第66回 府中牝馬ステークス(GII)出走予定馬展望

日程：2018年10月13日(土)
コース：東京芝1800ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ミスパンテール（横山典騎手想定）

昨年ターコイズステークスから阪神牝馬ステークスまで重賞３連勝を成し遂げたミスパンテールが秋は府中牝馬ステークスに出走予定だ。これまで中山、京都、阪神の牝馬重賞を制し、あとは府中を残すのみ。ハイレベルなメンバーが揃ったが、この舞台で４つ目となるか。

ヴィクトリアマイルの感じを見てもやはり前半からある程度良いポジションを取りたいタイプだろうね。器用な馬ではあるが末脚の絶対量だけでは足りないし、前目からいかに引き出せるかだろう。府中1800への延長は良いと思うが、逃げまで行かないにせよ番手までつけたいところ。

阪神牝馬Ｓ(GII)１着

阪神芝外1600ｍ良 13頭７枠11番
1:34.8 49.1-45.7 S^3
12.9-12.0-12.3-11.9-11.9-11.0-11.1-11.7

２走前の阪神牝馬Ｓから振り返る。この時は良馬場ではあったが雨が残っていた。そのせいもあるか騎手の方もペースの意識がかなり遅くなって3.4と超スロー。ラップ推移的にはＬ３最速で４角地点が速いのである程度強めの仕掛けだが、流石に前半ここまで遅かったのは恵まれた感はある。

11番枠から好発を切って外からじわっと内に切れ込んでペースをコントロール、楽にハナを取り切った。３角までドスローで団子状態、という流れから３角で少し引き上げる。そのまま４角でも楽な手ごたえで最速地点に持ち込んで直線。序盤で外からくるレッドアヴァンセとのたたき合いになるが前に出させず半馬身ほどリード。Ｌ１でもしぶとく踏ん張って外からくるレッド、リスグラシューの追撃を振り切ってのアタマ差の勝利だった。

ここではうまく外から内に切り込んでレースを支配できたし、そのうえでＬ３最速戦に持ち込んで４角で後続の脚をうまく使わせることができたのもある。レッドアヴァンセにはかなり際どく来られたが、結果的にこのレッドアヴァンセがヴィクトリアマイルで３着、リスグラシューが２着だからね。ジュールポレールは撃破できていることから考えても決して恵まれただけでは無いと思う。前目からしっかりとＴＳ持続を引き出して何とか押し切った。前半は恵まれた、良い条件だったのは確かだが。

ヴィクトリアマイル(GI)５着

東京芝1600ｍ稍 18頭１枠２番
1:32.6(+0.3) 46.8-45.5 S^1
12.4-11.3-11.5-11.6-11.5-11.1-11.2-11.7

前走のヴィクトリアマイルでは内枠ということもあったが主導権を取れず中団からの競馬になってしまったのは誤算だったかもしれない。ペースは1.3とスローではあり、そこからのＬ３最速戦でトップスピードの質・持続力を高いバランスで問われた一戦。

２番枠からやや出負けして後方から、前のスペースをある程度詰めてリカバーしつつ中団。道中も馬群の中で少し掛かり気味ではあるがコントロールして３角。３～４角でも中団の内目で脚を残しながら直線。序盤で中目から進路を確保、レッドアヴァンセの後ろを狙うがＬ２で伸びきれず好位列。最後までじりじりと脚を使ってはいるんだが５着まで。

位置取りがね…最序盤のうちにもう少しポジションをとれればよかったけど、結局レッドアヴァンセに前を取られたし、そこからの決め手勝負でより後半の要素を問われると難しかった。阪神牝馬Ｓでも結局は一番前で４角で最内を通して粘り切ったもので、後半のトップスピードの質・持続力だけで勝ったというわけではないからね。それが後ろからになるとより高いレベルで後半の決め手の絶対量を問われてしまったと。それでも上位には来ているんだけど、ハイレベルなところまで行くと前半もしっかりと詰めないと難しい。

ターコイズＳ(GIII)１着

中山芝外1600ｍ良 16頭４枠８番
1:34.2 47.7-46.5 S^1
12.5-11.6-11.8-11.8-11.8-11.7-11.2-11.8

４走前のターコイズＳでは内内で包まれながらもしっかりと反応して勝ち切った。レベル的にはここ２走から比べると落ちるが、それでもフロンテアクイーンを撃破してきていると。スローからのＬ２最速戦で内から捌きながらギアチェンジを要求される競馬になった。

８番枠から五分には出たが促しながらも中団まで、馬群の中で我慢する展開に。３～４角でも中団馬群のうち目で我慢、フロンテアの後ろから直線。序盤で中団と苦しい位置にいたが置かれず進めてフロンテアの外を狙う。Ｌ１でそこから鋭く伸びて抜け出したフロンテアの外から勝ち切った。

ここではＬ１で強襲したが、そこまでのＬ２最速地点であの窮屈な感じで加速が問われても置かれなかったし、そのままＬ１で一気に呑み込む脚を見せつけたと。内内で包まれてもギアチェンジできる器用さを持っているし、楽な方とは言え、それでもきっちりと勝ち切ったようにここではトップスピードの質・持続力でも上回っていたと思う。フロンテアよりは上なんだよなあ。

府中牝馬ステークス2018への展望

タイプ的には距離延長そのものはそんなに気にしなくていいかなとは思っているが、ローズＳで完敗だったので不安もないとはいえない。それでも延びる分だけ楽に前を取りやすくなるわけで、しっかりと前半のポジショニングを徹底してくれればというところ。前受けできれば要所のギアチェンジやＴＳ持続もある程度持っているという後半のバランスの良さで粘り込みを期待できるし、同型としてはクロコスミアが厄介だが最近は逃げてないし今年の出来なら十分チャンスはあるだろう。カワキタエンカ辺りが逃げるなら番手でも良いと思う。基本的にスローで結果を出してきた馬なので、流れたときにどうかという不安もある。その点では信頼は置きづらいタイプで、平均でも息を入れれば強いクロコスミアとは違いがあるかな。ヴィクトリアマイルも５着だが相手がかなり強かった中で、自分としてはポジションで苦労しつつのものだったし決して悪くはない。あとは少し外目の枠を引いて外から内に切り込んでじわっと支配できる形に持ち込めれば…だが、同型との兼ね合いはある。最終的には枠順や出走馬が確定してから考えたいけど、一応評価としてはヒモでひっかけておきたい、という感じ。

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