2019/02/02
中京記念2019のレース回顧・結果
中京芝1600m稍
1:33.6 46.7-46.9 M
12.4 – 11.3 – 11.6 – 11.4 – 11.3 – 11.4 – 11.9 – 12.3
中京記念レース回顧動画!
展開分析・総評
夏にシステムを変えてから、初めての当日馬場把握による予想変更をしたんだけど、結果的に良かったと思う。土曜の段階では32秒台ぐらい出そうな感じで判断していたんだけど、日曜日はどう見てもそういう感じではないと。土曜も最終は上位2頭が突き抜けていたから完全に当てにするのは危険かなと思っていたが、想定外に重かった。実際想定していたやや高速ではなく、2段階下のややタフな馬場ぐらいだったと思う。
ペースはきれいな平均ペースで3~4角で速いラップを連続しながら直線では消耗してしまっている。まあ前が離していたのはあるが、それでもかなり仕掛けが早い展開で出し切りやすい状況だったと思う。その中で個人的にちょっと意外だったのはクリノガウディーかな。思ったより長く脚を使う形になった。
1着05グルーヴィット(松山)
まずまずのスタート、二の足良く抑えつつ様子を見ながら好位の中目でという感じで進めていく。途中から手が動いて好位で追走。3~4角では鞭が入ってプリモシーンの後ろから追い出しつつ直線。序盤で離れた3列目から伸びは地味で3列目。L1で徐々に伸びてくると前の列にいたプリモシーンを捕え、外から差を詰めてくるクリノガウンディーを何とかハナ差封じて重賞初制覇。
力の要る馬場で平均で流れた中で強かったなという感じ。NHKマイルCは詰まってしまったので判断が難しいところだったが、あの時も雨の影響が残っていた府中マイルで平均で流れてしっかりと反応できていた。ここは中弛みなくむしろ中盤が一番速いというぐらいタイトな流れになったし、3~4角ではちょっと反応が良くなかったのだが、それでもここから最後までばてずに食らいついてバテ差してきた。プリモシーンを破れたのは展開もあるが斤量差が実質5.5kgあったというのも大きいかな。まだ何とも言えないけど、1400よりはマイルの方がいいような感じはするけどね。ロードカナロアの仔はステルヴィオもそうだが意外と力の要る馬場でやれる馬が多い。
2着06クリノガウディー(森裕)
まずまずのスタートを切っていたが思ったよりも行かず、抑えて中団ぐらい。道中も追走せず抑えてコントロールして3角。3~4角では前のグルーヴィットの後ろから仕掛けを待ちながら直線で外。序盤でしっかりと伸びてきてここでグルーヴィットに近いところまでくる。L1で前が落ちたところを急追して最後はグルーヴィットにも決定的に詰めてくるがわずかにハナ差及ばなかった。
最初はおいおい、と思ってみていたんだが…終わってみれば厳しい流れの中で中団からしっかりと鋭く伸びてきた。後ろから行ったのが良かったというよりは、マイルで流れたときにはこれぐらいの位置がちょうどフィットしたんじゃないかなと。ペース次第で位置を変えられれば理想で、ワンターンの1800ならペースもバランス的には上がりにくいしもうちょっと前に行ってもいいと思う。今回は前後半でしっかりとフラット、バランスよく基礎スピードを問われて末脚勝負に特化したわけではないからね。ここでは長く脚を使えたように見えたけど、前半流れたことも大きいと思う。なので今の段階では後ろからのほうがいいとか、そんなシンプルに考えないほうがいいんじゃないかな。緩い流れなら前でレースを作ってしまっていいと思うし、行く馬が多い、流れそうであれば無理せずに入ればいいし、という感じ。折り合い面での難しさは感じさせたけど、噛み合えばいいところまで行くと思うんだけどね。この馬も軽ハンデだったのでまだプリモシーンに力で勝ったとまでは何とも。
3着07プリモシーン(福永)
やや出負けしていたが促しながらポジションを取って好位外目ぐらいで入っていく。道中少しかかり気味になっていてキャンベルジュニアの後ろで3角に入る。3~4角でキャンベルの外から勝ちに行く形を選択して2列目。序盤ですぐにキャンベルに並びかけてくるがまだここでは言うほどはじけず2番手。L1で下がってきたグランドボヌールを拾ったが、外から一気に3歳馬2頭に来られて3着。
まあ、55.5kgとトップハンデを背負ってこれでだけ踏ん張れたしそこは評価したい。ただ、個人的にはちょっと福永としては位置取りが強く出過ぎたかなという感覚ではあるかな。この馬のバランスで見てもおそらく平均ぐらいになってしまっているんじゃないかなと思う。この馬はやはり強い競馬をしているときは自身では後傾バランスで入れているときだからね。実際4着のミエノサクシードとのパフォーマンス比較で考えても大体ターコイズS通りの内容になる。こうやってある程度力の要る馬場になると後ろの馬も全体のペースに近くなるし、まして好位外で流れに乗ってしまうとこの馬としても余力を作りにくくなって、後半のロングスプリントという持ち味が削がれてしまったかな。もちろん馬場が第一義的には大きいけど、もうちょっと前半無理なく入って競馬した方が良かったと思う。馬場的にはそうなるかな。まあ、ここで3着なら適性面を含めての力通りだとは思う。この馬にとってはちょっと難しい条件になったが、地力で何とか複勝圏内は確保してくれたという感じかな。
4着15ミエノサクシード(川島信)
やや出負けして押して追走、あまり行き足は微妙で後方の内に入り込む形になる。3~4角でも最内を立ち回って内のスペースを拾いつつ直線で中目。序盤で進路がなく手ごたえはいいのだが追い出せない。L2で前のプリモシーンのスペースを使って勢いをつけて内に入っていくが4着まで。
こちらはほぼ展開にフィットした走りを見せてくれたと思う。もう今のこの馬はある程度流れてしまったほうがいいのかもしれないね。まあそれでも今回の場合は道中で全くよどみがなかったことで質的に前半の追走で苦労してしまった。もう少し捌くのが早ければプリモシーンを交わすところまであったかもしれないけど、後方内からの競馬なので仕方ない面もある。距離は微妙なんだけど1800のほうがいいとは思うんだよなあ。レースバランス的には多少ハイでも対応できるようになってきたし、1800である程度ポジションを取ってという競馬をしても面白いかもしれん。今日の感じなら福島牝馬S辺りに出ると面白そうな感じはするんだけどね。3角からの4F戦とかかみ合いそう。
5着01グランドボヌール(和田)
好発を切って軽く促しつつハナを主張も、外のツーエムマイスターが明確に競ってきたので無理はせずに控えての2列目の内。結果的にツーエムの後ろで単独の2番手で3角へ。3~4角でツーエムの外から並びかけていって勝負を仕掛ける。序盤の坂の登りで先頭に立ってあわやの場面を演出。しかしL1で甘くなったところに外差しを食らい掲示板確保の善戦まで。
ん~雨でもそんなに悪化しなければちょっと怖さはあったんだけど、ここまでタフな馬場だと難しいだろうなと思っていたら思った以上に頑張ったなという感じ。前目でコントロールして一足を使えるタイプというのは上手く支配できれば一瞬は怖い。ただこの馬場だとこの馬の一瞬の鋭さをというのはちょっと難しかったかなと思うし、全体のペースもある程度は流れていて後ろも3~4角で早めに動いてきたからね。ちょっとかみ合わなかった中で5着なので思ったより頑張ったんじゃないかなと。この感じならマイル路線を試してみてもいいかもしれんね。
8着14カテドラル(川田)
五分のスタート、そこから促されるがあまり前に行ける感じではなく徐々に下がって中団外。終始押っ付けながら3角でも外目を押してクリノガウディーの後ろから直線。序盤でクリノの外に出して追われるのだがさほど伸びてこない。ラストはむしろピッチが落ちて前の3歳馬たちに離される形で8着完敗。
まあ、シンプルにマイルでここまで流れたら難しいって感じだと思う。NHKマイルCの場合は中弛みで上手く内から取り付けて温存できたからね。この馬自身のバランスだと3-3Fで35.3-33.7だから明確にスローバランスなんだよね。だけど今回はおそらくこの馬のバランスでも平均ぐらいになってしまうと思う。前半というよりも中盤でかなりペースが上がってしまったことで取りつけずに分散、全体的な能力勝負になってしまった。前半の基礎スピード・中盤のロングスプリントから後半は失速過程の中でのポテンシャル面。この馬の本来の持ち味はトップスピード面だと思っているので、NHKマイルCでは中弛みで取りつけて何とか引き出せた範囲だと思うけど、マイルでここまで流れると微妙。本質的にはワンターンの1800がベストだとみているけどね。
11着11ロードクエスト(M.デムーロ)
出負けして後方からの競馬となる。道中も特に無理せず後方で3角。3~4角で後方中目を追走しながら直線で外。序盤で追われてじりじり。L1までジリジリとなだれ込んでの11着完敗。
まあ外差しがなかなか利きづらいイメージの今開催の中京なのでそこはあったかもしれないが、それでも力の要る馬場で平均で流れている中でいまいち伸びきれなかったというのは不満が大きいかなあ。もちろん出負けして後ろからになってしまったし前半はさほど速くない、中盤以降で仕掛けが早いとなると3~4角でロスなく運べないと簡単ではないが、それでもミエノサクシードとの比較でこの内容では不満の方が大きいかなあ。ちょっと良くない状態に入っているかもしれんね。