2019/02/02
2018皐月賞の出走予定馬
第78回 皐月賞(GI) 中山芝内2000m
日程:2018年4月15日(日)
予想用・出走予定馬一覧
ワグネリアン(福永確定)
新馬戦、野路菊ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークスと3連勝を果たしたワグネリアンが皐月賞に出走予定だ。前走の弥生賞では2歳王者ダノンプレミアムに及ばず2着も唯一王者との差を詰める脚を見せた。皐月賞・日本ダービーにはまだ手が届かない福永祐一、キングヘイローから20年の時を経て皐月賞に手が届くか。
蛇足から入る。オペ和田やトプロ渡辺の話題で入って最後はキングヘイロー福永。自分の競馬歴の中でも屈指の入れ込み様だったあの98年のキングヘイローの皐月賞2着から今年で20年。トロットサンダーの横山典弘からキングヘイローと福永で本格的に競馬好きになってしまったわけで当時は武豊よりも断然福永の方を応援していた。そこから20年も経ると、こちらもあちらも変わるし今の福永に対する気持ちは愛憎混ざったものなのは間違いない。ただ福永には現状に満足してもらっては困るし、変に妥協してもらっても困る。2000年有馬記念で乗りたい馬は?の答えがキングヘイロー。今でこそなんかややこしい性格になっていると思うけど、あれが純然たる福永祐一そのものだと今でも思っているし、良い意味で福永は武豊ではない。だからこそ拘って父に負けない結果を残してもらいたいのは偽らざる本音だ。
東京スポーツ杯2歳S(GIII)1着
東京芝1800m良 7頭3枠3番
1:46.6 46.5-48.1 H^2
12.4-10.9-11.4-11.8-12.0-12.3-12.0-11.8-12.0
まずは東京スポーツ杯2歳Sから。奇しくも3連勝で東スポ杯勝ちというのもキングヘイローと同じ(当時は東スポ杯3歳Sだったが)。ペースは1.6でかなりのハイに突入。ただ雨が少しぱらついたとはいえ最終レースまで通して高速馬場ではあったと思う。トップスピード面はほとんど問われない競馬になった。
3番枠から五分には出たが無理はせずに控えて後方でレースを進めていく。道中も前3頭と後ろ4頭というような流れで後方で我慢し、離れた4番手が800通過推定48秒前半、実質ややスローという中で後方で折り合いを意識しつつ3角に入っていく。3~4角でも後方外目で進めていてここから進出、4角でカフジバンガードの外から促して直線。序盤で後方からじりじりと伸びてきてL2の坂の上りでカフジの前に出て先頭に立つ。L1までしぶとく伸びて外からくるルーカスらを逆に離すぐらいの競馬で完勝。
個人的にはこの一戦をどこまで評価するべきなのかがわかりにくい。おそらく実質はややスローぐらいの流れでこの馬の3-3Fでは36.8-34.6だから2秒以上の後傾バランスで進めている。L1はこの馬のラップなので12.0なら当然減速ラップになるし、おそらく前が離れていて3~4角で後続が動き出してのTS持続戦で出し切った中で他がいまいちだったのか?というところを考える必要もあると。この時点ではタフな流れで良さが出たとも言えなくはないんだが、後の上位のメンツの成績やこの馬の弥生賞との比較で考えると結構微妙な立ち位置になってくる。
弥生賞(GII)2着
中山芝内2000m良 10頭7枠8番
2:01.2(+0.2) 61.5-59.5 S^2
12.5-11.0-12.5-12.8-12.7-12.4-12.8-11.7-11.0-11.6
弥生賞が個人的にはベストバウトだと思っている。負けたといっても相手が2歳王者、時計的には平凡だがもちろんスローペースによるところが大きいし、トップスピード勝負となっている。やや高速ぐらいにはあったと思うが、それでもこの時期の中山の馬場でL2でここまで速いラップというのはなかなかお目にかかれない。
8番枠からまずまずのスタートを切っていたが折り合いを意識して無理せずに好位の外目で進めていく。道中もかなりスローの上に前のサンリヴァルが単騎で進めていくので実質的にかなり緩い流れで折り合いを重視して進める。3角でもサンリヴァルが動かないのでダノンが相対的に上がっていく形、それを見てじわっと促しながら直線。序盤の最速地点での反応はいまいちで差は詰まらない。しかしL1の坂の上りでしぶとく伸びて最後はジャンダルムを捕えて2着に上がった。
まあ、個人的には結局ダノンが早めに動くような形になったので(実質的にはダノンが動いたというより前のサンリヴァルが引き付けすぎたという解釈のほうが正しいと思うが)それを目標に早い段階で福永が動いたというのが最後に届いた要因になるかなと思う。仮にあそこで全体が動かないまま待たされてしまったときにしっかりと反応してスピードに乗り切ったかどうかというのは結構微妙なラインだったかなと。各馬馬場のいい外を誘導していてばらけてスペースがあったのも小頭数なのもよかったとは思う。このあたりはカギになるが、やはりTS持続でダノンプレミアムを上回ったのを現時点で証明できているのはこの馬かステルヴィオしかいないと思う。その点でも素材として高く評価しないといけない。同日の準OPスピカSがスローからの決め手勝負でL2最速11.2、11.5でL1をまとめているが、これが49.7-46.8と超スローでのもの。時計・ラップ的な比較でみてもほぼ互角ぐらいになると思うし、高く評価できる材料かな。
野路菊ステークス(OP)1着
阪神芝外1800m重 9頭2枠2番
1:49.3 49.8-46.6 S^3
12.6-11.7-12.6-12.9-12.9-12.1-11.5-11.4-11.6
もう一戦、今年は雨の皐月賞の可能性が高いので野路菊Sも振り返る…といってもこの時の重馬場はまだそこまで悪化してはなかったが。雨が降り続く中で次のレースの1000万下1400m戦が1:21.6だから、ややタフかぐらい。その前だとおそらく水準ぐらいの馬場とみておくのが無難かな。ペースは3.2で超スロー。そこからの3F勝負となった。
2番枠からまずまずのスタートを切って少し促してはいたが結局は後方で進めていく。道中も後方で前に壁を作りつつ少し折り合いを意識して入って3角手前ぐらいでは少し促しつつ。3~4角では外目からディロスの後ろを通してまだ外に出し切らないまま直線。序盤で追い出されるが反応が鈍く一瞬ディロスに離されるが途中で一気に伸び始める。L1ではグンと来て突き抜けた。
おそらくレース全体の最速としてはL2地点だと思うんだがディロスのほうが直線に入ってすぐの反応は良かったし、こちらもディロスの後ろから目標にしていた分の差はあるがギアチェンジの性能はこれまでのパフォーマンスを見ても高くないだろう。このあたりが皐月賞本番では重要になってくるかもしれない。ただ水準には力の要る馬場でもしっかりと脚を使って底を見せずに突き抜けていることからも素材に関しては本物だろうと思っている。
2018皐月賞への展望
個人的にはディープ×ミスプロ系という配合はTS持続型が多い、というイメージ。トップスピードに乗ってしまってからのほうがいいタイプが多く、トーセンラーやデニムアンドルビー、スピルバーグ、マリアライト、アンビシャス辺りもそうだが究極的なキレというよりも4速的な脚を維持するのが得意な感じが強いかなと。トーセンラーの3歳時はすこぶる切れたけど、古馬になってからは割とTS持続によっていった感じ。距離の融通が結構利く馬が多いのも特徴だと思う。この馬もイメージ的には近いところはあるかなと。ただ、やはり要所の反応があまりよくないのがこの馬の今見せている弱点ではある。弥生賞で2着に差し込めたのは緩い地点で前が引き上げるよりも先にダノンが動く形になったので目標にしやすかった。ただ今回は目標にしたいダノンが不在だし、そもそも多頭数なのでどこまでポジションを取れるかも未知数。加えて天気も微妙で馬場が読みにくい。結構まぎれる可能性はあると。前が縦長に持ち込んで仕掛けを待つ、後ろの馬も動かないとなった時に福永が中団から動いていくという覚悟があるかどうか。素材は間違いないと思っているが、器用に動ける印象はない。中山2000でもむしろ高速馬場である程度流れて昨年のような展開のほうがやりやすかったかもしれない。馬場が読みにくい状況で各騎手の仕掛けの意識も遅れ、前に支配されるパターンだと弥生賞で先着したジャンダルム・サンリヴァルといった機動力タイプに出し抜かれて不発もあり得るかな。向こう正面で展開を察知する努力、3角では判断して前が落ちてくれば外から前を向いてポジションを上げていくぐらいの気持ちは欲しいね。内枠を引いたのが吉と出るか凶と出るか、福永の腕が決めるというところかな。出し切れれば最上位だと思う。
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