2019/02/02
第66回 府中牝馬ステークス(GII)出走予定馬展望
日程:2018年10月13日(土)
コース:東京芝1800m
予想用・出走予定馬一覧
リスグラシュー(M.デムーロ騎手想定)
今年はヴィクトリアマイルで2着、またしてもGI2着を記録してしまったリスグラシューが府中牝馬ステークスに出走予定だ。GIではあと一歩が届かないが、今年は牡馬相手に東京新聞杯も制覇するなど力は確か。ここを勝って秋GI戦線の弾みとしたい。
この馬は右回りと左回りでは顕著に反応が違う馬なので東京ならかなり楽しみがあるかな。特に東京1800は未経験だけどタイプ的に一番合うんじゃないかなと。
ヴィクトリアマイル(GI)2着
東京芝1600m稍 18頭8枠16番
1:32.3(+0.0) 46.8-45.5 S^1
12.4-11.3-11.5-11.6-11.5-11.1-11.2-11.7
2走前のヴィクトリアマイルから振り返る。稍重で渋ったがそこまで悪化せず、騎手の意識が少し低くはなったがそれでも仕掛けは比較的早目でL3最速戦。中弛みの無いスローで、ギアチェンジはそこまで要求されなかった。
16番枠から五分のスタート、そこからある程度促したが無理せず中団の外目で進めていく選択をとる。道中もアドマイヤリードやソウルスターリングの後ろぐらい、馬群の中で3角を迎える。3~4角でも流れが落ちない中で中団の中目で我慢、ソウルの後ろから直線で中目を突く。序盤で追い出されるとしっかりと反応してソウルの内、ジュールの後ろから伸び始める。L2でソウルを交わして好位列まですっと上がってくると、L1で得意のバテ差しゾーン、ジュールに対して決定的に詰め寄るがハナ差及ばなかった。
ジュール比較だとL1では1馬身差あったのを詰めているし、直線に入った段階で大体1馬身強ぐらいの差。L2でもほとんど置かれていないので、単純な直線勝負だけならこちらの方が優勢だった。もちろんポジション差も含めて競馬だが、ギアチェンジをそこまで問われなかったにせよ直線で加速する過程でしっかりと反応できていたし、トップスピードの質でも互角。L1では上回ってきた。これがこの馬の持ち味で、ゆったり入ることで後半の末脚の絶対量をしっかりと高めてくることができる。そして、左回りの府中だと反応が右回りと比べても明確に良い。
阪神牝馬S(GII)3着
阪神芝外1600m良 13頭3枠3番
1:34.8(+0.0) 49.1-45.7 S^3
12.9-12.0-12.3-11.9-11.9-11.0-11.1-11.7
阪神牝馬Sではラストには流石に伸びてきたが、伸び初めの遅さが目立ったかなという感じ。ペースは超スローでラップ推移的にはL3最速。4角地点の下りで勢いに乗って最速という感じで、比較的出し切りやすい競馬だったので3着まで来たが、右回りだとどうしても直線入りの反応が良くない。
3番枠からやや出負けして促しつつもスローなので中団の内には付けられた。道中もアドマイヤリードの後ろでじっとして3角。3~4角でも3列目の内内で我慢、4角で一気にペースが上がる中でアドマイヤリードの後ろを狙いながら直線。序盤でスペースをうまくとって追い出されるがまだ地味。L1でそこからグンと伸びてきて最後はミスパンテールやレッドアヴァンセを捕えにかかるが及ばずの3着だった。
まあこのレースはそこまで顕著ではないけど、3歳時のエリザベス女王杯とか、重馬場の桜花賞とかを見るとわかりやすいかなと。ただしL1では手ごたえ以上に必ず突っ込んでくる。このレースではドスローだったし前有利の展開だったのも事実。そんなに悪くないし、マイルだとゆったり運べた方が楽なのは確かだろう。
安田記念(GI)8着
東京芝1600m良 16頭7枠14番
1:32.1(+0.8) 45.5-45.8 M
12.2-10.8-11.2-11.3-11.3-11.4-11.4-11.7
実際ハーツクライ産駒にとって壁となっている31秒台の決着となった安田記念でこの馬は32秒台までだった。もちろんスワーヴは31秒の壁を破ってはきたが3着。基本的にハーツの仔は純正マイラーは少ない。リスグラシューも本質的に高いレベルではマイラーではないと思っている。ペースは見ての通りで45.5-45.8、どちらも45秒台という前後半ともに質の高い平均ペース。淀みなく進んで厳しい流れだった。
14番枠からやや出負け、最序盤は後ろだったがある程度促しつつ取り付いて中団やや後方ぐらいには付けていく。3~4角で凝縮する好位集団が少しばらけたところで外からじわっと動いていく。4角では大外から追走して中団やや後方で直線。しかし序盤から追い出されての反応鈍く、いつもは伸びてくるL1も目立った伸びなくなだれ込んでくるまでの8着完敗だった。
ここでは45秒台のペースになってしまって底で追走していたがやはり足を使ってしまった感じ。3~4角でのロスもよどみがない中だったんで響いたと思うし、正直かなり苦しい競馬になったなという感じ。それと、東京新聞杯から含めての4走目、恐らくヴィクトリアマイルが春の最大目標だったということもあるだろう。いろいろな面が複雑に絡んだ面もあるかなと感じる。ただやっぱり忙しい競馬は本質的には合わないね。
府中牝馬ステークス2018への展望
東京1800がベスト条件の可能性が高い馬。根拠としてはマイルではスローバランスが理想でTS持続が武器、出し切ってしまいたいタイプであると。そのうえでポジションも取れれば取った方がいいし1800なら前半もう少し楽に入れる可能性が高い。折り合い面を気にする馬でもないから最序盤のうちにある程度中団ぐらいまで取れれば大きく崩れる心配はほとんどなくなる。それと右回りでは反応が鈍い面を3歳時に顕著に見せていたが、左回りだとオークスやアルテミスS含めて最序盤から伸びてきていた。この辺からも恐らく左回り巧者で弱点といっても良いギアチェンジ面が解消されている。東京1800ならこの馬のベストのパフォーマンスを引き出せる可能性が高いだろうと。ジュールポレールも1800までならこなしてくると思うが、この馬の方が距離延長はより歓迎できると思うし、馬場不問、鞍上もミルコなので出し切ってくれる。今の段階では普通に本命候補になっているかな。
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