2019/02/02
ヴィクトリアマイル2019のレース回顧・結果
東京芝1600m良
1:30.5R 44.8-45.7 H^1
12.3 – 10.6 – 10.8 – 11.1 – 11.3 – 11.2 – 11.5 – 11.7
22:00からツイキャスでヴィクトリアマイル回顧
毎週日曜の22:00からツイキャスでヴィクトリアマイルなど重賞回顧ライブを行います。ラップや騎手など様々な観点から次のレース予想に繋がる回顧をお届けしますので、ぜひお聴きください。ライブ前にコメントで質問、レースの流れで気になったこと等を書き込んでもらえたらありがたいです! http://twitcasting.tv/c:nandecas 競馬ナンデトップページからも視聴できます http://www.keibanande.net展開分析・総評
これはわからんわ…。プリモシーンはまあ良いとして、この展開でノームコアとクロコスミアが来るなんてのは正直俺にはわからん。ここから何かを得ないといけないなとは思う。
超高速馬場だったのは間違いないが、それでも1:30.5なんてのは流石に全くの想定外。アエロリットの強気のレースメイク、途中からになったのもあって前半が非常に速く3Fが33.7だが終始11秒前半で直線までは非常に速いラップを刻んでいる。なので基礎スピードを相当問われているのは間違いないし、質的な面を求められた。この展開でこの馬場なので3~4角の立ち回りがかなり大きかったとは思うし、ここまでくると超高速馬場適性がないと難しかったのかな。ノームコア辺りはペースや距離とかというよりも馬場がばっちりフィットしたような感じがしないでもない。レーンはまだわからんが流れたときに良さが出る祐一・戸崎の2,3着。北村友一は直線の進路取りでミスっていたが、我慢できるタイプが良かったし、ここまで流れて縦長というわけでもないと外枠はノーチャンスだったかなと思う…。正直に言えばノームコアよりもクロコスミアの3着の方が納得しづらい結果になっているかな。まあそれも含めて細かい適性よりもここまで極端な流れだと立ち回りが全てだったのかもしれんが。判断が非常に難しい。
1着04ノームコア(レーン)
やや出負け、そこからある程度促して序盤の内にある程度の位置を確保、中団の内目で進めていく。道中も中団のちょうど真ん中ぐらいで手を動かし追走して3角へ。3~4角でもペースが落ちない中で中団の中目で直線。序盤で好位列が壁になっていたがそこを捌いて外。そこからはしぶとく最後まで伸びて外からくるプリモシーンの強襲をクビ差で振り切っての勝利となった。
レーンすげぇなあとも思うけど、正直ここは枠や馬の潜在的な超高速馬場適性といったところの方が大きいように感じる。恐らくだがこの馬にできる範囲で、かつ無理のない範囲で良いポジションを取ったことは流石だなと思うし、この流れで結果的に脚を使わされることなく最後まで伸びてきたということを考えても実は質的に高いレベルの基礎スピードを持っていたというところだと思う。ただこれを事前の段階で判断するのは非常に難しいし、ここまで極端な流れになるとやはり3~4角の通し方とそもそもの潜在能力・超高速馬場適性といったところの方が優先されてしまうんじゃないかなと…。この馬はまあ紫苑Sのように超高速でゆったりとはいえエンジンがかかってから底を見せなかったというのもあるが、クロコスミア辺りが来ていることを考えても、ここまで極端だと前後半でバランスよく無理をせずにロスなく立ち回れないと難しかったんじゃないかなあ。
2着09プリモシーン(福永)
五分のスタートからある程度促しつつ楽に中団馬群の中に入っていくという感じ。そこからは無理をせずに中団の中目でジッと我慢、ノームコアの近くで進めて3角。3~4角で前が離す流れの中で中団の中目、ノームコアの後ろから直線で外に出す。序盤で追い出されてしぶとく伸びてきてノームコアの外まで来るのは結構早かった。そこからL2で2列目付近まで伸びてくるがノームコアがしぶとくラストは競り落とせず、クビ差の2着惜敗。
高速決着に福永ありというような感じの結果になったかな。とにかくレースの流れの中でできるだけロスを小さくしようとする福永得意のパターンに展開がかっちり噛み合ったというのはあるし、馬も基本的には高速決着というか平均ペースの流れの中でトップスピードの持続力を出し切りたいタイプだから、今回の展開という点では噛み合う一頭なのは確かだと思う。ただ、その中で福永があの枠から無理のない位置を取れた、3~4角でワンテンポ待ってノームコアの後ろぐらいで我慢したことで比較的内目を立ち回れた。ここまでタイトな流れになると3~4角の立ち回りは重要だったと思うし、この辺がここまで伸びた要因にはなると思う。馬の高速馬場適性、展開に対して無理をせずに3~4角で我慢ができたという点では上位は共通していると思う。府中は基本的にこうなると3~4角で内を立ち回れんと難しいなと痛感させられるレースだった。
3着03クロコスミア(戸崎)
好発を切っていたがやはり無理はせずに、徐々に下げてコントロールしてアマルフィコーストの後ろぐらいに入れる。ただそこから前にスペースを置いて無理には付いていかず離れた好位の後ろで3角。3~4角でも4列目ぐらいの位置で進めて最内、出口で外に出して直線。序盤で追い出されると反応鈍くジリジリ。しかしここからいつにない食らいつきを見せ2列目で踏ん張り、最後まで2着争いに踏みとどまっての3着。
このクロコスミアの伸び方が今回のヴィクトリアマイルを端的に表しているんじゃないかなと思うわけですよ。これまで基礎スピード勝負で良さが出たのは2000までだしそこでも息を入れていた。ここまで単調な流れでは甘くなることが多かったこの馬がこの展開できた、ということに今後の予想に繋がる大きな何かがあるのかなと思う。今回の上位3頭はいずれも3~4角でのロスが少なく、縦の位置をそこまで取っていたというわけではない。ここまで単調で速いラップを踏む形になると3~4角でのコース取りが明暗を分けたと思う。上位2頭はまだ4歳でわからない面が多いのだが、クロコスミアがやれたというよりは、無理をしなかった内目の馬がという感覚なんだよなあ。
4着06ラッキーライラック(石橋脩)
まずまずのスタート、そこから様子を見ながら促していたがそこまで前は取れず、ミッキーチャームの後ろから進めていく。道中も手は動いていたが少し離れた好位で進めていく。3~4角でもソウルスターリングの後ろぐらいから中目を通しつつ直線。序盤で外から追い出されて一瞬いい反応で伸びてきて2番手に上がってくる。しかしL1で甘くなって2着争いに飲み込まれて態勢不利の4着まで。
この馬としては前半もう少し前を取るべきかどうかで難しかったと思うが、石橋脩の手もかなり促していたしあの位置で結果的にはよかったんじゃないかなと。直線ではこれまでにない反応を見せていたが3~4角でもすでに速いラップを踏んでいたのでトップスピードに乗った状態で直線に入ってきたのがそこの地点では良かったと思う。逆にL1でTS持続面であ甘さが出てしまった。割と上手く立ち回ったほうだと思うので上位勢との比較でみると少し足りなかったのかなという感じはある。
5着11アエロリット(横山典)
まずまずのスタートだが二の足が遅く押して押してようやくスピードに乗せてという感じでハナを取り切る。そこからもペースを11秒前後で刻んでいき、ペースを落とさず3角で差を広げていく。そのまま4角もほとんど緩めずに2馬身半差ほどで直線。序盤でそこから追い出されてL3の地点ではまだ踏ん張っていたがL2で甘くなって半馬身差ほど、L1で2着争いに飲み込まれ5着完敗。
まあ、言いたいことはいろいろあるんだけど、とりあえずこのラップを刻んで3~4角で息を入れない辺りは流石ノリだと思う。はっきり言ってここまで超高速馬場だとタイトにレースを作る意識を働かせるのは普通は難しい。出していってスピードに乗ってオーバーペースだなと思ったら3~4角で息を入れる。このパターンも想定していたんだが、ノリはこれで怯まずに3~4角で淡々と刻み切った。正直オーバーペース気味だとは思ったが下手に緩めなかったことで他の馬の脚も削がせたので結果としてワンチャンスある所まで持ち込めたと思っている。もちろん前半のレースメイクがちょっと厳しかったのは確かだが、基礎スピードを活かす馬に関して言えば、あそこで12秒台に入れたところで他の馬の追走が楽になるだけだからね。アエロリット自身もこれで30秒台に入っているようにえげつないのも間違いない。今回は3~4角で上手く無理なく立ち回った馬には差されたけど、やっぱり並の馬ではないね。
8着07ミッキーチャーム(川田)
五分のスタートからある程度楽な感じで先行、内のラッキーに対してじわっと押して前に出る選択を取る。そのまま激流にある程度乗っていって3~4角でも2列目外で進めて直線。序盤で追い出されるがジリジリとした伸びでアエロリットとの差はあまりつまらない。それでもL2で一瞬伸び懸けたがこの辺りから外に刺さりだし甘くなる。最後はジリジリと下がって8着完敗。
う~ん…まあ恐らくは前半の基礎スピード面で無理をしすぎたんだと思う。この馬やアマルフィコーストの位置ではかなり前半で脚を使わされてしまったんじゃないかな。中団ぐらいで恐らく限界ギリギリのラインで、この辺にいた馬たちが上位という点からも前でも後ろでも難しい競馬になってしまったと思う。もちろんこういう競馬は未知数だったしそこに賭けて乗るという点では良かったとは思う。結果はダメだったけど、こういう競馬だと多少無茶でも無茶なりに理想的に乗ってやる必要があるし、オーバーペースを覚悟でそれでも2列目でコーナーのロスは小さかった。最終的には甘くなったけど、馬の潜在能力に期待する競馬はできたともいえるんじゃないかなと。その点ではアマルフィコーストの坂井瑠星もそうだが個人的には意欲を買いたい騎乗だったと。結果はオーバーペースだとは思っているが、やれるだけのことはやったといえる騎乗ではあると思う。ここまで極端な競馬だとこの一戦でマイルを評価するのが実は相当難しかったりする。
11着02レッドオルガ(北村友)
五分には出てそこから押して押して先行策を取ろうとする。ただ最終的に前がかなり速いと判断したか促すのを徐々にやめて上手くクロコスミアの直後を取る。3~4角でも最内を通してロスなく完璧で直線。序盤で進路が確定していない状況で内目に誘導して、L2でミッキーチャームとソウルスターリングの間を取ろうとするがミッキーが外に刺さってしまって進路がなくなりブレーキ。
う~ん…途中までの流れが良かったとは思うし、L3の手応えはイマイチでもL1まで減速ラップなので、流石に不利がなければというところはあるね。ゲートも悪くなかったし内枠で上手く流れに乗れたしペースを考えても無理のない中ではベストといっていいポジションだったと思う。それだけに直線ちゃんと捌いてどの程度伸びてきたのかを見たかったかな。度外視とまでは言わないけど、やっぱり大事なところでああなっちゃうと…。運がなかったね。
15着18フロンテアクイーン(三浦)
やや出負け、そこから押して押しての追走だが前が速いのでなかなかいいポジションは取れず、それでも中団までは押し上げる。そこから内に入れたかったが意外と好位~中団列が凝縮。3~4角で中団の外外からの競馬、カンタービレの後ろから直線で外に出すが追われての反応が乏しく失速した。
う~ん…サウンドキアラなんかは伸びてきているからなあ…もうちょっとやれてほしかったのが本音で、直線に入った段階でここまで手ごたえがなかったとなると少し解せない面はあるかな。ただ、展開上相当苦しかったのは間違いなくて、3~4角ではパトロールを見ても一番外に近い。まあこれもサウンドキアラが自身の後ろに近いところでやれているのでその比較では物足りないけど、カンタービレなんかも失速しているように3~4角でこのラップで外々だとペースがオーバーというよりもトップスピードの限界を超えてしまった感覚かなと思う。無酸素運動って限界を超えて引き出そうとすると一気に甘くなるイメージがあるので、3~4角でこの馬にとっては限界を超えてしまったんじゃないかなという感じはある。逆にサウンドキアラなんかは超高速馬場巧者でこれぐらいなら一気に崩れるほど無理ではなかった、という感覚で、恐らく超高速馬場や引き出せるトップスピード面での限界の差があったんじゃないかなと感じる。