2019/02/02
第61回 アメリカジョッキークラブカップ 2019 出走予定馬展望
日程:2020年1月26日(日)
コース:中山芝外2200m
予想用・出走予定馬一覧
ブラストワンピース(川田騎手想定)
昨年は札幌記念で内からしぶとく伸びて勝利を収めたブラストワンピースがアメリカジョッキークラブカップに出走予定だ。その後凱旋門賞では不良馬場であえなく撃沈。仕切り直して今年こそ、この馬らしい走りで大きなところを獲るべく、一歩目をしっかりと踏み出したい。
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まあ、正直なところ昨年のパフォーマンスをあまり高く見るのは危険かなとは思う。ただ、適性面としては有馬の勝ち方、札幌記念からも時計が掛かる馬場で速いラップを要求されないほうが良いだろうし、何より今回は相手が比較的楽なメンツだからね。正直何とかしたいところやね。
札幌記念(GII)1着
札幌芝2000m良 14頭1枠1番
2:00.1 59.9-60.2 M
12.6 – 11.0 – 12.5 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 12.0 – 12.0 – 11.9 – 12.2
まずは2走前の札幌記念の勝ちからから振り返っておきたい。洋芝の札幌で開催後半と、良馬場でも時計が掛かっていた状況下。ペースは平均で流れていて終始淡々と12秒前後のラップを刻み続ける形となっている。パワー型の基礎スピードと後半のポテンシャル面のバランスを求められた一戦。
1番枠からまずまずのスタートを切ってそこから軽く促しながらある程度の位置を狙って窮屈になりつつも中団の内目は確保する。道中も少し後ろに下げて前にスペースを置きながら進めて3角。3角で前にいたペルシアンナイトを目標にしながら最内を立ち回り、4角でペルシアンが押し上げていく後ろから押しながら追走も手ごたえいまいち、内目にシフトして2列目の内に押し上げる。直線でサングレーザーの後ろから強引に進路を確保して2番手に上がる。L1でしっかりとサングレーザーを捕え切っての勝利となった。
ん~まあ勝ち切った点は評価したいけど、本来ならペルシアンが上がっていった段階でそれを追いかけてガツンと来る手ごたえが欲しかった。実際川田が押していってもあまりついていけなかったので外ではなく内のスペースを拾いながらタイムロスを減らす形で上手くコーナーで2列目まで上がっていけたけど、思ったほど手ごたえが良くなかったからこそのあの進路取りだったかなとも思う。12秒前後でラップの緩急がないので押し上げるには当然自分でラップを引き上げていくしかなかったが、そこまでではなく上手く立ち回った結果の勝利ではあると思っている。とはいえ、相手も強かったし勝ちに行った形ではあるがワグネリアンや外からとはなったがフィエールマンを撃破しているのも確かだからね。手放しでの評価はできないけど、やはり後半そこまで速いラップを要求されない、ポテンシャル戦では強いなというのは改めて感じた一戦。
凱旋門賞(GI)11着
ロンシャン芝2400m重 12頭4番枠
2:31.99 62.71-64.20 H^2
87.79(FA12.54)-24.80(FA12.40)-13.55-12.54-13.31
前走の凱旋門賞では重馬場で本場ヨーロッパの道悪という日本馬にとってはかなりハードな条件となってしまった。またペースも速く、バランス的には61.7-64.2に近いので超ハイに肉薄するレベル。途中で消耗して失速する馬が多かったが、残念ながらその中の1頭になってしまった。
4番枠からまずまずのスタートを切ってそこから促しながら序盤のポジショニングで2列目から番手外まで上がる。外からガイヤースが切り込んできたので行かせて無理はせずに控えて好位。さらにエネイブルを前に入れて3角下りで中団に近い位置となる。ただこの辺りから鞍上の手が動き出して怪しい感じ。フォルスではパンと合図も送られているがジリジリ後退し始める。後は直線で失速、下がり切ってのブービー。
これを語るのはなかなか難しい面もあるが、一つは相当タフな馬場だったことは間違いない。ヴァルトガイストが勝ったのは想定外だが、それでもエネイブルも含めて上位はここから直線で加速ができている。一方でフィエールマンやブラストワンピースはそこまでですでに失速していて、キセキですら加速地点で明確に置かれて勝負にならなかった。まあそういうヨーロピアンが強い競馬になったのは間違いないので、よほどパワー型の基礎スピードを持っている馬でないと日本馬では難しかった。とはいえ、タフな馬場でこそ良さが出ていたブラストワンピースがここで何もできなかったのは結構衝撃ではあったけどね…。悲観しすぎるのは良くないけど、いくらか悲観的にならざるを得ない材料。
目黒記念(GII)8着
東京芝2500m良 13頭5枠6番
2:29.1(+0.9) 59.5-59.1 M
7.4 – 11.0 – 11.0 – 12.2 – 12.0 – 11.7 – 11.8 – 12.0 – 11.6 – 11.7 – 12.0 – 12.0 – 11.8
超超高速馬場だった目黒記念ではレコード決着に成す術なくの8着完敗。まあロスも小さくなかったし、これだけ淡々としてしまうと難しかったかもしれんが…これももうちょっと頑張ってほしかったんだけどね…。平均ペースで最速でもL5の11.6までだから。切れ負けをするような展開ではなかったと思う。
6番枠から五分のスタートから押しているが前には行けずに中団馬群の外目で進めざるを得ないかな立ち。道中そこから少し押し上げて好位の外目ぐらいで3角に入っていく。3~4角で好位の外から正攻法で勝負に行って直線。序盤で3列目から伸びを見せたかったがいまいち弾けず3列目のまま。L2で前との差は詰めるが内外から交わされて2列目でも順位は後退、L1でジリっと下がって8着完敗となった。
まあ前半から出していったしペースは平均も前半は質的に見て速かったとは思うので、そこで追走に脚を使ったのも伸びあぐねた要因にはなるのかなと。超高速馬場で2500mでも59秒台と絶対的に見れば速かったのは確かだし、札幌記念とはちょっと違ったというのはやはり本質的にこの馬はパワー型なのだろうと。ただ、超高速馬場とはいえ淡々とした流れで瞬間的な速度を求められたわけではなかったからね。ここまで甘くなってしまったというのはちょっと物足りないね。
アメリカジョッキークラブカップ2020への展望
まあ、条件自体は良いとは思うんだよね。今の中山なら時計はかかるし2200なら前半はスローに振れる可能性が高い。基本的には後半のポテンシャルを活かしたい馬で、有馬記念を勝った時も平均ペースではあったが60.8-60.3で中弛みが少しあっての12.6 – 12.2 – 11.6 – 11.8 – 11.8 – 12.2 – 12.9と5F戦。これを中団外から押し上げながらでレイデオロやシュヴァルグラン、ミッキーロケットといったところを撃破しているからね。無理のない範囲で進めながら3~4角で外からじわっと勝ちにいく、ポテンシャルを活かす競馬で戦えれば大きく崩れる心配はそんなにないだろうと。前がスローなのに単騎、というケースが起こりやすいのがこのコースなので、そういう形になって前がまんまと逃げきったというパターンはあり得るけど、それなら3~4角でどうしたって早めに動く形にはなるので崩れにくい展開ではあると思う。
後は相手関係かなあ。正直ややパフォーマンスが落ちているとは思っているけど、ミッキースワローも同様にちょっと物足りない近走。ニシノデイジー辺りはこの条件でちょっと怖いとは思っているので、そことの比較はあるが同じような位置で戦う馬たちとの比較ならこのメンツなら一番手で良いのかな。むしろステイフーリッシュみたいに前の馬に支配されて届かないパターンをリスクとしては考えたいところ。今の時点ではひとまず対抗辺りで置いて、予想の軸として展望していきたい。
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