2019/02/02
第71回 朝日杯フューチュリティステークス(GI)出走予定馬展望
日程:2019年12月15日(日)
コース:阪神芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
タイセイビジョン(武豊騎手想定)
京王杯2歳ステークスで強烈なレコード勝ちを収めたタイセイビジョンが武豊とのコンビで朝日杯フューチュリティステークスに出走予定だ。武豊の完全GI制覇に向けて千載一遇のチャンスが到来。マイルの距離は不安もそこは名手、人馬一体となって来年に向けてのビジョンを提示したい。
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前走の京王杯2歳Sをどう評価するかやね。超超高速馬場でのレコード決着ではあるが、バランス的にはスローといえどもそれなりに流れての後半ロングスプリント。ほとんどの馬が上がり34秒台しか出せない中で一頭だけ突き抜けてきた。このパフォーマンスは素直に高く評価したいが、マイルとなると若干長い可能性はある。こなせるとは思うが、今回は相手が強敵だからね。できればあまり極端なスローにはならないほうがいいかな。
新馬戦1着
阪神芝内1400m良 11頭6枠6番
1:23.0 34.8-36.4 H^2
12.4 – 10.7 – 11.7 – 11.8 – 12.0 – 11.9 – 12.5
新馬戦から3戦、順を追って振り返っていく。まずは新馬だが、阪神の1400m戦でも6月で時計が掛かっていた状況。しかもペースは1.6とかなりのハイペースで流れていて前半のパワー型基礎スピードを求められた一戦といっていいだろう。
6番枠からやや出負け、そこから押しながらだが追走に少し苦労。途中で行き足が着いてからはコントロールしつつ中団外目を進め、3~4角ではコントロールに苦労するような感じで先頭列まで上がって直線。序盤で追い出されてしっかりと抜け出し先頭に立って2馬身ほどの差。L1でも内から食らいついてくるレッドブロンクスを離しての2馬身半差完勝。
まあ強かったけど粗いな、というのが率直な感想だった。序盤は新馬戦としてはかなり流れていた中でゲートもいまいち、二の足もいまいちで苦労。中盤でスピードに乗ってからは今度は逆にコントロールに苦労する形になって3~4角では外から動く形。それでも力の差でねじ伏せてきたという競馬。ペースが速かった中で追走して強い競馬ができたのは高く評価できるし、ある程度流れて対応できたのは大きいかな。ただ、粗いしギアの上げ下げが下手そうで、そういった面で距離延長で器用さを求められてくると?というのは感じたところ。このレースだけだと前半のパワー型基礎スピードをかなり要求されているのも事実だし、後半型の競馬でどうなのか?というのが課題ではあった…それを前走で満額回答してきたが。
函館2歳S(GIII)2着
函館芝1200m良 15頭3枠5番
1:09.5(+0.3) 33.6-35.6 H^2
12.2 – 10.4 – 11.0 – 11.5 – 11.7 – 12.4
2走前の函館2歳Sでは1200m戦でより質の高い基礎スピードを求められた。2秒で超ハイに肉薄するペースバランスだし、絶対的にも33.6とかなり速い通貨となった。そこから後半は消耗する一途のラップ推移だが、追走できなかったものの最後はそれなりに伸びて2着を確保した。
5番枠からやや出負け、前半は追走しようとしていたがなかなか難しく後方からの競馬となる。道中も後方3番手ぐらいで中目を通しながら3角。3~4角では後方内から中団で直線。序盤で少し進路で苦労しつつも好位列、L1で捌き切って2列目を抜け出し単独の2番手確保。
まあ、シンプルに前半の基礎スピード不足ではあったと。あの位置からではいくらなんでも届かないからね。その点では1200は明確に忙しかったと考えた方がいい。ただ、新馬戦でパワー型の基礎スピードを見せていたように、前がばててもこの馬はしぶとく伸びて余力そのものは見せていた。L2での捌きがもう少し楽だったらもうちょっと詰めていたと思う。まあそれでも1200は距離的に短いとは感じたかな。
京王杯2歳ステークス(GII)1着
東京芝1400m良 10頭4枠4番
1:20.8R 34.9-34.1 S^1
12.4 – 11.1 – 11.4 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5
京王杯2歳Sでは超超高速府中で切れ負けしないかどうかだったが、ある程度流れたとはいえ強烈な決め手を引き出してきた。これは正直驚きで、レコード勝ちもさることながら11秒前後の連続、ロングスプリントを引き出してきたのは立派。これなら距離もある程度対応できそうな感じはするなと。
4番枠からまずまずのスタートを切って、そこから促しながらだが中団ぐらい、それでもここ2走と比べるといくらか楽に追走、最終的には控えて中団やや後方。3角でブレーキして頭を上げる形になり、そこから4角では後方の中目を選択して直線。序盤で進路を確保してスッと反応して3列目、L2でしぶとく伸びて2列目から抜け出しにかかる。L1で粘っていたビアンフェを楽にとらえて2馬身差完勝。
レコードのおまけはともかくとして、ここでは前半ある程度は楽に追走していたし、結果として馬群の中に収める形になったがペースが遅い方が楽だなというのは感じた。そこから直線に入って長くいい足を維持してきたという感覚かな。L3-2でもスパッとは切れなかったが、L1でしぶとく抜け出してきている。レースラップが11.5でそこまで落ちていないし、L1の地点ではまだ1馬身弱はあったかなというところから捕えている。まあおそらくL2の地点で1馬身ほど詰めている程度なのでおそらくだがL3-2で11秒前後、L1で11.4ぐらいかな。10秒台まで踏めているかは映像からだと微妙なラインだが、11秒前後を長く維持できているし後半型の競馬で良さが出てきたのは収穫。
一方で、3角で少しブレーキをしてしまったりと操縦性の難しさというのは感じたかな。ペースが落ちたところでのコントロールが難しい印象だが、エンジンがかかってしまえば長くロングスプリントを引き出してきた。この辺からも、前半のポジションよりもいかに後半仕掛けで踏み遅れないか、が重要になってくる印象を受けたかな。
朝日杯フューチュリティステークス2019への展望
難しいけど、今の段階ではある程度流れてほしいとは思っている。平均~ややスローぐらいでは流れないと、この馬自身瞬間的なトップスピードの質としてみたときに10秒台を確定的には出せていないからね。このレベルまで来るとそこはネックな材料になる。前半の基礎スピードそのものは持っていると思うし、先週のJFみたいな展開で中団ぐらいの競馬でもしっかりと脚を引き出せるタイプだとは思っている。ただし、仮に極端なスローになって仕掛けが遅れてしまうとL2最速なら今の馬場だと10秒台半ば~後半は求められると思う。現時点でそこまでのトップスピードの質は見せていないのでそこまで切れを求められると微妙。またギアの上げ下げが上手い印象はないので、いかにスピードに乗った状態をキープできるか。多少早めにでも、ロスがあっても4角でしっかりとスピードに乗せる意識で乗ってほしいかな。
相手関係を比較してみるとサリオスはもちろん手ごわいし、デイリー杯組が厄介。サリオスはある程度の流れに対応できてしまっているので今回も中心の一頭なのは間違いない。これに対してこちらは瞬間的なトップスピードの質では見劣るし、L1で良さが出て底を見せていないサリオスはかなり手ごわいと思う。こちらが優位に立てるとすればやはり平均ぐらいまで上がって瞬間的な質を求められず、前半の基礎スピードもある程度求められる形になるかな。今回は手ごわい馬も多いけど、レシステンシアじゃないが流れればのチャンスがある一頭という点ではチャンスは十分ある。展開次第で、特にビアンフェの出方がカギになりそう。
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