競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

東京新聞杯 2019 出走予定馬:ジャンダルム&武豊騎手確定

time 2019/01/31

東京新聞杯 2019 出走予定馬:ジャンダルム&武豊騎手確定

第69回 東京新聞杯(GIII)出走予定馬展望

日程:2019年2月3日(日)
コース:東京芝1600m

予想用・出走予定馬一覧

ジャンダルム(武豊騎手確定)

 昨年のクラシック戦線で期待されながらも伸び悩んでいるジャンダルムが引き続き武豊とのコンビで東京新聞杯に出走予定だ。マイルで2走、古馬相手に結果を出せなかった。3度目の正直とすることができるか?

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 ここ2走の内容からも簡単ではない。ただ、敢えて言えば富士Sの方がマシだったかな。弥生賞を見てもスローからの決め手勝負で要所のギアチェンジを結構持っている馬。あるとすればスローからのギアチェンジ戦に特化したときに、ある程度好位ぐらいにつけている…というぐらいの条件が欲しいかな。基本は苦しい立場には違いない。

デイリー杯2歳S(GII)1着

京都芝外1600m良 9頭3枠3番
1:36.3 48.7-47.6 S^1
12.6 – 11.0 – 12.1 – 13.0 – 12.3 – 12.4 – 11.6 – 11.3

 デイリー杯2歳Sの勝ちっぷりは結構馬鹿にできないはず。2着がカツジで3着がケイアイノーテック。これらを子ども扱いしているわけで、この一戦が強かったのは確かだと思っている。ただ、結構特殊なレースにはなっていて、良馬場でも力の要る状況だったことで、ペースが上がらず4F目でメガリージョンの故障などもあって13.0とかなり遅いラップ。そこから3~4角でも上がってこずの直線勝負。L1が最速11.3でここに向けて鋭く加速出来たかどうか、ギアチェンジ面が重要な一戦だっただろうと。

 3番枠から出負けして窮屈にもなり下げてからリカバーしていくという感じ。道中も中団ぐらいまでリカバーしていたが、前で走っていたメガリージョンが故障して少し接触、ここでコントロールしつつだがしっかりと折り合って3角へ。3~4角でもペースが大きく上がらず12秒台で3列目で直線に入ってくる。序盤で進路を確定できていなかったが鋭く反応、先頭列を切り裂いて一気に先頭に立つ。そのままL1まで一気に抜け出しカツジを競り落としての完勝。

 L1の伸びよりL2の反応面の方が目立った。L2のレースラップが11.6で、ここで3列目から一気に先頭。3馬身はあったので、0.5ぐらいとしてみても11.1は引き出している。12.0-11.1-11.3ぐらいの感じで強烈なギアチェンジを引き出してきたとみて良いだろうと。この緩い流れから一気の加速が得意だと考えると、弥生賞でも結構頑張れたのは納得ともいえる。緩い流れから鋭く加速するギアチェンジが問われたときに高いパフォーマンスをみせているといえる。一方でペースもゆったり、仕掛けも遅いというケースというのは古馬のマイル重賞ではなかなか起こりにくいことなので、その辺りが課題だろう。

富士S(GIII)7着

東京芝1600m良 18頭8枠18番
1:32.4(+0.7) 45.9-45.8 M
12.4 – 10.9 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.0 – 11.6 – 11.7

 前走の富士Sはちょっとかわいそうな展開ではあった。超高速馬場でペースも平均、道中の淀みもなく高いレベルで基礎スピードを要求され、そこからのTS持続戦となっている。仕掛けが早いので要所のギアチェンジ面はあまり問われていない。

 18番枠から五分のスタートを切っていたが軽く促しつつも中団外目ぐらいでの競馬となる。道中も中団外目でコントロールしながらだが、大外枠で内には入れられず。3~4角でも淀みない中で中団外からロスを作って直線。序盤で追い出されるが伸びはなくジリジリ。L2の段階でもじりじりと食らいつくが最後まで決定的ではなくワントゥワンらに見劣った。

 3~4角で終始大外というのはラップ推移的にもかなりしんどかったと思うし、その中で一定の脚を引き出してきた。そもそもの期待が高い馬だったのでこの7着は悲観的になってしまうかもしれないけど、個人的にはこの負け方は言うほど気にしていない。思ったよりはやれたと思うし、展開的にみても前後半で45秒台というタイトな競馬が向いている印象はなかったので、そんなに悪くはないかな。前半のペースの問題もあった、3~4角のロスもあったので。

マイルCS(GI)16着

京都芝外1600m良 18頭6枠11番
1:34.0(+0.7) 47.1-46.2 S^1
12.4 – 11.1 – 11.5 – 12.1 – 11.7 – 11.6 – 11.2 – 11.7

 前走のマイルCSはいくら何でも後ろ過ぎた。脚自体はそれなりに使っているとは言えるんだが、あの位置からだと難しかったかな。ペースはややスローだし4F戦に分散しているというのもあってL2最速は11.2という程度。前半の基礎スピードは問われず各馬脚を引き出す余力を持っていただろうと。

 11番枠から出負けして促しつつリカバーするかなというところ、外の各馬も内に切ってきたので最後方まで下げてギャンブル的な競馬。道中はペースも上がらずスローの流れの中で単独最後方。3~4角でも最内を立ち回って進めているがこのあたりで前もペースアップ、スピードに乗せながらも単独最後方で直線。序盤で大外に持ち出しながらだが反応は地味。L1でも脚自体はあったと思うがなだれ込むだけに終わった。

 後ろ過ぎたのはさておくとしても、デイリー杯の時にはL2の地点で結構鋭く動けた。ただこのレースではすでに3~4角で11秒台半ばぐらいには乗っている状況だったし、この馬自身も3~4角で後方から勢いをつけて差を詰めながら入っていたので比較的トップスピードに乗りやすい状況だったと思う。それでもこの感じだと、案外溜めて伸びるタイプではないんだろうなと。溜めてしまうとその分早めに動く意識を持たざるを得なくなるから必然的に段階的な加速になる。この馬は一気のギアチェンジを活かせる競馬の方があっているんじゃないかな。

東京新聞杯2019への展望

 まあ、かなり状況的に難しいというのは前提としてある。ただ、個人的にはこの馬は先行して流れに乗せた方が良いタイプだと思う。根拠としてはそこまで使える脚が長いわけではなく加速性能が高い。つまり流れに合わせて後ろの仕掛けの後に仕掛けてもしっかりと反応できるタイプだろうと(デイリー杯、弥生賞から)。一方でマイルCSでも富士Sでもだが、中団~後方、最速地点に向けてそこまで一気の加速が問われない展開では地味だった。富士Sは枠や全体の流れも厳しかったかもだが、前走のマイルCSからも後ろから末脚の絶対量で勝負するにはちょっと足りない。

 マイルという距離がどうかだが、今のこの馬で末脚勝負では分が悪いと思う。富士Sではそこそこ良いスタートを切っていたし、個人的にはこの辺りで先行策をとってくれないかなと。ロジクライがペースを引き上げてくると厄介だし、テトラも含めてある程度流れを引き上げたい馬も少なくない。サトノアレスなんかは安田記念からもかなり手ごわいと思うし、明け4歳勢でもアーリントンC上位の2頭は手ごわいだろう。が、力関係だけで見ればこの馬も本来通用していい馬。本音を言えば府中の1800~2000、中京2000辺りでポジションを取れれば違ってくるかな?と思っていて、マイルは高いレベルでは忙しいだろう。ここでは狙わないと思うが、脚質転換はどこかで狙ってほしい。あの反応の鋭さは前で受ける馬のものだと思う。


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