2019/02/02
アルテミスステークス2018のレース回顧・結果
東京芝1600m良
1:33.7 46.2-47.5 H^1
12.3-10.4-11.2-12.3-12.5-11.8-11.4-11.8
展開分析・全体の感想
まあグレイシアが負けた要因はやっぱり前走ゲートで出負けしたことを意識しすぎて前半から押して流れに乗っていくしかなかったことと、前半3Fが33.9と極端に速かったことが大きい。
このレースは端的に言えば極端な中弛み戦で後方外差し天国の展開になった。
先行勢はほとんど掃除されているが、前半3Fが速く33.9(FA11.30)とみてもわかる通りこの時期の2歳ではオーバーペース気味。そこから中盤の3~4角2Fで12.3-12.5と平均11.3から考えると極端に緩んだことで1000通過ではせいぜい58.7と現実的なラインで収めることができた。なので当然だけど前半の3Fで無理をせず中盤の中弛みでフラットに取りついた方が有利な展開になっていると。
馬場を考えるとトップクラスなら33秒前半は出ると思うし、中だるみを考えてもちょっと時計が遅いかなという感じでレースレベル全体は今のところまだ何とも言えない。レースが終わってから考えてもこの馬券は自分には取れないのでそんなにショックはないんだけど、グレイシアはこれでももうちょっとやれるかなと思ったんだけどね。
1着03シェーングランツ(武豊)
出負けして後方からの競馬となる。前半から前がぶっ飛ばす流れの中で無理せず後方2番手で進めていく。3~4角で前が一気にペースダウンしたところで後方中目からロスを最小限に進めつつ直線で外に誘導。序盤で底からの加速という地点ではまだ反応微妙。しかしL2で伸び始めると中団、L1で抜け出していたビーチサンバとは3馬身差ほどあった差を一気に捕えた。
エンジンのかかりは正直あまりよくなかった。3~4角では後方中目から直線外への誘導、L3ではそこまで速いラップを踏んでないし動ける馬ならL3の段階で伸びてきていると思う。L2でジリジリ、L1でばてたところをまとめて交わす、という感じでこの馬自身は恐らく11秒半ばはまず使っている、恐らく11秒前半ぐらいの脚をL1でというところ。瞬間的な切れ味は見せなかったし反応も地味だが長く脚を使えそうな感じはするかな。
ただ今回ははっきり言って出遅れたことがかえって良かったパターン。中弛みで取り付けたし前の馬はリズムの悪いラップ推移で崩れている。今の段階ではマイルだと前半のポジショニング面で苦しいし、まともな流れでは簡単ではない。今回みたいに前半超ハイ、中盤スローというような極端な流れでかみ合った、というだけでこれでマイル適性がどうこうと感じるのは危険だと思う。藤沢馬で豊が乗ってこの結果だとJFでも人気すると思うけど、個人的にはお勧めできない。
2着11ビーチサンバ(藤岡康)
出負けして後方からの競馬となる。道中も前がペースを引き上げるという中で濃い方の外目でじわっとリカバーするが無理はしないという程度で中団外。3~4角の緩みで少し我慢しつつ、4角で外からじわっと押し上げて直線に入ってくる。前を向いて早めに動いた分だけ直線序盤の反応が良く一気に2列目、L2で先頭に立ってしまう。L1で甘くなったところを外から一気にシェーングランツに差し切られての2着惜敗だった。
奇しくも出負けした馬の1,2ということからもわかるように、あんまり前半の流れに巻き込まれなかったのが勝因の一つ。そして直線前半~半ばで切れたのも、中だるみ地点の4角で外から先に動けたから加速しやすい状況だった。なのでまあ特に驚きはないけど、これで差されたとなると時計・ラップ的にはクラシックを争うレベルにはまだちょっと足りないかなと思う。
ここ2走はどちらもある程度出し切ることができたし、特に今回のアルテミスSは流れた中で中弛みで取り付いてと理想に近い形。その中で一定のパフォーマンスは見せてきたと思う。それでもアルテミスSの場合はやはり前の馬には極端に厳しい流れになっているし、後ろの馬にとっては有利な極端な中弛みが起こっているからね。そこにうまく乗ったものだから、あまりこれをアテにするのは危険な気がするね。
3着08エールヴォア(浜中)
五分のスタート、そこからある程度促したが前半前が速い中で中団馬群の中で進める形になる。道中も包まれて徐々に下げながら3角。3~4角で前が緩める中でスペースがなく馬群の中で待たされているうちにポジションダウン、4角で外目に誘導、スペースを見つけながら直線。序盤で追われてしぶとく食らいついてL2で2列目に加わってくる。L1でそこからもしぶとく伸びていたが外のシェーングランツに差されてビーチサンバとの差も詰まらず、単独の3着確保も完敗。
4角以降スペースを探して外目に誘導から直線序盤の反応は流れを考えると思ったより良かったな、という印象。ただしL1まで含めてこれといってインパクトを残せなかったのは物足りないかなと。これを踏まえるとマイルは少し忙しいのかなという感じはする。
まあ特殊な流れになったので難しいけど、この中弛みの展開なら前走みたいに外から動いていって出し切ってという競馬でどうだったか?というのを見たかったかな。未勝利勝ちのインパクトはかなりのものだし、素材的には良いものを見せているからね。個人的には1800~2000で見てみたいね。
4着14ウインゼノビア(松岡)
好発、様子を見て下げていく感じで中団外。3角の中弛みでじわっと好位外に押し上げ、そのまま4角でも楽な感じで押し上げて2列目で直線。序盤で早めに反応して伸びてきて先頭列、L2で2番手まで上がってくる。しかしL1で甘くなって最後は下がって4着完敗。
これは多分この馬の競馬としては最も理想的なバランスで入ったと思う。前半は超ハイの流れで無理せず中団、中盤のスローで押し上げて1000を過ぎて最終的には2列目外から仕掛けている状況で入ってこれた。だからすぐにエンジンも掛かったし伸び始めが早かった。L1甘くなったけど映像的にみての早仕掛けというよりもシンプルにこの馬自身使える脚が長くないってことだと思う。中弛みを考慮しても全体でペースを引き上げた中で、バランス的に上手く乗っての完敗だったからね。少なくともJFまでは現状これ以上は難しいかな。中山マイルとかならやれそうな感じはするけどね。
5着01トスアップ(藤岡佑)
まずまずのスタートからじわっと追走、グレイシアが上がっていったのでそれを行かせて3列目の内内で。前半もある程度流れに乗って3~4角で最内でブレーキさせられて我慢して直線。序盤で底から進路確保だがグレイシアが動けないので待たされてしまう。L2で内に進路をとって伸び始めるがジリジリ。L1でも最後までそれなりには食らいつくが完敗の5着。
負けはしたけど、展開を考えると最序盤から3列目にいた中では一番の粘りではあったと。この馬の位置でも前半3Fは34秒半ばぐらいだったと思うし、その流れで脚を使わされながら中弛みで強制的に息を入れられて直線再加速であてにしていたグレイシアがダメ。その中でよく伸びたほうだと思う。この一戦は負けはしたけど悪くないと思うね。
ただ府中マイルだけどペースが速くて後半速いラップを要求されない形になったからね。トップスピード戦でどうなのかはまだ未知数で、そこ次第で評価は変わってくるかな。
8着05ミディオーサ(モレイラ)
出負けして後方からの競馬となる。そこから内目をリカバーしつつトスアップの後ろで3角。3~4角で中弛み、スペースなく直線。序盤で少し窮屈になりつつ最内を取り切る。L2で底から追い出されての伸びも前が壁で進路を探りに行くが取れず。下がってもう一度中目からそれなりに伸びてくるが7着まで。
ん~直線で詰まってしまったのが致命傷ではあったね。あれがなければ手ごたえ的にはもうちょっとよかった、トスアップより上位もありえたと思うのであそこで詰まったのが大きかったのは間違いないかな。ただ出負けしたのも確かだし、そういった細かいところでの不満はある。
それでも流れた中では不安があったけど、不利がなければ?と思わせるぐらいの最低限の脚は見せてくれたと思う。本来はもうちょっとゆったり運んで後半を爆発させたほうがよさそうな感じがするので、JFに向けて怖さはあるかな。今回は展開的にも難しかったし直線での進路が恵まれなかったのもあるからね。度外視まではいかないけど、そこまで悲観していない。
11着02グレイシア(田辺)
五分には出てそこから二の足で一気に先行争いに乗っていくがこれが激化。外からライデンシャフトを行かせて2列目ポケットは良いがこの段階でかなり速く3角まで息を入れられなかった。そうなると前のライデンが速すぎるので3~4角で一気にペースを落してくるのでブレーキせざるを得ず、12秒台まで落として直線。序盤でそこから外に出して加速したかったが出来ず、馬群に沈んだ。
まあ、理解できる面もある。やっぱり前走出負けしたことで今回は前半に意識が行き過ぎた。スタートが良くない馬で内枠なので、ある程度主張しないと前は獲れないが、主張した結果前半からかなり速くなってしまったと。その流れに乗ったうえで中盤の中弛みが酷かった。
ただ、新馬戦では1400とはいえ息を入れての再加速をかなり速い流れでやれていたので、直線前半の地点での反応が全くなかったのは個人的には気がかり。確かに入りの3Fが異常に速かったわけだけど、それでももうちょっと動けると思ったし、少なくとも加速していくL2までは見せ場を作ってくれると思ったんだけど、それができなかった。もちろん戦前の段階の評価でもグランアレグリアを上位に取っていたけど、それでもここは勝ち負けしてくれんと…という気持ちだったんだけどね。まあ前半速すぎた流れに乗ってしまったから…というのはあるけど、ちょっと心配な負け方でもあった。田辺に関しては出負けからのリカバーをする前提だったと思うので内枠だとある程度仕方ない。結果的に後ろから行ってればよかったともいえるけど、それを選択してスローで団子だとこれまた簡単でもないしね。
重賞予想解説者:北条直人
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単勝:87% 複勝:100% 馬連:66.7%
ワイド:91.3% 3連複:54.2% 3連単54.2%
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単勝:79.2% 複勝:95.8% 馬連:45.8%
ワイド:75% 3連複:41.7% 3連単41.7%
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単勝:87.5% 複勝:100% 馬連:62.5%
ワイド:83.3% 3連複:25.0% 3連単25.0%
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平均の約3~4倍、、
さらに、的中を重視したいときには「的中率90%の反則技指数」、高配当を狙っていきたいときは「魅せる穴馬HitMake」と使い分けることができる。このあたりは、その時々のお財布事情次第で使い分けるとよいとは思います。