2019/02/02
第53回 フィリーズレビュー(GII)出走予定馬展望
日程:2019年3月10日(日)
コース:阪神芝内1400m
予想用・出走予定馬一覧
アウィルアウェイ(石橋脩騎手想定)
3戦2勝、京王杯2歳ステークスでもファンタジストに詰め寄る2着と存在感を見せているアウィルアウェイがフィリーズレビューに出走予定だ。今年初戦は新コンビの石橋脩と心機一転、阪神1400の舞台に臨む。厳しい流れに対応できるかどうかが焦点だ。
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程度の差はもちろんあるが、ここ3走はすべてスローの流れの中でのもの。阪神1400は基本的に前半から平均では流れる傾向が顕著に出ているわけで、その中でも脚を引き出すことができるのかどうか。末脚は一級品だが、激しい流れに削がれなければ…という懸念はどうしてもある。
新馬戦1着
阪神芝内1200m良 12頭3枠3番
1:10.3 35.8-34.5 S^2
12.7 – 11.5 – 11.6 – 11.4 – 11.3 – 11.8
新馬戦から順を追ってみていきたい。6月阪神の1200m戦でデビュー。強い競馬だったが1200m戦としては遅く1.3とかなりのスロー。L2最速で11.3とある程度速いラップを後半で要求された一戦。
3番枠から出負けして最後方、二の足も遅く鞭が入ってようやく勢いに乗っていくという感じ。そのままの勢いでスローの内に押し上げてしまって楽に中団まで取り付く。3~4角でも大外をぶん回して好位列で直線。序盤でそのままの勢いで一気に突き抜けて、L1でも楽、流すような感じで2馬身差完勝。
直線入りではまだ3列目に近いところ、L2の4角地点で最低でも前とは3馬身はあったと思うので、ここで先頭列まで来ていると考えれば少なくとも10.9は使えていると思う。L1は流しているのでわからないが、かなり切れたな、という感じ。ただエンジンのかかりが遅く、特に序盤のポジション取りで明らかに苦労、二の足がついてからそのまま余裕があったがペースが遅かったのでここまで楽に押し上げられたと思う。その点でも1200より長い距離向きだと。ゲートも酷かったのでこのあたりの改善は必要だったし、まだまだ完成度は低かった。
ダリア賞(OP)1着
新潟芝内1400m良 7頭1枠1番
1:21.6 35.6-34.2 S^2
12.7 – 11.2 – 11.7 – 11.8 – 12.0 – 11.0 – 11.2
2走前のダリア賞は距離延長ではあったが新潟の1400で厳しい流れになる可能性もあった。ただ小頭数でもあり、実際は1.4とスローだし、ラップ推移を見てもわかるように2Fだけの競馬となっている。まあそこまで極端に遅かったわけではないが、それでも直線でのギアチェンジが問われたウエイトは大きかっただろうと。
1番枠からやや出負け、窮屈にもなったのでひとまず下げて後方からの競馬となる。道中も後方2番手で進めながら、折り合いを意識しつつ3角へ。3~4角でもペースが上がらずという中で中団外々から勢いに乗せて少し膨らみつつ直線。序盤の段階で先頭に立ってしまってL1で突き抜けた。
決め手の質量ともに圧倒していた、という感想で良いと思う。一方でここも前半の基礎スピードがあまり問われない一戦だったのをどう考えるかだろうと。L2の地点では2馬身ちょっとはあったと思うので、ここでも10.7はまず使ってきていると思うし、L1も11.0でまとめているようにトップスピードの質・持続力の両面で高いレベルにある。加えて3~4角で外から勢いをつけていったといっても直線に入ってのギアチェンジだろう。後半の3要素を高いレベルで持ち合わせていたと。正直この内容ならマイルでも良いと思うぐらいの競馬ではあった。ゲートの課題も克服できなかったし、まだまだ不安の多い馬ではあるが。
京王杯2歳S(GII)2着
東京芝1400m良 8頭5枠5番
1:24.7(+0.0) 38.0-33.5 S^5
12.9 – 12.2 – 12.9 – 13.2 – 11.7 – 10.8 – 11.0
前走の京王杯2歳Sに関してはもっとひどかった。何せ4.5とこの距離としては異常といっても良いほどに遅く、直線でも2Fだけの競馬と坂の登りでの加速性能だけ問われたような一戦。
5番枠から出負けして窮屈になって下げて最後方とやはりポジショニングの課題は克服できず。道中内目のスペースを押し上げて上手くファンタジストの後ろをとる。ただ3~4角でもペースが上がらないので我慢しながら最後方列で直線。序盤で前のファンタジストを追いかけながらL2の坂の登りで最内に切って反応、ファンタジストとともに内から抜け出してくる。L1で前にいたファンタジストにくらいついて最後は接戦まで持ち込んだものの2着惜敗。
なんにしても高いレベルではこのゲートのまずさはネックになってくる。ここでもポジションを取れなかったことで直線最後方で内内と悪い状況で入ってしまった。そこから内に進路を取って進められたが前にいたファンタジストがワンテンポ待っての仕掛けになっているしL1まで踏ん張り切られた要因にはなるんじゃないかな。L1は差を詰めていたのでこれでもうちょっと良い位置を取れれば違うんだが…。それと極端なドスローなのでここ3走で基礎スピード面が高いレベルで見せられていないという点はやはり懸念材料。
フィリーズレビュー2019への展望
まあこれまでを見てもわかるように、緩い流れから瞬時に加速ができるし、トップスピードの質も10.7ラインまで来ている。L1も底を見せていない。これらは高く評価していいと思っているし、個人的には桜花賞戦線ではちょっと怖いんじゃないかなと。ただ、このフィリーズレビューというのは基本的にはそういう要素をあまり問われないことが多い。前半で高いレベルでの基礎スピードを要求されて後半では最速でも11秒台半ばぐらいまで、というケースがほとんどになる。なので、この馬としてはこれまで3走で圧倒的な末脚を引き出してきたが、それが引き出せるかどうか。
特にこれまではスローだったのでポジションを引き上げることができたり、できなくても切れ味だけで何とかなったりした。これが出負けして多頭数、後方に下がりながらといううちに縦長でややハイぐらいで引っ張られ、淡々としてしまうとなかなか難しいんじゃないかなと。そういった不安はどうしてもある。素材的には結構高いレベルにあると思うし、仮に桜花賞に出てくれば穴馬で狙いたいなと感じる一頭だが、今回は馬券的には少し評価を下げて穴馬を狙いたいかな。まだ未知数なのでハイペースでやれたとしても驚かないけど、出負け癖があるし淡々とした流れだとリスクは小さくないと思う。