2019/02/02
第68回 府中牝馬ステークス(GII)出走予定馬展望
日程:2020年10月17日(土)
コース:東京芝1800m
予想用・出走予定馬一覧
ラヴズオンリーユー(M.デムーロ騎手想定)
昨年のオークスではカレンブーケドールを外から鮮やかに捕えて戴冠を果たしたラヴズオンリーユーが府中牝馬ステークスに出走予定だ。ただ、そこからは勝ち切れず、前走の鳴尾記念でも外からしぶとく伸び続けたがパフォーマプロミスに波乱を起こされた。1800mの距離は微妙だが、樫の女王の意地を見せたい。
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ん~正直言って府中の1800はどうだろうな、というところ。ヴィクトリアマイルは短いだろうなと思って実際短かったと思う。鳴尾記念は条件的にフィットしそうだなと思っていてパフォーマンスが低かったので思ったより成長がないのか、それとも馬場が重かったのが響いたのか。ベストバウトがオークスなのは間違いないと思うし…。
オークス(GI)1着
東京芝2400m良 18頭7枠13番
2:22.8 59.1-59.2 M
12.5 – 10.9 – 11.7 – 11.9 – 12.1 – 12.2 – 12.3 – 12.2 – 11.7 – 11.4 – 11.6 – 12.3
まずはそのオークスから振り返りたい。超高速馬場でペースは平均でも59-59秒台という感じで質も求められている。中盤で12秒台前半と少し緩んだという程度で、そこからのL3最速で11.4。超高速馬場を考えるとそこまで速いラップを求められず、基礎スピードと後半のポテンシャル戦に近い形かなと。
13番枠からやや出負け、そこから無理はせずに中団の中目のスペースを拾いながら序盤は進めていく。道中も中団馬群の中で進め、割とペースが速い中でコントロールしながら3角に入っていく。3~4角で好位外のカレンがじわっと動くような感じになった中で中団中目から少し外に誘導しながら少し狭いながらも捌いて直線。序盤で中団からジリジリと伸びて好位列、L2で3列目から2列目を窺う伸びを見せるとL1の減速でぐんと伸びてカレンを唯一強襲、クビ差差し切り戴冠。
非常に強かったと思う。ここのカレンもびっくりだったが、それを外から最後までばてずにポテンシャルで差し切ってきた。これはインパクト十分だったかな。ラストまで3着以下との差を広げているし、正直ウィクトーリアと上がりが0.1しか違わないというのが嘘なんじゃないかというぐらいにはL2以降の伸び足に差があった(まあL3地点の4角出口での距離ロスなんかもあったんだけど)。持ち味は2400で59-59と軽い馬場で前後半のバランスが求められたときの素材面というところにあるかな。基礎スピードをこの距離なら質的に足りるレベルで持っていて、そこから後半のポテンシャル戦で最後までしぶとく。L3の地点ではそんなに伸びてきていなかったのでL2-1の減速が目立った地点でのポテンシャルを評価すべきかなと思う。こういうタイプなのであまり速いラップを要求されるのがどうか?というのはあるね。
ヴィクトリアマイル(GI)7着
東京芝1600m良 16頭1枠1番
1:31.8(+1.2) 45.6-45.0 M
12.0 – 10.9 – 11.3 – 11.4 – 11.1 – 11.2 – 11.1 – 11.6
2走前のヴィクトリアマイルでは中団から伸びあぐねてしまった。これの敗因がどこにあるかなんだが、一つはやはりマイルで平均で流れたこともあるだろう。ただ、後半は11秒前後の速いラップを求められているというのもある。この辺をどう解釈するかやね。
1番枠から五分のスタート、そこから押しながらの追走で割と好位までは楽に入っていくのだが、最終的には前のダノンファンタジーが下がってきたのでそれに合わせて中団の内目に落とす形。道中も余裕をもって追走していたが3角で一瞬大きく手が動く。そのまま3~4角では中団の内内でロスなく楽に立ち回って直線。序盤でダノンファンタジーの後ろ辺りを狙うが伸びない。L2の地点以降はノームコアの後ろを通していたが差は広がっていてなだれ込むだけの7着完敗だった。
ん~どの地点でも優位性を作れなかったなという感じ。3~4角最短距離はラップ推移からもベストだったと思うし、常に前に好位列を置けていたので風の影響も小さかったはず。レースラップで11秒前後の速いラップを踏んでいるように、後ろからならそれ以上の質を求められたわけだが、一瞬でもぐんとくる感じを見せなかったし、L1で減速してくるところで伸びてきたわけでもない。高速馬場で速いラップを連続するようなロングスプリント戦、そこから余力ある馬はもう一段上のトップスピードのギアに入れられる、そういうハイレベルな府中のマイル戦では総合的に足りなかったんじゃないかなと。まあマイルは正直明確に短いと思う。
鳴尾記念(GIII)2着
阪神芝内2000m良 16頭4枠7番
2:00.1(+0.0) 60.0-60.1 M
12.2 – 11.0 – 12.8 – 12.2 – 11.8 – 12.2 – 11.6 – 11.7 – 12.1 – 12.5
前走の鳴尾記念では2着。強い競馬をしたとは思うんだけど、3~4角での反応の悪さは気になったかな。まあレースの流れとしては平均でL4の3角あたりが最速なのでそこで少し鈍くなったのは前が加速したのもあるとは思う。後半は消耗してポテンシャル戦だったが、馬場を考えると質的に基礎スピードをそこまで求められたわけではないからね…となると馬場の影響が大きかったかも?というのは感じるところかな。
7番枠から五分のスタート、そこからは様子を見ながらも軽く促して好位の中目で進めていく。道中も平均の割には団子気味という中で好位列の中目、前にブラックスピネルを置くような感じで進めて3角。3角で少しペースが上がってここで手が動いて追走、4角中間でも手が動いて外からレッドガランの後ろから入っていくがいまいち反応し切れず3列目付近。序盤で底から追われると手ごたえ以上に伸びてくるが内のパフォーマプロミスも良い。最後は2頭のマッチレースに内からレッドジェニアルが食らいついてというところでこれは制したがハナ差の2着。
ん~…という感じではある。正直あまりレベルは高くなかったと思っていて、その中で好位から外外正攻法でポテンシャルで捻じ伏せ切れなかったのは…というところかな。まあ正直ここを使った理由が良くわからないというのもあるし、状態面もどこまで?というのもあるので評価が難しい。が、やはり一番はオークスと違って時計が掛っていたことが大きいんじゃないかなと思う。明確にタフな馬場でとなるとこの馬としては持ち味を発揮できなかった印象は受けたかな。かといって軽い馬場でトップスピードの質をというタイプでもないので難しい馬なんだが…多分ステイヤー的な印象で良いと思うんだよね。要所で切れないリアルスティールみたいなイメージ。軽い馬場でゆったり運ばせてやってのポテンシャル戦がベストだと思う。余談だけどリアルスティールはやっぱりベストは長距離だったと思うんだよね。完成前とはいえキタサンブラックの菊花賞なんかを見ても極端なロンスパで段階的にギアを上げたり下げたりしているし。ああいう競馬の中で要所で鋭く動ける馬で印象としてはフィエールマンとかに近い。中距離~マイルでポジションに拘り過ぎて良さが出なくなった印象。ラヴズは兄ほど要所で鋭くはないけどラストまでポテンシャルを維持できる。ただ、2000でタフな馬場だと流れすぎたかもしれんね。敢えて言えば前半でこれでもちょっと前に入り過ぎた感覚ではある。
府中牝馬ステークス2020への展望
ん~狙いどころが難しい馬なんだよなあ。個人的には振り返っても本当に良い脚は一瞬でエリ女なんかを見てもドスローで前なら良いんだが、それでもL1で甘くなっているし速度的にも足りない。ロングスプリントからのトップスピードの要求という中でのラッキーライラックとは雲泥の差だった。ただ、オークスがめちゃくちゃ強かったのは間違いないと思うんだよね。カレンも高速馬場の方が本来は合っていると思うんだけど、それを中団外から正攻法でL1まで脚色衰えずに突っ込むってのは素材的にはかなりのもの。有酸素運動の競馬で強かったカレンやクロノをここで撃破しちゃってるんだよ。まあクロノは軽い馬場よりタフな馬場の方が良いが。この2頭を中長距離でまとめて撃破できている馬ってそうはいない。2400ぐらいを走らせてほしいし、本音を言えば来年春は天皇賞春を目指してほしいと思っているぐらい。3200なら前半~中盤のどこかで上手くポジションを取っていけると思う。
ただ、正直言って府中牝馬Sの舞台が適性的にフィットしているか?といわれると微妙かな。軽い馬場は良いんだけど、本当に良い脚はエリ女からもそんなに長くない(これはリアルスティールもそうだったが)ので、いかにうまく分散させてやるかというのはある。ただし、前半の基礎スピードの質は1800では優位性を取れないと思うし、後半のロングスプリントでも11秒前後を要求される形だとヴィクトリアマイルからも…となる。この距離だとどちらに転んでもダノンファンタジーに優位性がありそうなんだよね。かといって馬場が悪くなって良いかといわれると時計が掛った鳴尾記念がいまいちと。条件があまりよくない中で(ヴィクトリアマイルよりはマシかなとは思うが)ここでどこまでやれるか。出来れば秋はジャパンカップに出てほしい馬だけどねえ。馬場がどうかだが有馬記念でもちょっと見てみたい。ここでは狙いづらい馬なので当落線上かな。ワンターンの府中で決定的な武器が見当たらないタイプ。
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