2019/02/02
第40回 ジャパンカップ(GI)出走予定馬展望
日程:2020年11月29日(日)
コース:東京芝2400m
予想用・出走予定馬一覧
ワールドプレミア(武豊騎手想定)
三冠馬3頭の対決という中で、昨年の菊花賞馬ワールドプレミアが武豊とのコンビでジャパンカップに出走予定だ。有馬記念でも3着と結果を残したが今年は体調不良でこれが初戦となる。史上初の戦いが繰り広げられるが、遅れてきた名優があっと言わせるか?
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一番厄介というか測りにくいタイプの馬。なんと言っても使ってきた数が少ないうえに、3歳秋に急上昇してきたからね。そして府中が初めてになると。ここ2走を見る限り後半のポテンシャル面に良さが出てきたというのは明白だと思うが、神戸新聞杯を見る限りだと極端なトップスピード戦でも一定の対応はしてきている。ロングスプリントの競馬は未知数で相手も強敵、そして長期休養明け初戦。色々考える必要はある。
菊花賞(GI)1着
京都芝外3000m良 18頭3枠5番
3:06.0 62.4-63.9-60.7 S^2
12.9 – 12.4 – 12.3 – 12.6 – 12.2 – 12.2 – 12.7 – 12.7 – 12.5 – 12.8 – 12.5 – 12.0 – 12.0 – 11.8 – 12.4
まずは何と言っても戴冠の舞台となった2走前の菊花賞からだろう。この時の京都は良馬場でも普通には時計が掛っていて、その中でペースも前中盤通してスローという感じ。極端ではないスローから後半は4F戦に近いかな。L2最速でも11.8という程度でポテンシャル戦だった。
5番枠からまずまずのスタートを切っていて、序盤はある程度促して好位ぐらいから入っていく。最終的にはコントロールしながらスタンド前で中団馬群の内内でという形で進めて向こう正面へ。向こう正面でも中団内で進めながらだが特に流れは上がらず我慢の展開。3角の下りからじわっとペースアップ、外からヴェロックスが仕掛けていたこともあって全体が流れ出したところで好位の内目を通しつつ手ごたえに余裕。4角では2列目の内のスペースを拾いながら2列目に押し上げる。序盤でヴェロックスの内からスッと抜てここで先頭に立ってくる。L1でしぶとく伸びて外からくるサトノルークスの追撃をクビ差で凌いだ。
まあここは豊も上手かったし、全体のレベルがどうなんだろう…というのは感じた一戦ではある。先に言えば有馬で突っ込んできたのでそこで思ったよりやれたか?とも感じたが。正直上位のディバインフォースやメロディーレーンといった所があまりにもいまいちだったし、レッドジェニアルもその後が思ったより良くなかった。ヴェロックスやニシノデイジーに至ってはもろに下降線をたどっているし。ということでなかなか判断が難しい一戦ではあると。サートゥルもロジャーもダノンキングリーもいない中での長距離戦ということで判断が難しいが、この中では後半のポテンシャル面をある程度の位置から引き出すことが出来たという評価でいいと思う。が、この一戦を高く評価するのは危険かな。改めて見てもレースレベルが低い。
有馬記念(GI)3着
中山芝内2500m良 16頭4枠7番
2:31.4(+0.9) 58.3-61.6 H^3
6.9 – 11.1 – 11.4 – 11.4 – 11.5 – 12.2 – 12.3 – 12.1 – 11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0
昨年の有馬記念では3着と健闘したといえるが、勝負に行ったサートゥルに対して最後方でとにかく温存しての奇襲に全てを賭けたワールドプレミアという差はある。個人的には有馬に関してもサートゥルを上位に取っている。ペースは超ハイだがアエロリットの単騎大逃げ。とはいえ離れた番手でもハイペースでは流れていたと思う。その中で脚を温存しての後半ポテンシャル特化でL1に強襲してきた。
7番枠から出負けして後方からの競馬となる。超ハイでアエロリットが引っ張りある程度縦長となるが、ほぼ最後方に近いところで脚を温存。向こう正面でも特に動きなく最後方のまま、3~4角で最後方の内目を通しながらとにかく最短距離を通し、4角で勢いがついてから外目に一気に誘導して後方2列目で直線に入ってくる。序盤でそこからしぶとく伸びて中団に取りつき、L1でもしぶとく脚を使ってサートゥルには接近するがクビ差の3着まで。
ん~正直クビ差というほど詰めてないと思うんだけどね。半馬身のほうが近いと思う。0.1差まで出たし。まあそれはともかくだがL1までばてずにジリジリと伸びてくるポテンシャル面、有酸素運動の競馬を後半にしっかりと展開して長く良い脚を使ってきたと言って良いレースだと思う。それだけでなく実質的に見ても馬場の割に前半が速い流れだったことと、リスグラシューが早めに抜け出してという展開の中でL1に突っ込めたというのは展開面での恩恵はあっただろう。サートゥルは3~4角でどうしても勝ちに行く形になったし、こちらは4角こそ外だが3角はしっかりと最内を通し切っているからね。これでもサートゥルナーリアを捕え切るところまで行かなかったので、個人的にはサートゥルとのポテンシャル面で判断しても少し落ちると思っている。
神戸新聞杯(GII)3着
阪神芝外2400m良 8頭8枠8番
2:27.5(+0.7) 63.4-56.6 S^7
12.9 – 11.3 – 12.9 – 13.1 – 13.2 – 13.5 – 13.3 – 12.5 – 11.8 – 10.8 – 10.2 – 11.3
厄介なのが3走前の神戸新聞杯かな。まあはっきり言ってこの時の阪神は異常に軽く、超超高速馬場状態だった。その中でペースも極端にドスロー、後半は3F勝負だがL2最速ラップで10.2と何かの間違いなんじゃないかというほどに速い。まあ上がりが32.3なので実際10秒台は間違いないし、L1の坂の減速も考えないといけないので、となるとまあこんな感じかとは思うが、ここまで異常に軽い馬場だとちょっと判断が難しいね。
8番枠から出負けしていたが序盤はある程度無理せずに後方馬群の中目に入れていく。道中も後方2番手から進めながらもドスローな流れで特に動けず3角。3~4角で徐々に加速しながらという流れで中目から外に誘導して直線。序盤でそこからの伸びはジリジリだがそれでもそれなりに差を詰めて3列目付近。L1でここから抜け出してヴェロックスとの差は詰めるがそれでも1馬身1/4差3着、サートゥルはさらに3馬身前にいた。
思ったよりも極端なトップスピード戦で対応してきたかなという感じはある。L2の地点ではサートゥルには完敗だけどヴェロックスとの比較なら多少は詰めていたと思うんだよね。L1もジリジリとは来ていて上がり的にはヴェロックスを上回ってきた。ここまでドスローだと前にいたから削がれたとかそういうことはまずないし、シンプルに前に行けなかった分の弱さはあるが末脚の絶対量そのものはこの時点である程度見せていたのかなと思う。少なくとも春にはない競馬ができていたのかなと。ただ、サートゥルとの比較で見て完成度の高さに加えて一瞬の鋭さやL1での踏ん張りという点でも優位性を作れず、ポジションの悪さが致命傷となっていたように、サートゥルの完成度の高さには完敗だったと言って良い。
ジャパンカップ2020への展望
まず1年近くの休み明けになるのでこれは流石に良くない材料。しがらきでの調整もされているとは思うが、恐らく目標は次の有馬だろうからここでどこまで仕上がっているのか?というのは不安のほうが大きいだろうと思っている。それと、府中が初めてになる。坂の登りでの加速が求められたり、ロングスプリントの適性が求められたり。こうなったときにどのレベルまでやれるのか?というのも昨年秋の3戦からだけでは判断が難しい。
有馬も菊花賞も後半の有酸素運動、ポテンシャル勝負でしぶとく伸びてきたというのが正しい判断だろうと思う。有馬は前半を完全に捨てて3角は完璧に立ち回ってきた。それでも終始外から勝ちに行く形になったサートゥルとの比較で見たときに…となる。さらにゲートがあまり得意ではないし、菊花賞は前半から緩かったので前に行けたというのはあると。つばき賞で流れた中でそこそこ先行できていたので、個人的にはリスクを背負ってもポジションを取る意識は欲しい。府中の2400m、今の馬場だとそこまで極端なトップスピードの質は求められないだろうが、ロングスプリントの強敵が非常に多い。またサートゥルに正攻法で勝てるか?となるとまともな流れでは位置取りの差が大きく総合的に良さを持っているサートゥルに対して決定的な武器がないのが正直なところかな。菊花賞のレベルも疑問、有馬は豊の死んだふりが噛み合ったのもあると思うし、休み明けと考えれば狙いづらい。
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