2019/02/02
第93回 中山記念(GII)出走予定馬展望
日程:2019年2月24日(日)
コース:中山芝内1800m
予想用・出走予定馬一覧
ウインブライト(松岡騎手想定)
今年も中山金杯を制し、中山重賞3勝目を挙げた中山の申し子ウインブライトが中山記念に出走予定だ。GI馬が多数参戦するが、その中でディフェンディングチャンピオンとして受けてて立つ立場。得意の中山で強敵をまとめて退け昨年の再現となるか。
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昨年中山記念は前からは少し離れた位置から3~4角で勝ちに行ってねじ伏せた。ステイゴールドの仔には結構多いイメージだけど、コーナーで脚を使うのが得意な感じかな。ただし、あまり速いラップを問われないという条件は付くと思う。11秒前後の足は一瞬しか使えないイメージだ。
中山記念(GII)1着
中山芝内1800m良 10頭5枠5番
1:47.6 47.7-48.4 M
12.8 – 11.7 – 11.7 – 11.5 – 11.5 – 11.8 – 12.2 – 11.9 – 12.5
5走前となるが、昨年の中山記念勝ちから振り返りたい。この時は前が飛ばしていてペースは平均にはなっているものの、離れた3番手にいたディサイファの位置だと800通過は目視推定で49秒台半ばというところ。この辺を踏まえてもイメージ以上にスローロンスパだったと思っている。後ろの馬はコーナーで前との差を詰めているので3~4角で長くポテンシャルを要求された一戦だろう。この馬の場合は後半特化とみている。
5番枠からまずまずのスタートを切っていたが無理はせず、離れた4番手で進めていく。前2頭を無視して実質的にレースを作っている3番手のディサイファから少し離れた4番手で前半はゆったり進めながら、3角手前辺りでも前との差が詰まってこないので流石にこの辺りからじわっと差を詰めにかかる。3~4角ではでぃせいふぁの外に並びかけていって前との差を一気に詰めながら楽な感じで合えろりっとに並びかけて2列目。直線でそこからしぶとく伸びてマルターズアポジーに詰め寄る。L1でしっかりとかわして、食らいつくアエロリットをクビ差残しての勝利となった。
この馬の場合は後半3~4角で動いていっているし、レースラップでも11.5-11.8-12.2という感じでそこまで大きく落としていない中で明確に差を詰めていたからね。3~4角で11秒台半ばはまず踏んできていたと思う。それぐらい分散しながら長く脚を使うことで後ろでも切れるタイプの馬に対して脚を削ぐことができた。この馬の場合コーナーである程度速いラップを踏めるのが強みで、直線で11秒を切るような鋭い足を使えないものの中山だと安定して強いのはこの辺にあると思う。
大阪杯(GI)12着
阪神芝内2000m良 16頭6枠11番
1:59.7(+1.5) 61.1-57.1 S^4
12.8 – 11.3 – 12.4 – 12.4 – 12.2 – 11.8 – 11.2 – 11.1 – 11.4 – 11.6
4走前の大阪杯ではコーナーの競馬になったが太刀打ちできなかった。高速馬場でペースが4秒と極端に遅い。向こう正面で動いたスワーヴリチャードが一気に引き上げてコーナー勝負。それでもラップ的に11秒前半を刻む形となってしまった。
11番枠から五分のスタートからまずはヤマカツライデン辺りを行かせて無理はせずに好位の外につけていく。ただこのあたりから極端に遅い流れになる。そこでも抑えてコントロールしていたが最初にゴールドアクターが動いてプレッシャーをかけに、それでも上がらないので外からスワーヴが一気にきて交わされ3角。3角でスワーヴの後ろを目標に追走、4角で手が動いて鞭も入るが置かれて直線。序盤でじりじりと下がり、L1でも下がり切った。
最近気にしているのはトップスピードの限度、という観点。本来のTS持続力から考えればおかしいぐらいに下がってしまう事象を説明づけられると思っているんだが、この馬にとって11.1で4角で外外を回してついていくのが限界を超えてしまったんじゃないかなと。このレースはそれぐらいに極端なレースになっていて、この馬としてはコーナーで分散してというのは望むところでも最速11.1というのはこの馬の能力を超えた競馬だったと思っている。コーナー勝負でもここまで速いラップを要求されないようにもっと早めに勝負を仕掛ける必要があったかなと。
中山金杯(GIII)1着
中山芝内2000m良 16頭6枠11番
1:59.2 59.9-59.3 M
12.4 – 10.7 – 12.5 – 11.7 – 12.6 – 12.2 – 11.6 – 11.7 – 11.4 – 12.4
前走の中山金杯はそのあたりのバランスも良かったのもあるが、少しレース全体に淀みがあった中で前半から無理をせずに入れたのも良かった材料かもしれない。ペースは平均だがスタートしてから前中盤だけでも11秒台に入ったり12秒台半ばまで落ちたりとややトリッキーな流れからの4F戦。後半最速は11.4とそこまで速いラップを要求されなかったポテンシャル戦。
11番枠からまずまずのスタートを切って、好位ぐらいで様子を見ていたが最終的には下げて中団。中団外で仕掛けのタイミングを待ちつつ進めていたが、先に外からステイ、タイムフライヤーが上がっていったのでその仕掛けを待って3角。3~4角でペースが上がっていく流れで外々とロスの多い正攻法の競馬となって中団外で直線。まだこの辺りではそこまで切れてないがそれでも徐々に差を詰めて3列目、L1で前が減速したところでしぶとく差し込んで競り落とした。
レースレベルが比較的楽だったかな、とは思っているんだがそれでもタニノフランケルが小倉大賞典で2着と結果を残しているし、ステイフーリッシュも京都記念で2着。その中で後半ポテンシャル戦で外から正攻法、58kgを背負って差し切ったのは結構強かったんじゃないかな。極端に速いラップを要求されると難しいけど、こうやって上手くロンスパに持ち込んで鋭くトップスピードを引き出してくる馬たちに対して先に仕掛ける形で脚をそげばチャンスも出てくる、というところ。
中山記念2019への展望
昨年は結構展開自体は向いたと思う。前が離して逃げていて、しかもどちらもそこそこ強敵で流石に3角手前からは動かないとというところで2列目以降はかなり早めの仕掛けになっていると思う。コーナーで分散しきったしある程度力のいる馬場で速いラップを問われない競馬に持ち込めたのが最大の好走要因だろう。前走の中山金杯も馬場自体は比較的軽くなっていたと思うが、前半からそれなりに流れてのロンスパだったし最速11.4程度ならここで切れることはなくてもL1でばてずに差し込んでくる。
ただし、やはり馬場と展開一つというのは中山1800の特徴。例えば昨年ほどに前がペースを作りそうもない今回のメンバー構成だと前半はスローで一団の展開となると、向こう正面で上がり切らなければ当然L2でもう一段、しかも速いラップを要求される可能性が高くなる。厄介なのはそのパターンで、向こう正面の段階でしっかりと強めに仕掛けて前のペースアップをけしかけることができるかどうか。場合によっては3角先頭に立ってペースを引き上げていくぐらいの意識は欲しいと思う。もちろん馬場が重ければそこまで気にしなくてもいいが、ここ最近は開幕週から軽い馬場ということも起こりえるので馬場を見て判断したいかな。軽い馬場だと今回はそういった面で明確に不安は出てくると思う。