第23回 秋華賞(GI)出走予定馬展望

日程：2018年10月14日(日)
コース：京都芝内2000ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ランドネ（戸崎騎手想定）

オークストライアルのスイートピーステークスの覇者、紫苑ステークスも３着で権利を確保したランドネが秋華賞に出走予定だ。オークスでは11着と惨敗を喫したが距離も長かった。2000ｍで何とか粘り込み、一矢を報いることができるか。

正直2000ｍでもちょっと長いかも？という感じはしている。少なくとも前走の紫苑Ｓでマウレアにも差されたわけで、内容的には後半のポテンシャル面がやはり物足りない。京都2000の秋華賞は前半の基礎スピード型が苦しいレースにはなりやすいし、それだけでなくしっかりと後半長く脚を使ってこれないと。その点ではこの馬はそこが物足りないので狙いづらいかな。

スイートピーＳ(OP)１着

東京芝1800ｍ良 11頭８枠11番
1:47.7 48.9-46.4 S^2
13.0-11.6-11.8-12.5-12.4-12.2-11.5-11.1-11.6

まずは３走前のスイートピーＳから振り返る。東京1800ｍ戦で鮮やかに番手から抜け出しての完勝。ただしペースも遅く2.5と超スローに肉薄。Ｌ２最速11.1で仕掛けもそんなに早くない。３Ｆの直線勝負だった。

11番枠からまずまずのスタートからじわっと先行策、楽に番手につけていく。道中もドスローで前に壁を作れない状況だがしっかりとコントロールが利いた状態で３角へ。３～４角でも番手外で仕掛けを待ちながら逃げ馬を泳がせて直線。序盤でそこから軽く促す程度で１馬身差を捕えて先頭に立つ。Ｌ２ではリードは広がらないがキープ、Ｌ１で踏ん張って後続の追撃を封じ込めての完勝だった。

前有利の競馬ではあったと思うが、評価のポイントとしてはやはりＬ３かな。前が加速している流れの中で番手から楽に軽く促す程度で先頭に立っていたし、要所での反応が良かったなと。そこからもＬ２－１にかけてしっかりと寄せ付けなかったしそこは評価できる。スローの直線だけ、トップスピード戦の適性は普通に高いのかなと。

オークス(GI)11着

東京芝2400ｍ良 17頭７枠14番
2:25.7(+1.9) 59.6-59.6 M
12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6

２走前のオークスでも番手で進めたが完敗だった。ペースは平均だがこれは単騎でサヤカチャンが飛ばしてのもので、実質的には大体この馬の位置で61秒前半ぐらい。なのでスローからのトップスピード持続戦というところだろう。

14番枠からまずまずのスタート、そこからすぐには内に切り込まず外目を進めつつ内の様子を見て１角手前で番手外まで持って行く。少し掛かり気味なところも見せたが前のサヤカチャンが離したのを見て２角で単独の２番手、実質的にレースを作っていく。そのまま実質かなりのスローの流れで進めて３角ではサヤカチャンが逃げていくのを捕まえにじわっと動く立場。そのまま４角出口で３馬身差ほどに詰めて直線。しかしここからの直線の伸びが地味で早々にリリーノーブルやアーモンドアイら有力馬らに抜け出されてしまう。最後まで伸びは見せられず、11着惨敗。

この感じは距離なのか使える脚が短いのか難しいところ。距離の可能性も高いんだけど、離れた番手馬って捕まえに行かないといけないからやっぱり求められるのはＴＳ持続ではある。アーモンドアイがぶっちぎっているからわかりにくいけど、ほとんどの馬が上がり34秒前後までだからね。多分３～４角辺りからそれなりには早めに仕掛けていてＬ１では甘くなっている可能性が高い。その中で直線入りでもう甘かったからね。距離の可能性が高いし、後半長く脚を使えないタイプかもしれない。

紫苑ステークス(GIII)３着

中山芝内2000ｍ良 16頭４枠８番
1:58.6(+0.6) 60.1-57.9 S^2
12.1-10.8-12.2-12.3-12.7-11.9-11.8-11.5-11.5-11.2

前走の紫苑Ｓではかなりのスローペースからの５Ｆ戦からＬ１でもう一段加速、というのをノームコアにやられてしまった。

８番枠からまずまずのスタート、押して二の足良く楽にハナを取る。そのままペースをコントロールしつつ向こう正面でカレンシリエージョが捲ってきたのでここでペースアップ、１段階目の加速でロンスパへ。そのまま３～４角でも11秒台を刻みながらコーナーワークで少し差を広げて１馬身半差で直線。序盤でしぶとく粘り込みを図るが一気にノームコアに来られる。Ｌ１では甘くなって最後にマウレアにも差されての３着完敗だった。

Ｌ１では先頭列から0.6離されたのでこの馬は11.8とみていいだろう。なので段階的な加速を要求されてはいるけど、この馬としてはＬ２の地点でもう脚はなかったという感じにはなる。後半５Ｆで一応58秒半ばでは上がってきている計算なので一定レベルのパフォーマンスではあるけど、それでもノームコアなんかは恐らく57秒ぐらいで上がってきているからね。後半５Ｆでみても後半長く脚を使えるタイプではないと思う。

秋華賞2018への展望

おそらく距離は2000でもちょっと長いと思う。基礎スピード面でどこまでやれるかだが、忘れな草賞では強気の競馬であっさり完敗しているし、あまり好走の幅が広いタイプではないかな。またスイートピーＳは強かったけど完全に上がり勝負になった。この辺からも瞬間的なトップスピード戦は良いが、それを分散する形になるとよくない感じ。前半から飛ばしても難しいし、前走みたいにロングスパートを敢行しても高速馬場の開幕週だった中山で上手く３～４角で脚を使わせて何とか３番手に粘り込むぐらい。あの感じだと個人的には出し切れなかったパイオニアバイオの方がここでは怖い。乗り方にもよるが、今回はそこそこ同型も手ごわいし、同じようにトップスピード戦で結果を出してきたカンタービレはフラワーＣで割とタフな馬場、２段階加速の競馬でもやれていることを考えるとそれ以上の評価も難しい。現状狙いにくい一頭かなと。

　そこでご紹介したいのが日本ダービージョッキー大西直宏の「ワールド競馬WEB」。今年の３歳牝馬クラシックは桜花賞・オークスいずれも的中！秋華賞TR紫苑Ｓも３連単160.7倍を本線で８０，３５０円回収のクリーンヒット！３歳牝馬の力関係は完全に掴めているようで、秋華賞も自信ありとのこと。G1レースは何度も騎乗し、特有の騎手心理が分かっているため予想もしやすいという。