2019/02/02
凱旋門賞(GI)のレース回顧・結果
ロンシャン芝2400m良
2:29.25
63.80(概算)-59.92 S^3
23.13(FA11.57)-12.39-11.88-12.52
1400-1000:1:29.33-59.92
FA:12.76-11.98
1:29.33-1:52.46-2:04.85-2:16.73-2:29.25
凱旋門賞の展開分析
というわけで、例によって凱旋門賞のレース回顧をしたいなと。まずちょっと特殊だった。これはラップ推移が正しければ?という前提ではあるが(どうも欧州はちょいちょいおかしくなるから)3角下り過ぎからフォルスあたりにかけての区間でハロン平均が11.57とかなり速い。2Fで23.13ということになるし、雨の影響が残っていて時計を考えてもタフな馬場だった中でラビットが早めに仕掛けたな、というのはある。そのせいで後半の最速地点は恐らくフォルスあたりになると思うし、エネイブルに対して早めの流れに持って行ってL1の甘さを誘発させようとするチームの動きだったように感じる。一応7Fで89.33、これをハロン平均12.76から5F換算して1000通過は63.80と概算。日本式に見れば大体62.8-59.9といったところかな。3秒ぐらいの前半のスローで極端ではなかったと思うし、敢えて言えばスローロンスパの有馬記念的なペース配分・仕掛けのパターンにはなっていると思う。
1着10エネイブル(L.デットーリ)
6番枠から恐らくゲートはあまりよくなくてそこからリカバーしながらポジションをとって2列目という形になる。そこからは内のクリンチャーとともに2列目で前に壁を作って折り合いを意識。外からデフォーが上がっていったが無理せずにコントロール、今日は静のデットーリ。坂の下りとなる3角でも折り合って進めて好位の中目で我慢。このあたりからペースが上がっていって前が飛ばしていきフォルスでは3列目で少し仕掛けを迷っているようなところもあるがまだ壁を外さず3列目で我慢して直線。序盤でも追い出しをワンテンポ待ちつつ前の壁をL2で追い出して交わしていく。L1で抜け出したところに大外から一気にシーオブクラスに一気に来られるが最後は何とか振り切った。
着差は小さかったけど、強かった。特に昨年は3歳牝馬の斤量の恩恵が大きかったし、今回はシーオブクラスがそのポジションでこちらは58kgを背負ったからね。もちろん牡馬に対しては軽かったにせよこれで粘ったからね。しかも前述の通り展開的にかなり厳しかったと思う。前半こそスローだったけどラビットが3角後半ぐらいからペースを引き上げているし、そこでデットーリとしても動くかどうかちょっと迷ったと思うけど、結果として今回は本当に静のデットーリ。動かなかったよね。最後まで壁を外すタイミングだけ考えて、ロンスパになっているというのも考えているのか?空気抵抗を最後の最後まで受けないように意識していたと思う。この乗り方は戸崎とかルメールもやるんだけど、すぐに動ける馬・先行馬でこれはやったほうがいいね。動けない馬は空気抵抗よりも惰性をつけるほうを優先すべきだと思う。デットーリは馬のタイプを見抜くのが上手くて、それに合わせた引き出しをいくつも持っていると思うんだよなあ。しかし今回は負けるとすればこんなパターン?というような前半スローからのポテンシャル戦、という欧州型に特化したような感じで、シーオブクラスにとってはこれ以上ない展開だったと思うけど、これを退けたからね…強かった。
2着19シーオブクラス(ドイル)
出負けして後方からの競馬、途中で内の方に進路をとって馬群の中に入れていく。前半はスローの流れの中で後方馬群のうち目で我慢、少し折り合い面で苦労しているがスローなので仕方ないというところ。ほぼ最後方、貞一というような感じで準備。3角の下り坂を終えて以降から前がペースを引き上げていく意識の中で最後方列の内内で我慢、フォルスでもまだ最後方列の内でじっとする形で長い直線に賭ける。序盤で追い出しながら中団列の壁を裁きながら押し上げてくる。L2で上手く外に出して好位列を切り裂き2列目に並びかける。L1でそこからも抜け出し強烈な脚で決定的にエネイブルを追い詰めるがわずかに届かなかった。
惜しい…という2着。ただやるべきことはやったと思うし、進路の取り方もこれ以上ないから結局はあの位置からエネイブルを差すだけの力はなかった、またいい位置も取れなかった。その辺がこの馬の脆さともいえると思う。個人的には条件は最高だったと思うね。これまでのヨークシャーオークス、愛オークスも含めてやはり時計がかかる馬場でのもので、典型的なイギリス馬って感じの競馬をしていたと思う。後ろからの競馬になったけど前半はゆったりで追走に脚を削がれることもなく、また仕掛けのポイントが早かったのであれだけバテないエネイブルがL1で12.52まで落としているというところからも、この馬としてはトップスピードを問われない中でポテンシャルを発揮できたという感じかな。ただ最後の伸びはすごかった。55kgの斤量はかなり楽だったと思うけど、エネイブルが相手と考えるとね。
17着09クリンチャー(武豊)
まずまずのスタートから様子を見る感じでハナも考えていたと思うが外のネルソンが完全に行き切ったので2列目ポケットを確定させる選択をとる。道中もかなりゆったりした流れではあったし、多少手綱を引っ張るシーンもあったがそれでも前にスペースを置けていて折り合い面は全く問題なく進めていく。3角下りぐらいで前のスペースが広がっていてここで前がペースアップ、という流れの中でじわっと追走も3列目ぐらいで無理はしない。ワンテンポ仕掛けを待って4角でデットーリを意識しながら追い出すタイミングを待ちつつ軽く促して直線に入ってくる。序盤で2列目から最高のパターンだったが追われて伸びない。最後まで良いところなく馬群に呑まれての17着惨敗だった。
まずはお疲れ様。まあサトノダイヤモンドでも沈んだわけだからね。ロンシャンとシャンティイの差はあるけど、今は残念ながら日本競馬全体のレベルが少し下がってきているんだと思う。これは今回や凱旋門賞に限らず、ドバイでの各馬の成績、香港も含めて全体的に日本馬の結果が芳しくない状況になっている、ということから感じるかな。正直に言えば香港でアルアインやダンビュライトクラスで結構苦戦したし、実際ワーザーが宝塚記念でベストでない馬体重でも2着に来たり。これまでの感覚ではないな、というのはある。
今回のクリンチャーも条件は良かったと思うし、武豊の乗り方も良かったと思う。結果として17着だけど、スローは間違いない、という流れの中で2列目のポケットでしっかりとコントロールできていたし、フォルスあたりでの前の仕掛けでもワンテンポ待っていて相手はエネイブル一頭に、という豊らしい競馬。しかもそのエネイブルが抜け出しているように勝ち負けを考えるならベストに近い。もちろん自分で逃げるという手もBプランぐらいにはあったと思うが、はっきりと外からラビットが切り込んできた時点で1番枠でできることは少ないし、Aプランを完全に遂行できたと思う。端的に言えば騎手としてはこれでダメなら仕方がない、というレベルの競馬だったと思うね。なので敗因というか単純に力負けになると思う。
もちろんロンシャンの馬場が合ってない可能性もあるし、クリンチャー自身が春の激闘の反動があったという面もある。とはいえ、それも含めて現状ここまで負けてしまう以上、根本的な地力が足りなかったのは確かだろうね。まあクリンチャー自身がタフな馬場で強いといっても、欧州馬はもちろんもっと得意だからね。どちらかというと日本馬としては硬い馬場の時にチャンスがあると思うし、そこで欧州馬が欧州の流れを意識している中で日本馬が日本の流れを作れるかどうか、が一番重要なんじゃないかな。日本の競馬界全体で考えてほしい。個人的には凱旋門賞にこだわらなくてもいいとも思うけど、ヨーロッパ以外を受け付けない欧州競馬の権化でもあるからね。ここを破ることが日本競馬のアピールになるのは間違いない。賞金もかなり上がったし、もっと研究しないといけない。武豊やチーム・ノースヒルズのチャレンジ精神は必要だし、出ても勝てるとは限らないけど出ないと勝てないから。落胆・悲観しすぎないことが肝要。
重賞予想解説者:北条直人
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単勝:87% 複勝:100% 馬連:66.7%
ワイド:91.3% 3連複:54.2% 3連単54.2%
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単勝:79.2% 複勝:95.8% 馬連:45.8%
ワイド:75% 3連複:41.7% 3連単41.7%
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単勝:87.5% 複勝:100% 馬連:62.5%
ワイド:83.3% 3連複:25.0% 3連単25.0%
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平均の約3~4倍、、
さらに、的中を重視したいときには「的中率90%の反則技指数」、高配当を狙っていきたいときは「魅せる穴馬HitMake」と使い分けることができる。このあたりは、その時々のお財布事情次第で使い分けるとよいとは思います。