2019/02/02
第68回 スプリングステークス(GII)出走予定馬展望
日程:2019年3月17日(日)
コース:中山芝内1800m
予想用・出走予定馬一覧
ファンタジスト(武豊騎手想定)
昨年秋の府中で京王杯2歳ステークスを制したファンタジストがスプリングステークスに出走予定だ。前走の朝日杯フューチュリティステークスでも4着と健闘を果たしたが、クラシックを見据えれば健闘レベルでは物足りない。1800mと距離延長となるが、皐月賞につながる競馬を期待したい。
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ここ2走の感じから1800でも1周コースに替わるのがどうか、というのは微妙なラインかな。ただ、朝日杯の内容的に距離自体はもう少し持ちそうな感じもしている。能力的に見るとアドマイヤマーズに朝日杯で圧倒されるレベルでは少なくともクラシック主役級とは差がある。あとは今回のメンバー構成との比較になるが…この馬が人気を集めるなら穴を狙いたいかな、とは感じるレベル。中山1800でロンスパ気味になって分散されないかどうかやね。前走は悪くないけど、ここで人気を背負うほどか?となると他を見渡しても面白い馬が非常に多いので。
京王杯2歳S(GII)1着
東京芝1400m良 8頭1枠1番
1:24.7 38.0-33.5 S^5
12.9 – 12.2 – 12.9 – 13.2 – 11.7 – 10.8 – 11.0
まずは2走前の京王杯2歳S勝ちから振り返るんだが…まあ言っちゃあなんだが極端なドスローなのであまり参考にしづらいところはある。ペースは4.5で極端に遅い。そこからの3F勝負…とも言えず、ほぼ2F戦。坂の登りでの急激なギアチェンジを問われた。
1番枠からまずまずのスタートを切って、そこから無理はせずに控えて2列目のポケットで進めていく。道中も折り合いを意識しつつ前にスペースを置いてやや下がる感じで後ろのアウィルアウェイのスペースをつぶしにかかる感じ。3~4角でこちらは前にしっかりとスペースを保って2列目のポケットでいつでも動ける態勢をとって直線。序盤で内外どちらでも、というところからL2で内に切ってスッと反応、ここで先頭に立つ。L1でアウィルアウェイがしぶとく差を詰めてくるがこれを何とか退けた。
ここまで馬鹿らしいペースだとまともに回顧するのもあれなんだが、ひとまず言えるのは緩い地点から直線で一気に加速するギアチェンジ能力を高いレベルで持っていたというのは証明できたのかなと。また最速ラップ10.8の地点で1馬身差を詰め切ったので10.7は確実。瞬間的な切れ味という点でも十分。ただし、あまりにも遅いのでこれをまともな流れの中でも引き出せるのかどうか、TS持続は最後にアウィルアウェイに詰められているのでその辺りが課題ではあったと思う。
朝日杯FS(GI)4着
阪神芝外1600m良 15頭8枠14番
1:34.5(+0.6) 47.7-46.2 S^1
12.7 – 10.9 – 11.7 – 12.4 – 11.8 – 11.3 – 11.2 – 11.9
前走の朝日杯ではペースは1.5とスローでも割と現実的なレベルで48秒は切ってきた。そこからの4F戦気味で分散してのL2最速11.2。なので質的にはそこまで切れる脚は要求されず、トップスピードの持続力の方が高いレベルで求められていたかなと。3角で遅くないし4角地点が11.3なので外を回すロスもそれなりにあったはず。
14番枠からまずまずのスタートを切ってそこから無理はせずに好位の外で進めるがそこまでかからずコントロールしながら3角。前が少し離して進めている中で、3~4角で好位の外目から勝ちに行くような感じでスーッと促して直線。序盤でアドマイヤマーズが抜け出す中で反応は一息、ジリジリでまだ3列目にも来ていない。L1でそこからジリジリと伸びての4着。
4F戦で外目からの競馬になったのはそこそこしんどかったと思う。その割にL1では前との差が詰まっていたので、意外とTS持続力は悪くないのかな。クリノガウディーなんかは3~4角でロスなく立ち回っての反応の良さ、という感じだったしそれと比べるとこちらの方がロスはあった中でしぶとく差し込んできた。これは一定の評価が必要だろうと思う。ただし、やはりアドマイヤマーズ比較でみるとあの位置から瞬間的な切れ味ですら見劣ってしまっている。マーズより切れる馬そのものは何頭かいるわけで、クリノガウディーにもL2の地点の脚色では見劣っていた。このあたりをどう考えるか。悪くはない競馬をしているとは思っているけど、現状クラシック主役級を追いかける2番手グループの中に入る所までか。
小倉2歳S(GIII)1着
小倉芝1200m良 14頭4枠6番
1:08.9 33.4-35.5 H^3
11.9 – 10.4 – 11.1 – 11.7 – 11.7 – 12.1
3走前の小倉2歳Sも一応振り返っておく。小倉1200で単調な基礎スピード戦。
6番枠からやや出負けしていたが二の足が速くすっと取り付いて2列目の外に近いところ。そのまま3~4角でも2列目外で前2頭を追いかけながら4角で先頭列に並びかけてくる感じで直線。序盤でしっかりと伸びて先頭に立つ。L1で半馬身差の差を一気に広げて突き抜け1馬身3/4差完勝。
1200の競馬なのでつながりは薄いと思うが、このペースで出負け気味からすっと取り付けた二の足を見る限りからも基礎スピードの高さはうかがえる。まあここはレベル的には楽だったから突き抜けられたとは思っているが、距離適性の幅が広いのは基礎スピードも高くトップスピードも持っていて、それをうまくコントロールできる気性面、というのがあるのかな。
スプリングステークス2019への展望
まあ、不安はあるんだけど、朝日杯の内容を見るとぶった切る所までは怖い。というのも、京王杯2歳Sの場合は明らかな2F戦で仕掛けが非常に遅かった。でも朝日杯の場合はL4からそれなりに流れていたし馬場も標準ぐらい。その中で外から長く脚を使ってL1まで食い込んできたので、意外と距離は延びても大丈夫な口かもしれない。敢えて言うならステルヴィオみたいな感じもなくはないが、ステルヴィオより素材的には足りない代わりに総合的に適性を持っているという感じか。あまり短距離指向の馬と決めつけずに豊には柔軟に乗ってほしいかな。
相手関係を見渡すと結構強敵が多いなというのが正直なところ。朝日杯で先着を許したクリノガウディーも厄介だが、個人的にはそれ以上に面白そうだなと思う馬たちがここに集まった印象。ロジャーバローズなんかもよさそうだし、エメラルファイトは個人的にはかなり厄介になると思っている。京成杯上位勢もいて、さらに面白そうな穴馬もちらほらと。その中で、1番人気を背負う馬…となると馬券的には難しいところかな。前走の感じから1800でも問題ないかなと思っているけど、純粋な能力面で他に面白い馬が多いので現状では器用さを評価して連下に収めるのが妥当なところかな。