競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

ジャパンカップ 2018 出走予定馬:シュヴァルグラン&C.デムーロ騎手想定

time 2018/11/21

ジャパンカップ 2018 出走予定馬:シュヴァルグラン&C.デムーロ騎手想定

第38回 ジャパンカップ(GI)出走予定馬展望

日程:2018年11月25日(日)
コース:東京芝2400m

予想用・出走予定馬一覧

シュヴァルグラン(C.デムーロ)

昨年のジャパンカップではキタサンブラック、レイデオロを撃破し見事にGI制覇を成し遂げたシュヴァルグランが今年は連覇を懸けてジャパンカップに出走予定だ。昨年悲願を達成したときの相棒ボウマンが騎乗停止で乗れない中、クリスチャン・デムーロが代打。世代交代の波が押し寄せるが、偉大な馬の名前通り、その波を打ち払えるか。

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昨年の出来にあれば…とも思うが、やはり前走の京都大賞典の内容が良くない。それと、昨年のJCの時は現実的な馬場ではあった。今年は先週の段階でも超高速馬場に近いレベルにあるからね。その点もあまりいい材料とは言えないかもしれない。ただ、やっぱり状態面かな。上げてこないと前走の感じでは不安が大きい。

ジャパンカップ(GI)1着

東京芝2400m良 17頭1枠1番
2:23.7 60.2-59.1 S^1
13.0-11.2-12.1-12.1-11.8-12.1-12.3-12.2-11.8-11.3-11.8-12.0

昨年のジャパンカップ制覇が恐らくこの馬の中でもベストの競馬になると思っている。ペースは1.1でややスローだがある程度は流れた。そこからの後半の4F戦という中でL3最速とTS持続力を高いレベルで問われたなと。

1番枠から好発を切って余裕をもって先行争い、キタサンブラックを行かせて3列目のポケットを確保とこれまでにない良いポジションを序盤のうちに取り切る。道中もギニョールの後ろで前にスペースを置きながら少し離れた3列目。3~4角でも3列目の内で我慢しながらうまく最内を立ち回り、4角でギニョールの後ろから直線入りで外に出す。序盤ですっと伸びて2列目から抜け出し単独の2番手。L2ではキタサンブラックも手ごわく踏ん張っていたが最後はこれを競り落として外から伸びてくるレイデオロを封じての1馬身1/4差完勝だった。

内枠でポンと好発をとって3列目の内ポケットと労せず理想的な位置を確保できたのはボウマンの手腕だったのかなと。もっとも、このあたりから先行力はついてきていたし、宝塚記念では逃げるところまで行ったわけで結果的にはその辺から力をつけてきていたのかなという感じ。もちろん前半がスローの流れで良いポジションをとるだけでは勝てず。しっかりと直線に入って最速地点で食らいつく、減速地点で前が落ちてもこちらは大きく落とさず踏ん張って伸びてきたから勝つことができた。

とはいえレイデオロは3~4角でもそれなりのロスがあったし、それに対してL1で食らいつかれていたので、ボウマンの好騎乗がここまで楽に勝てた要因であることは疑う余地もないだろう。内枠、好騎乗、高速馬場ではあったが極端ではなかったということもある、色々噛み合った面は多いと思う。

有馬記念(GI)3着

中山芝内2500m良 16頭5枠10番
2:33.8(+0.2) 61.6-59.5 S^2
6.8-11.6-11.9-12.2-12.3-13.3-13.2-12.8-12.2-12.1-11.7-11.2-12.3

続く有馬記念では3着とスワーヴリチャードに先着。年末で力の要る馬場状態、ペースは2.1でかなりのスローからの2段階加速戦というところで、L2最速11.2と4角出口から直線前半で速いラップを要求される競馬となった。キタサンの武豊がレースを支配してある程度ギアチェンジが問われたしその中で外からじりじりと来ていたけども、という内容。

10番枠から五分のスタート、そこからは様子を見ながら中団という形をとる。スタンド前でもサクラアンプルールの後ろぐらいで無理はせず、外から徐々に並びかけるが中団のまま。向こう正面でキタサンが1段階目、じわっとペースを引き上げるがそれでもまだ遅い、という流れで各馬誰も動けず。トーセンビクトリーの後ろでこちらも我慢して3角へ。3~4角でキタサンが段階的に加速する中、外々を回しながら外からくるスワーヴと並んで中団。序盤でしぶとく伸びてスワーヴと共に3列目から2列目に並びかけてくる。L1でクイーンズリングに迫る脚を見せて最後はかなり際どかったがわずかに及ばず3着だった。

サクラアンプルールが決定的な不利を受けたがこの馬は直接的には関係ないしスワーヴが悪い。まあそれはともかくとして、やはりレース全体がキタサンブラックの支配下にあり、向こう正面で恐らく体感的にはペースが上がったと思うんだがそれでもラップで見れば上がり切っていない。そこで動けず3~4角でさらに一気に加速していく中で外から動こうにも押し上げられずという競馬になったと思う。その中で外を回したとはいえスワーヴに対してL1はこちらが優位性をとれていたのは流石、というところだろう。キタサンが完璧だったが、流石はジャパンカップで強い競馬をしただけはある、という3着だった。

京都大賞典(GII)4着

京都芝外2400m良 11頭2枠2番
2:26.0(+0.6) 61.2-59.7 S^1
12.9-11.1-11.7-12.7-12.8-12.3-12.2-12.6-12.0-12.1-11.2-11.8

今年も春は悪くなかった、大阪杯は極端な展開になったし三浦もかなり強引な運び方をしていた。天皇賞春はしっかりと流れに乗って強気の競馬で2着。しかし…その後は休養と宝塚記念は回避した。

そんな過程から秋の休み明け初戦は京都大賞典だったのだが…正直良くなかったと思う。ペースはスローだがこれでもウインテンダネスの単騎逃げ。実質はもっと極端なドスローからの後半勝負。3~4角でも2列目以降はある程度速いラップを踏んでいると思うが、それでも甘くなりすぎたし4着といっても離された。昨年よりも明らかに悲観的な内容だったと思う。

8番枠からまずまずのスタートを切ったがとにかく逃げだけは打てないので控えて好位の外目で進めていく。道中もかなりスローの流れで好位の中目でブレーキ気味、折り合いを意識しながら3角へ。3~4角でスマートレイアー以下がウインを捕えに上がってくる中でスマートの一つ外から2列目に並びかけて直線。しかし序盤でいとも簡単に外からサトノダイヤモンドに交わされてしまう。そこからは伸びあぐねてアルバートにも交わされての4着完敗だった。

この京都大賞典ではサトノダイヤモンドが10秒台の脚を使っているはずだし、この馬にそこまでのトップスピードの質はないのでサトノに交わされたのは百歩譲って仕方がないとする。ただし、問題はアルバートレベルにこの展開で差されてしまったことだろう。馬場がやや高速程度だったのもあるのでアルバートとしては悪くない条件だったが、それでもこれであっさり交わされるような展開ではなかったはず。ラストのTS持続が売りのこの馬としてはこの負け方はかなり不満が残るな、というのが率直な感想だった。宝塚記念を使わなかったのも状態面の問題があったのか?と勘繰りたくなるほどに内容が良くない。叩いて上昇できるかが鍵だろう。

ジャパンカップ2018への展望

ディフェンディングチャンピオンだが、やはり不安が先に立つ。昨年の京都大賞典では3着に伸びあぐねたが4F戦でコーナーでも速いラップを要求される中外々を通して最後までなだれ込めた。あのパフォーマンスは3着に敗れたといっても悪くない。初戦としては十分だったと思う。しかし今年の京都大賞典に関しては良くなかった。全体のペースが遅すぎたのもあるとは思うが、それでも有馬記念でもそれなりにやれていることを考えると、流石にアルバートとの比較であそこまで見劣るのは看過できない。状態面はかなりカギになってくると思う。

1週前追い切りはラップ的には十分だし、全体で速い時計も出せたのでこれで上昇気流に乗って来れれれば、という感じ。相手関係を考えても京都大賞典で完敗を喫したサトノダイヤモンドはもちろんだが、アーモンドアイはかなりの強敵になるし、左回りで同じく前走に不安を残すスワーヴリチャードも高速馬場のTS持続では大阪杯で完敗(こちらは拙い騎乗もあったが)。面白い穴馬候補も今の段階で、2頭ぐらいはいるのでそれを踏まえるとなかなか判断が難しいところ。

それと、もう一点状態面だけでなくやはり超高速馬場適性が気になるところでもある。昨年のジャパンカップも現実的な馬場だったと思うし、前半流れたので後半1000も59.1という程度。アーモンドアイやスワーヴリチャードは後半1000で57秒台はもちろん、56秒台も視野に入れてくるレベル。仮にウインテンダネスやキセキが前半スローから強気の競馬となった時にそこまでのラップを高速馬場で刻み続けられるかどうかだろう。昨年の京都大賞典も悪くはないと思っているが、それでも高速馬場で強い馬が多いのも確か。当日の馬場がどうなるか次第だが、先週ぐらい(超高速からは一段階下がった感はある)ではまだまだ時計的には出るだろう。ポジションをとれるようになったのは良い材料だし、昨年のパフォーマンスを引き出せれば…とも思っているが、今年は少々条件が良くない面もあるかな。直前追い切りで良さを感じられれば、枠の並びが良ければ、という評価で今の段階では有力馬の中でも買いたくない方に入る。

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何悪。分析note2023



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