている。