2019/02/02
第35回 マイルチャンピオンシップ(GI)出走予定馬展望
日程:2018年11月18日(日)
コース:京都芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
ジャンダルム(武豊騎手想定)
3歳クラシック路線から秋はマイルに路線変更したジャンダルムが武豊とのコンビでマイルチャンピオンシップに出走予定だ。前走の富士ステークスでは古馬の壁にぶち当たる格好となったが、大外枠で苦しい条件でもあった。今の力の要る馬場の淀、正念場の一戦で才能が爆発するか?
ジャンダルムの記事はブログの方の無料公開対象記事にしたいと思います。
マイルは結局少し短いのかなという感覚を前走の富士Sでは受けた。ただし、この馬は2、3歳時でも力の要る馬場で要所の鋭さを引き出してきた感があるので、今の淀の馬場は良いと思う。あとはペースが落ち着けば、そしてある程度の位置を取れれば。その中でどれだけやれるか?というライン。馬券的には微妙なところだけど、展開が噛み合えば若干怖さがある一頭となる。
デイリー杯2歳S(GII)1着
京都芝外1600m良 9頭3枠3番
1:36.3 48.7-47.6 S^1
12.6-11.0-12.1-13.0-12.3-12.4-11.6-11.3
デイリー杯2歳Sを振り返っておくべきだろ王。この時の京都も馬場が標準~ややタフで、時計が掛かっていた状況、その中で1.1のスローだが中盤大きく緩み、そこからの2F戦でL1最速とギアチェンジを問われている。
3番枠から出負けして後方からの競馬となってしまう。向こう正面で故障した馬と少し接触があって掛かり気味になるがそれでもコントロールして3角。4列目の内内で進めて4角出口で仕掛けて直線で内に切り込む。序盤で前のスペースを一気に詰めて先頭のカツジに並びかけてくる。L1でそのまま伸びきって1馬身1/4差の完勝。
このレースで注目すべきはL1の抜け出しではなくL2での伸びだと思う。L2地点、つまり淀の外回りだとほぼ直線最初から入ることになるが、12.4-11.6と急激な加速が問われた地点で、ここで3馬身はあった差を一気に詰めている。11秒前半はまず間違いないわけで、トップスピードにすぐに乗ってきた、という証拠といっていい。ギアチェンジの性能が非常に高い。
一方で瞬間的な切れ味で見ると、L2で3馬身を詰めた(一般的には1馬身0.2ぐらいといわれているけど、個人的には多分1馬身0.15に近いと思っている)ことから11.1~11.2ぐらいとみておきたい。最速ラップも馬場を考えれば優秀なんだが、12.4と前がゆるい流れ、こちらも動いていない状況から11.2まで一気に加速、まさにギアチェンジの性能といっていいだろう。ここにかなりのインパクトを感じたかな。
弥生賞(GII)3着
中山芝内2000m良 10頭3枠3番
2:01.3(+0.3) 61.5-59.5 S^2
12.5-11.0-12.5-12.8-12.7-12.4-12.8-11.7-11.0-11.6
4走前の弥生賞ではスローからの3F勝負、しかもギアチェンジを要求される競馬となってダノンプレミアムやワグネリアン相手に十分善戦したといっていいだろう。ペースは2秒でかなりのスロー、そこからのL2最速で11.0と中山としてはかなり速いラップを要求された。
3番枠から好発を切って様子を見ながら外の2頭を行かせて3番手で進めていく。道中もダノンプレミアムを見ながら3番手で追走。3角付近で前のサンリヴァルが一気にペースダウンしたことで勝手に取りつける状況、ここでダノンが外からじわっと仕掛けを待ちつつ進めている中、そのうちを通しながら直線。序盤でダノンが抜け出す脚を使うがこの時点では結構食い下がっていた。L1では甘くなってワグネリアンにも捕え切られたがサンリヴァルは何とか捕えて3着をもぎ取った。
ここでも要所での加速そのものは結構よかったと思う。そもそもだけど、ここで前にいたのはダノンプレミアム、サンリヴァルでともにギアチェンジとトップスピードの質を兼ね揃えている実力馬だった。ワグネリアンとの比較でみるとわかりやすいが、4角出口のL2の段階ではまだ1馬身だった差が直線入りで2馬身近くにまで広げている。L1のTS持続区間では見劣ったけど、ワグネリアンに対して直線入りでは出し抜けている。この馬の強みはそこにあると思うが、トップクラス相手にとなるとL1で甘さを見せているようにTS持続でちょっと足りないと。
富士S(GIII)7着
東京芝1600m良 18頭8枠18番
1:32.4(+0.7) 45.9-45.8 M
12.4-10.9-11.3-11.3-11.5-11.0-11.6-11.7
前走の富士Sでは7着と完敗。マイルに転向したが、古馬との戦いで前後半ともに45秒台という質の高い平均ペースとなり、道中息を入れるところも無ければL3最速戦で11.0、速いラップも要求された。持ち味のギアチェンジを引き出せるような緩い流れではなかったし外枠も響いたと思う。
18番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながら追走して中団の外目には付けていく。3~4角でも中団の外々でレッドアヴァンセの後ろから直線へ。序盤でそこから追い出されるがいまいち。L2の段階で外のワントゥワンにも交わされて中団列で伸びあぐねている状況。最後までジリジリと良いところなくの完敗だった。
まあ、正直枠を見た段階で簡単ではないと思っていたし、そのうえで流れもここまでタイトになってしまうと。デイリー杯でも結局緩めの流れから瞬時のギアチェンジで結果を出してきたわけで、ここでは中盤でも11.5が最遅という流れ。最速11.0と比べても速度の変化があまりない。また前半の基礎スピード面で脚を削がれていた感もあるし、いずれにせよ枠も展開も悪かった。正直に言えばそこまで悲観する必要はないと思っているけど、マイルで戦うとなると馬場が軽いと難しいなというのは感じた。
マイルチャンピオンシップ2018への展望
相手はかなり強敵で、少なくともまだまだ目途を立てて来たとはいいがたい。もちろん富士Sは条件的にも展開的にも難しい状況だったが、それでもロジクライやレッドアヴァンセも簡単な競馬をしているわけではないからね。ましてGIで好走しているメンツがずらりと揃ってハイレベルな一戦。条件としては厳しい。
ただし、前走の富士Sから好転する可能性はある。やはり馬場がそこまで高速状態にない、というのはこの馬にとっては追い風だと思う。基礎スピード的に高速馬場だと苦労していた感じだし、力の要る馬場でどこかで緩めばこの馬としてはワンチャンスある。理想を言えば仕掛けが遅れてL2L1最速、ぐらいになれば要所のギアチェンジの性能は侮れない。ただ京都の外回りはある程度仕掛けが早くなるからね。そこまでかみ合うことを期待するのは良くないかも。
現実的なラインとして3着あるとすれば、スロー、平均でも中弛み気味、内枠で好位、脚を残して4角出口の合流地点ですっと最内からスルスル。これが好走するには必須だと思う。外枠からでは3~4角でワンテンポ早く動く必要が出てくるし、前走を見る限りマイルで高いレベルでは前を取れるほどゲートも二の足も速い感じではないので。枠の並びと展開次第で3着ぐらいはあっても驚けない、という評価。一瞬の反応で抜け出すところまで持って行きたいね。トップスピードの質自体はそこまで高くないし、今の馬場で少し浮上してきても良いかな。3着ヒモで押さえるかどうかの当落線上。
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マイルCSの有力馬分析記事を分析note’18の方に順次書き上げます(アエロリットとモズアスコットはすでに)。2018年末まで(ホープフルS・東京大賞典までやります)で購読料は1000円になります。年内を目途にこちらのブログのほとんどを移行(重賞予想・回顧は残し、他はグレードダウンする感じ)します。展開予想記事も同様ですが、エリザベス女王杯はこちらでも途中まで載せたいと思います。今週のマイルCSからは分析note’18の方を軸に進めてまいります。
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