2019/02/02
第51回 ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)出走予定馬展望
日程:2019年3月30日(土)
コース:中山芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
プリモシーン(福永騎手想定)
昨年夏の関屋記念で外から強烈な末脚を発揮し重賞初制覇を成し遂げたプリモシーンがダービー卿チャレンジトロフィーに出走予定だ。ただ前走のターコイズステークスでは同じ中山マイル重賞で外から追走も伸びを欠いた。重賞マイル路線で戦えるめどを立てている実力馬、汚名返上を成し遂げたい。
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前走のターコイズSは前半からかなり流れたし、あそこまでハイペースだとしんどかったかなと思う。平均ペースまでで落ち着いてくれれば関屋記念のパフォーマンスは高かったしNHKマイルCの比較でみても脚を使えているのでもうちょっとやれていい。ただハイペースまで上がり切ると手ごわい馬が多いし、先週の馬場がね…できれば高速馬場が良いんだが。
関屋記念(GIII)1着
新潟芝外1600m良 15頭7枠12番
1:31.6 45.7-45.9 M
12.4 – 10.6 – 11.2 – 11.5 – 11.5 – 11.2 – 11.0 – 12.2
3走前、夏の関屋記念勝ちから振り返りたい。この時は新潟マイルだが思ったより流れてペースは平均。前後半どちらも45秒台という質の高い平均ペースで、中盤もあまり淀みなく進んで最速ラップはL2の11.0と新潟外回りとしては比較的遅い方。ある程度トップスピードは問われているが、それでも前半の基礎スピード面も求められているし、L1も落ち込んでいるのでTS持続タイプも差し込む余地は十分にあった。
12番枠から五分には出て、そこから軽く促しつつ中団馬群の外目で割と楽に入っていく。3~4角でも中団の中目で追走しながら直線へ。序盤でそこから中団外で追い出しつつジリジリとした伸び、L2で一気に2列目付近まで来て、そのままL1で抜け出し外から食い込んでくるワントゥワンをクビ差で退けた。
ここでは厳しい流れではあったがそれでも平均。この馬の位置なら後傾の競馬で入れているし、その中で長くトップスピードを維持してきた。L2の段階で伸びていたのでこの流れの中でも10秒台の脚をしっかりと引き出せているのが強みだし、この感じならマイル適性は高いとみていいんだろうなと。またこの時点ではあまりゲートから出て行く馬ではなかったのだが、前半部分で成長を遂げたというのも好印象。まあ新潟は少し特殊なコースであてにしづらい面はあるんだが、それでもワントゥワンを撃破しているのは評価していいんじゃないかな。
ターコイズS(GIII)8着
中山芝外1600m良 16頭5枠10番
1:33.0(+0.3) 45.5-47.2 H^2
12.3 – 10.8 – 11.1 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.7 – 12.2
前走のターコイズSはちょっとかわいそうな展開ではあったと思う。馬場も標準ぐらいの馬場で高速状態にはなかったと思うが、その中で1.7とかなりのハイ。中山マイルらしい厳しい前半の基礎スピード特化戦となった。
10番枠から五分には出てそこからある程度促しながら中団に入っていく。道中も中団馬群の中目で追走しながら、3~4角でも我慢しつつ4角で外に誘導してディメンシオンの後ろから直線を向く。序盤で狭くなって進路確保で苦労していたが、L1でもジリジリと伸びきれないままなだれ込むだけの8着完敗。
まあ、ここまで前半が流れてしまうとこの馬にとっての持ち味である後半ラップを引き上げてトップスピードの質・持続力で勝負する、ということができなかったと思う。つまり前半の基礎スピード面で無理が生じて脚を削がれてしまったとみるべきかな。ただ、ここでもこの流れで中団には付けられているように、徐々に前半のゲート、ポジショニングや二の足といったところでの成長は見せているし、ここは評価したいところ。ここまで流れてしまうと難しいと思うし、中山マイルだと場合によってはこういうこともあるのでその点でのリスクはある。
NHKマイルC(GI)5着
東京芝1600m良 18頭3枠5番
1:33.0(+0.2) 46.3-46.5 M
12.1 – 11.1 – 11.2 – 11.9 – 11.7 – 11.3 – 11.5 – 12.0
4走前のNHKマイルCでは出負けして後方からの競馬となったが、平均ペースの中でも一定の伸びを見せた。少し捌くのに苦労した面もあるし、もうちょっとやれても良かったかもしれないが、それでもL3最速で後半はTS持続勝負と出し切りやすい流れではあったと思う。
5番枠から出負けして最後方付近から押して押してで後方馬群の内目に入っていくという感じ、ある程度はリカバーした。道中も後方内内で進めていたが、前にスペースがなく少し手綱を引いて3角。3~4角でも後方内内でロスなく立ち回って進めるが進路がない状況で直線。序盤でとりあえず前の馬を追いかけつつL2で進路を外に誘導、ただここでも塞がれて進路がない状況は継続。L1でケイアイが前に出切ったのでその後ろからジリジリと伸びてくるが5着まで。
あの位置になってしまうと進路確保が難しくなるのは仕方がないけど、それでもスムーズさを欠いた中でL1までくらいついてきたからね。後半のTS持続力そのものは良いものを見せていた。やはりこの時点での課題はゲートにあったと思うし、一歩目でああなってしまうといい位置をとれない、良い位置をとれないから進路で苦労する、という感じになった。ここ2走でその辺を成長させてきているので、その点ではこのNHKマイルCの敗戦はそこまで気にしなくていいだろう。ただ平均まで流れてくるとギベオンの強さというのも確かにあったので、それ以上の評価ができるかどうかは微妙なラインだ。
ダービー卿チャレンジトロフィー2019への展望
馬場は軽いほうが良いと思うので、先週の状況から考えるとそこはあまりいい材料ではないかな。一気に高速化すればいいが、仮に先週通りなら…正直難しいと思う。ターコイズSも標準レベルでは力のいる馬場だったわけだが、そこで45秒台で入ってしまうと後半はどうしても消耗するから前傾になりやすい。先週の馬場状態だとそれ以上に重いので、劇的に高速化してこないと先週の馬場なら33秒前後出ればいい方で、ハイペースになる可能性はメンツから考えるとかなり高くなる。そうなるとやはり前半の基礎スピードを高いレベルで持っていないと難しい。この馬はペース自体は平均でも対応してきたがこの馬の位置ではスローバランスで、という競馬で結果を出している。後半型の馬には違いないし、前走のターコイズSはかわいそうな面はあったにせよやはり伸びきれなかったからね。
相手関係を見ても流れて強い馬が多く、ギベオンなんかは自身平均ぐらいでNHKマイルCを好走できているし、もちろんドーヴァーはハイペースの消耗戦で手ごわい存在。エイシンティンクルもまともなら基礎スピードが高く、ロードクエストやマイスタイル、フィアーノロマーノ、キャプテンペリーと流れた中で怖い馬が非常に多い。そうなってくるとハイペースでは苦戦だろう。もちろん流れが落ち着いてくれればチャンスもあると思うが、現時点では消す可能性が高いかな。土曜で急激に馬場が高速化していたら(この時期の中山ではたまに起こるので注意)評価を上げて良いと思う。