第68回 安田記念(GI)出走予定馬展望

日程：2018年6月3日(日)
コース：東京1600ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ウエスタンエクスプレス（クリッパートン想定）

香港から送られてきた刺客…香港マイル界のNo.2といっていいウエスタンエクスプレスが安田記念に出走予定だ。鞍上にはオーストラリアのクリッパートンが引き続き騎乗予定。目の上のたん瘤、香港のダブルビューティーがいない中で、GIタイトルを一気に手中に収められるか。

強いと思うんだけど、なかなか勝ち切れないという感じ。昨年の香港マイルでもビューティージェネレーションに逃げ切られたけど、内容的にはかなり強かった。今年は日本馬もレベルが高いと思うが、この馬も高速馬場適性を示しているので個人的には面白い。ちなみに香港ではなぜか人気がないのか、いつも穴馬的存在になっている。タイプは違うがロゴタイプ的な馬なのか。

チャンピオンズマイル(GI)２着

シャティン芝1600ｍ良 ８頭６番枠
1:34.48(+0.17) 47.40-46.91 M
24.09-23.31-23.95-22.96

まずは前走のチャンピオンズマイルから振り返りたい。時計的にはちょっと遅いし馬場が読みにくいところだが同日のクイーンエリザベス２世Ｃが2000でスローロンスパの流れで2:00.21だからまあそこそこ時計は掛かっていた状況かなと。標準～ややタフぐらいのイメージ。その中で前後半で日本式に前半を１秒修正して46.4-46.9と考えるとまあ平均では流れていると。それとＬ４－３区間で23.95とここが３～４角になるが少しその前の２Ｆと比べると落としている。Ｌ２－１では22.96と再加速しているわけで、中弛み気味だった可能性があるかなと。香港もできれば１Ｆごとのラップにしてほしいんだけどね。

ゼッケン５番、６番枠から五分のスタート、追われるが二の足はそこまで速くなくて中団ぐらいからの競馬になる。道中もそこからコントロール、抑えながら後方列の外で３角に入っていく。３～４角ではおそらく前がペースダウンという流れでじわっと馬なりで差を詰め、そのまま２列目を視野に入れる形で直線。序盤でそこから追い出されるが反応がいまいちで前のビューティージェネレーションに出し抜かれる。Ｌ１ではじりじりと差を詰めてきたが及ばなかった。

ビューティージェネレーションに支配された中でのレース、３～４角で取り付くことができたのは展開的には良かったと思うが多分Ｌ２で加速する流れの中で勢いをつけてきたのに見劣ったかなと。少しエンジンのかかりが遅いのかもしれない。ラストは伸びてきたので一定の評価は必要だし、相手も強敵ビューティージェネレーションだからね。これはある程度仕方がない面もある。ビューティーオンリーは撃破しているし。

チェアマンズトロフィー(GII)２着

シャティン芝1600ｍ良 10頭
1:32.90(+0.06) 46.88-45.96 M
24.15-22.73-23.26-22.70

２走前のチェアマンズトロフィーは時計が示す通り高速決着の中での２着。しかもここではビューティーオンリーに敗れてじビューティージェネレーションは撃破している。まあややこしい馬である。ペースは日本式に補正して45.9-46.0という感じ。31秒台の時計にめどを立ててきているとみていい。ここも微妙にＬ４－３区間で緩んでいてここで取り付くチャンスがあったのは確かかな。

ゼッケン７番、４番枠から五分のスタート、そこからある程度促して追走していたが前がやりあっているのでそこで中団のうちに控える形を選択。３角手前で取り付かれ下げながら後方で３角。３画でもまだ内内で我慢を強いられ、４角でも包まれたまま直線となる。序盤でそこから３列目、内を突こうとするが捌けず外、ここからすっと伸びて先頭列。ただＬ１では外から勢いをつけてきたビューティーオンリーに差し切られ食らいつくも２着惜敗。

クビ差ぐらいの負けだけど、流れとしては３～４角で外から勢いをつけて入ってきたビューティーオンリーの方が向いていたと思う。Ｌ２の地点で外に持って行ってからの反応は悪くなかったし狭いところを突いたのも大きい。正直なんでこの馬が香港でいつも人気薄なのかわからないけど、普通に強いと思う。特にこのチェアマンズＴは前哨戦であること、55.5kgの斤量だったことを考慮に入れても高速馬場で待たされての再加速に対応できたという点は評価していいだろうと。

香港マイル(GI)２着

シャティン芝1600ｍ良 14頭７番枠
1:33.89(+1.7) 47.45-46.27 M
24.38-23.07-23.56-22.71

香港マイル２着も内容的には強かった。この時はビューティージェネレーションに敗れたわけだが、ヘレンパラゴンやシーズンズブルームといった強敵、それに日本からはサトノアラジンも参戦していたがこれらは楽に封じている。ペースは平均で、３～４角でも緩みが少しあるというのは傾向としては同じ。

ゼッケン12番、７番枠からここではまずまずのスタート、先行争いに加わっていきつつ最終的には好位列の中目で進めていく。３角手前で少し下げて前にスペースを取りながら仕掛けを我慢、４角でも仕掛けを待って３列目で直線。序盤で外に出して追い出されるがやはりビューティージェネレーションに出し抜かれ、２番手に上がるところまで。Ｌ１で２馬身半差あった中からしぶとく伸びて最後は１馬身差ほどまでに詰め、外のヘレンパラゴンとの戦いを何とか制して２着。

要所でもそこそこ動けるけど、総合力タイプのビューティージェネレーションにはどうしても少し置かれている感じ。Ｌ１は来ているし、中だるみで巻き込まれず外から取りついた方がシャティンのマイルならよさそうな感じはするんだけどね。他のレースを見ると出負けして後方から包まれてジリジリ、60kg背負って甘かったりというのはあるしあてにしづらい面はあるが、ここ一番では強い競馬をしている。

2018安田記念への展望

まず時計的に31秒台の決着に対応するだけの下地はある。２走前のチェアマンズＴは日本式の計測なら31秒台に入っている可能性がかなり高い。それと、３～４角での緩みから直線でしっかりと反応している方。香港現役最強マイラーのビューティージェネレーションには出し抜かれているが悪くない。ビューティージェネレーションがロゴタイプなら、ウエスタンエクスプレスは例えるのが少し難しいがフィエロみたいな感じかな。善戦どまりになりがちなのもある。反応自体は悪くないけどどちらかというとＬ１でしっかりと伸びてくるし、平均ペースの流れで時計勝負への対応力も感じる。血統的にはエンコスタデラゴ産駒でちょうどキャンベルジュニアと同じ父でフェアリーキング系になる。母系はロイヤルチャージャー系（サートリストラム経由）で比較的日本の馬場にかみ合いそうな配合ではあるのかなと。力的には通用しそうだけど、ゲートがちょっと不安定。中弛みからの再加速は得意なので府中マイルの適性もある程度高そう。左回りに関してはほとんど未知数で、実力的に通用しても今回は日本馬もレベルが高い。またクリッパートンも日本の実績がほとんどないので、モレイラやザカリー・パートンレベルならともかく信頼するのは危険な気はするかな。消すだけの材料がないので連下で押さえてはおきたい、人気次第では単穴で考えても良いかな？という感じ。香港馬はマイル路線までは結構ゲートが上手い印象なのでもしかしたら好位ぐらいをとってくるかも。ビューティージェネレーションほど瞬時には動けないけど、それでも２列目比較でみればある程度動けているし内でも外でもあまり気にならない。