2019/02/02
第94回 中山記念(GII)出走予定馬展望
日程:2020年3月1日(日)
コース:中山芝内1800m
予想用・出走予定馬一覧
ダノンキングリー(横山典騎手想定)
昨年秋の毎日王冠では歴戦の古馬を圧倒する強烈な末脚で勝利を収めたダノンキングリーが中山記念に出走予定だ。ただ、期待を集めたマイルチャンピオンシップでは内から伸びあぐねる結果に終わってしまった。世代4強の実力を持つが、その一角のヴェロックスが先週撃沈。世代の強さの証明のためにも、ここで強い競馬を見せたいところだ。
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う~ん…もっとやれる馬だという期待もあるんだが、マイルCSの内容は物足りない面もあったかな。内の馬場と外の馬場、という言い訳もできるんだけど、マイスタイルをこの展開で捕え切れなかったし。今回は恐らくそんなに引っ張る馬がいないしペースも上がってこないかなと思うので、そうなってどうかやね。毎日王冠がめちゃくちゃ強かったからねえ…期待しているんだけどね。
毎日王冠(GII)1着
東京芝1800m良 10頭8枠9番
1:44.4 47.0-45.9 S^1
12.9 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.5 – 11.6 – 11.2 – 11.3 – 11.8
まずは2走前の毎日王冠勝ちから振り返りたい。東京の1800m戦で良馬場でも雨の影響が残っていて高速馬場だが極端ではない、という感じの状況。ペースはややスローでそこまで極端に遅くはないし、むしろ中盤は11秒半ばまででコントロールされているのでアエロリットのペースだったと思う。それでもこれで問答無用で差し込んできたのは正直ものが違うと思わされたんだけどなあ。
9番枠から出負けして最後方からの競馬となってしまう。道中もアエロリットが上手くペースを作っていく中で団子気味だが最後方、動けないまま内目で3角に入る。3角でも最後方で中目を追走しながら、4角でモズを交わして後方2番手もかなり後ろから直線。序盤で外からしぶとく伸び始めるが、L2でぐんときてここで2列目まで上げてくる。L1では粘り腰を見せるアエロリットを問題なく捕えての1馬身1/4差完勝。
個人的にアエロリットのL1はかなりしぶといと思っていて、この流れでもアエロリットはL1を12.0ではまとめていると思う。それを圧倒するパフォーマンスだったわけで、このインパクトが小さいはずがない。ぶっちゃけアーモンドアイが強いといっても完璧に嵌った天皇賞秋でアエロリットに3馬身。こちらも噛み合って良い位置から進められればというだけの競馬はしてきた。まあアエロリットにとって2000は長いとは思うから、単純な比較は難しいと思うがアエロリットのL1の踏ん張りを活かせる展開でこれをあっさり外から差すというのはかなり難しいというのはこれまで色んなレースを見てきて感じているので、これは凄い…と素直に思った。実際3着がインディチャンプ、4着がペルシアンナイトなわけで、決して楽な相手というわけでもなかったからね。
マイルCS(GI)5着
京都芝外1600m良 17頭1枠1番
1:33.4(+0.4) 47.2-45.8 S^1
12.5 – 11.2 – 11.6 – 11.9 – 11.6 – 11.5 – 11.0 – 11.7
前走のマイルCSでは本命を打ったんだが、正直かなり自信があったのでショックが大きかったかな。良馬場だが時計は標準~ややタフぐらいで掛かっていた。ペースは1.4なので極端すぎないスローだがマイルとしては緩い、4F戦で分散しつつもL2最速とマイルCSらしい競馬。
1番枠からやや出負けして内からリカバーに足を使いつつもグァンチャーレの後ろまで持って行って3列目では入る。3~4角でじわっと加速する中でグァンチャの後ろからしっかりと余裕をもって3列目内内で直線。序盤で馬場の悪い内を通す羽目になるが、いつもの反応がここではなく伸びあぐねて2列目付近。L1で流石にグァンチャの前には出るがそれでも2着争いからも一列近く遅れた5着。
う~ん…という感じ。もともと共同通信杯で見せていたギアチェンジの性能を評価していたので、内で包まれたとしても要所でしっかりと動いてくれる、という自信を持っていたので本命にした。ただ、レースの流れ的には4Fで分散しつつもL2でもう一段の加速、という地点で思ったより動けなかったのが違和感だった。内の馬場が微妙だったかなとも思ったし、同タイプのグァンチャも思った以上にダメだったから馬場の可能性は今でも残しておきたい。が、それでももうちょっとやれてほしかったのは本音かな。L1はそれなりに来ていたのでそこは良い材料なんだが、この展開でインディチャンプにここまで突き抜けられたのはショックが大きかったかな。
ただ、インティ云々より、毎日王冠で圧倒できた相手のペルシアンにあっさり逆転されている時点で何らかのテクニカルな敗因があったと考えるほうが良いとは思うんだよね。となると馬場が合わなかったのかなというのは。少ししぶったとはいえ高速の府中と、良でも標準馬場ぐらいになっていた京都。この辺が微妙に違ったかもしれない。
皐月賞(GI)3着
中山芝内2000m良 18頭2枠4番
1:58.1(+0.0) 59.1-59.0 M
12.3 – 10.5 – 12.0 – 11.8 – 12.5 – 12.1 – 12.2 – 11.7 – 11.6 – 11.4
中山1800なので距離は違うが同じ内回りの皐月賞を振り返っておきたい。このレースでも感じたのは内からするっと反応してきて上位3強の中で一番直線での加速が難しい形で食らいつけていたなという印象。ただ、冷静に見るとそこでの伸びも良いが、L1出来ていたというのを考える必要はあるかも。微妙に中弛みがあって平均ペースではあるものの、上位勢はL1最速ラップに持ち込んでいる。意外と出し切れていない中での競馬だったと考えると面白い競馬ができていると。
4番枠からまずまずのスタート、そこからコントロールしつつ楽な感じで先行して2列目の内。道中もペースはそれなりに流れているが掛かり気味をコントロールしつつ2列目内で進めて我慢。3~4角でも待たされて直線。序盤で2列目からスッと反応して一気に内から伸びるが外2頭が先に仕掛けていた分だけ伸びがいい。L1は食らいついて接戦の末の3着だった。
これダービーの時にパトロールまで見て入線直後の手ごたえを見たんだが、パトロールで見るとラストの伸びは一番だったかなという伸びだったんだよね。まあかなり難しいところなんだが、結果として4角で待たされてしまったのは高いレベルではいたかったんじゃないかなと思っている。もちろんギアチェンジをある程度高いレベルで持っている馬なので、包まれた状態から直線入りで加速が求められても内からするっと反応していたし、この辺りは流石。とはいえ、ヴェロックスはともかく動けるサートゥルナーリアがワンテンポ先に仕掛けてしまうとL2地点での反応ではどうしたって壁があっての内からでは難しい、という感じ。L1で伸びてきたというのは意外と見過ごしがちで、皐月賞もマイルCSも程度の差はあるが意外とL1は良かった。毎日王冠も坂の登りでしっかりと加速していたが、L1まで末脚で違いを見せてきたしね。高いレベルで見ると、意外とロングスプリントのほうが合っているのかもしれない。
中山記念2020への展望
ん~今までのこの馬のイメージを変えたほうが良いのかな?というのはあるんだよね。毎日王冠が圧倒的だったのは間違いない一方で、これまでの器用なイメージはマイルCSでは少し削がれていると。ギアチェンジ自体は確かに良いものを見せていて、共同通信杯ではアドマイヤマーズの内からするする加速したし、L2の切れで圧倒していた。L1でも伸びていたが、そこまでで圧倒していたのでなかなか目につかなかった。皐月賞も内で包まれて加速が求められた直線で内からスッと。ここが目立ったので器用な馬という認識だったが、実際はL1まで伸び続けている。ダービーはL1で甘くなったのだが全体のペースがある程度流れていたこともあったし2400が長かった可能性もあると。中距離ではL1で伸びてきているというのは確かで、結果として毎日王冠がこれまでのパフォーマンスで一番と考えれば今の時点ではロングスプリントがベスト…となる。出負けして後方から3~4角でも淀みなくというところでL1まで伸び続けるには相当長く速いラップを連続しないといけなかったからね。あの一戦はかなりハイレベルだし、マイルCSでこの馬として問題と直面したと考えないと理屈が通らなくなる。
まあ、その理屈が通らないのが競馬なんだけど…少なくともマイルCSでは内で包まれて要所で加速してという競馬で内からの反応がいまいち。馬場差もあったにせよ、インディだけならともかくペルシアンにも見劣った段階で適性面での問題が露呈したと考えたほうが良い。となると、高いレベルでは馬場もしくはギアチェンジはそこまで武器にならない。ただ、同じタイプのグァンチャが思った以上に苦戦したので馬場もあるかなという感じ。中山記念を考えると向こう正面で分散、ポテンシャルを求められたうえでのL2最速という形になるので、マイルCSのイメージで入ると微妙かもしれない。皐月賞やダービーからもある程度全体で流れてしまったほうが良いと思うが、スローで後半2段階加速となると?というところは出てきちゃうかな。ただ、それでも毎日王冠のパフォーマンスは個人的にはアーモンドアイと比較しても問題ないレベルだと思っている。適性的な不安は今となっては出てくるが、それでもギアチェンジが苦手ではないはず。悩ましいけど、府中の1800までのアエロリットを撃破できるのは限られる。もう一戦は信じようかな…と悩み中。
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