2019/02/02
第56回 愛知杯(GIII)出走予定馬展望
日程:2019年1月26日(土)
コース:中京芝2000m
予想用・出走予定馬一覧
ランドネ(戸崎騎手想定)
紫苑ステークスでは3着完敗も前走の修学院ステークスで逃げ切ったランドネが愛知杯に出走予定だ。スイートピーステークス勝ちも含めてコーナーが少ない1800m戦で結果を残してきているが、1周コースの2000m戦では物足りなかった。それだけに、今回の愛知杯の舞台でどこまで粘れるかに注目したい。
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前走の修学院Sでは力の要る馬場状態ながら最速11.1のラップで鋭く脚を使って逃げ切った。ただ秋華賞は物足りないし、紫苑SもL1最速ラップをノームコアが刻む余裕がありながらもこちらは下がってしまった。個人的に2000はちょっと長い印象で、本当に良い脚は一瞬。ポテンシャルで分散されたくないタイプかなと感じる。
修学院S(16下)1着
京都芝外1800m良 8頭7枠7番
1:48.0 49.1-46.3 S^3
12.9 – 11.6 – 12.1 – 12.5 – 12.6 – 12.2 – 11.5 – 11.1 – 11.5
前走の修学院Sから振り返るが、これがこの馬のイメージでいいのかなという感じ。エリ女と同日、傾向を見ても時計は掛かっていた中でこのレースは超スローというのもあったが最速ラップが11.1と優秀だった。とはいえ完全な3F戦というのも大きいが。
7番枠から好発を切って促しながら小頭数ということもあって楽にハナを主張、スローにペースを落していく。道中も12秒半ばまで落としながら3角まで余裕をもって進めていく。3角でもまだ緩い流れで割と団子状態、4角で手が動いて1馬身弱の差で直線。直線に入ってすっと出し抜いてL2で2馬身弱まで引き離す。L1では甘くなったところにレッドヴェイロンやクリノヤマトノオーの追撃を食らうが封じ切った。
この時はエリ女でも前が出し抜く形が決まっていたし、馬場状態として内目がある程度良かったというのもあるとは思う。それでもL2の段階でしっかりと11.1と速いラップを踏んでトップスピードの質の高さをこの馬場で見せてきたし、11.5-11.1としっかりとギアチェンジ面もある程度のレベルで見せてきた。ワンターンで上手くペースを落す中で、この鋭さを引き出せたといってもいいのかなと感じる。力の要る馬場でもやれたのは今後に向けて良い材料。
秋華賞(GI)6着
京都芝内2000m良 17頭2枠4番
1:59.1(+0.6) 59.6-58.9 M
12.1 – 10.9 – 12.7 – 12.1 – 11.8 – 11.9 – 11.8 – 11.5 – 11.8 – 11.9
2走前の秋華賞では完敗を喫した。ペースは平均まで上がったし、後半は6Fのロングスパートという競馬、最速もL3で11.5とポテンシャル勝負になった。ただ前目につけたといっても最短距離を後半は通せているからね。また良い競馬をしたラテュロスが北大路特別で物足りなかったのも引っかかる一面ではある。
4番枠から好発を切ってハナを主張、しかし外からミッキーチャームが速いのでそれを行かせて2列目のポケットで進めていく選択をとる。道中も2列目のポケットで我慢、折り合って進めていたが途中で前のミッキーチャームが早めにじわっと引き離していったので無理はせずに3列目ぐらいで3角に入る。3~4角でも3列目の内内でロンスパの流れでもロスなく立ち回り、4角で2列目のポケットのスペースを詰めながら単独の2番手に上がっていって直線。序盤で前ががっぽり追うだけという感じ。ただしL1で甘くなって前との差も詰まらず、各馬に交わされての6着まで。
この馬にとってはペースはちょっと速かったかも?とも思うがそれでも1000通過の段階ではミッキーが少し離していてこの馬の位置なら60秒台には入っていたと思う。走破時計とのバランスで見てもこの馬の位置ならややスローではあったと思うし、分散する形でトップスピードの質が削がれてしまった感はあるかなと。こういう長距離的なロンスパは合っていないように感じる。紫苑Sも結局は5Fからじわっと分散しながらで良さが削がれていたのかなと。2000は長いと感じるのはこの辺も大きいが、展開次第。
スイートピーS(OP)1着
東京芝1800m良 11頭8枠11番
1:47.7 48.9-46.4 S^2
13.0 – 11.6 – 11.8 – 12.5 – 12.4 – 12.2 – 11.5 – 11.1 – 11.6
5走前のスイートピーS勝ちも振り返っておきたい。このレースも馬場の重い軽いはともかくとして、前走の修学院Sと同じような競馬となった。2.5とかなりのスローからの3F勝負でL2最速11.1。坂の上りでの加速が問われたのでこの辺は今回の中京でも繋がってくるかもしれない。
11番枠からまずまずのスタート、そこから楽な感じで番手につけていく。道中も折り合いを意識しながらコントロール、番手の外で楽にキープして3角へ。3~4角では逃げ馬から若干離れた位置で様子を見ながら1馬身ほどで直線。序盤ですっと加速して一気に先頭。L2の坂の上りで1馬身ちょっとのリードをとり、L1まで後続をほとんど寄せ付けずの1馬身半差完勝。
中京でもスローの2,3F戦ならL2の坂の上りで加速することが多いので、この適性を見せたというのは良い材料。レースレベル的にはさほど高くはなかったのでどこまで評価できるかだが、緩い流れからの3F勝負という前提は必要なのかなと感じる。
愛知杯2019への展望
多少ロンスパ気味にでもなってしまうと脚を削がれているので1周コースの2000は少し割り引いた方が良いと思う。府中や新潟の2000ならともかく中京だとその辺が鍵。まあ中京2000の場合3~4角でも上がってこずに直線だけの競馬というケースも無くはないので、逃げて主導権を握ってそういう競馬に持ち込んでくればやはり怖さはある。それでも前走の修学院SでもL1ではかなり甘かったし、この世代の牝馬はあまり買いかぶらない方が良いとは思っている。
相手関係としてみても1周コースの2000だとノームコア以上の評価が難しいし、ノームコアも最速11.1ぐらいは視野に入っているからね。速度的にもそこまで優位性を持っているわけではない。また他との比較でみてもレッドジェノヴァ辺りはここ2走の内容から内からでもある程度反応できているし、速度的にも対応できそう。トップスピード戦に持ち込めたとしても勝ち切れるところまでは簡単じゃないし、ロンスパ気味になった中で甘さが出ている、ペースが速い中でも秋華賞があまり高いパフォーマンスとは言えない(ラテュロス比較で)。不安があるので消す可能性もあるし、押さえまでかな。