2019/02/02
第53回 京都大賞典(GII)出走予定馬展望
日程:2018年10月8日(祝)
コース:京都芝外2400m
予想用・出走予定馬一覧
アルバート(モレイラ騎手想定)
長らく長距離重賞で活躍を続けてきたステイヤー路線の第一人者アルバートが京都大賞典に出走予定だ。今年は得意の長距離路線でもやや物足りない競馬が続いているだけに、秋は巻き返しを誓いたい。ジョアン・モレイラとのコンビ、淀の2400mで新たな一面を引き出せるか。
2400は微妙に短いのでペースがカギになる。前半のポジショニングの悪さを補える団子のスローからロンスパで内目をというような競馬ならある程度は。ただし、TS持続タイプの強敵が多いし、ロンスパになっても差し込むところまではどうか?またスローでトップスピードの質を高いレベルで要求されても難しい。なので簡単ではないと思う。
ステイヤーズS(GII)1着
中山芝内3600m良 10頭8枠9番
3:43.0 62.2-101.4(FA12.68)-59.4 S^3
13.3-11.3-13.0-12.4-12.2-12.6-12.7-12.9-12.6-12.5-13.1-12.7-12.3-12.0-11.9-12.0-11.7-11.8
4走前、昨年のステイヤーズSから振り返る。中山の3600mで見事に同一重賞3連覇を成し遂げた舞台。ペースは前後半でみれば超スロー、中盤7Fはそこまで極端に緩まずFAで12.68レベル。 それでも後半がFAで12を切っているように基本的には後半のポテンシャル戦とみていいし、L1を11.8でまとめてきているあたりが流石。
9番枠からやや出負け、促して中団馬群に取り付いていく感じで序盤は無理せず進めていく。1周目でもある程度縦長だが中団の後ろぐらいでじっとして動かずスタンド前。中団馬群の後ろで2周目の向こう正面でも変わらず我慢。3角で先に外からじわっとフェイムゲームが動いたのでその後ろからついていく。3~4角では外目を回しながらフェイムを追いかけ2列目で直線。序盤で1馬身ちょっとあったフェイムとの差を詰め一気に並びかけてくる。L1でしっかりと2馬身半抜け出しての3連覇。
この馬らしい後半のポテンシャルを最大限に発揮できる展開だった。ペースも前中盤で極端というほどではないがそれでも遅いラップを刻み続けていたし、そこから2周目の向こう正面でペースアップ、5Fのロンスパというような流れの中でフェイムが先に動く。それを目標にしながら外から正攻法で捻じ伏せてきた。L1の11.8はかなり優秀だし、ラップ推移的にみてもポテンシャル勝負に特化すれば現役でもかなり上位にいるはず。ただしここでもそうだが最速ラップは11.7であり、トップスピードを全く問われていない、というのは考えておくべきことだろう。
宝塚記念(GI)13着
阪神芝内2200m稍 16頭3枠6番
2:13.4(+1.8) 59.4-60.2 H^1
12.2-10.8-11.4-12.7-12.3-12.0-11.8-12.1-12.2-11.7-12.4
後半のポテンシャルはあるんだが、前半の基礎スピードがない。それが宝塚記念で証明されたと思う。ペースが速く稍重で力の要る馬場でも59.4と60秒を切ってきたし、後半の方が遅いからね。トップスピードは問われないポテンシャル戦にはなってるんだけど、前半のパワー型基礎スピードを強く要求された。
6番枠から出負けして後方から、促してもなかなか追走できずに最後方からの競馬であきらめる。道中もよどみなく淡々と進む流れの中で最後方で追走。3~4角でも最内を通しながらなんとかコーナーワークでポジションを取り戻して直線。序盤で内のスペースを拾ったが下がってくる馬が邪魔で少し待たされる。しかしそこから捌いての伸びもなく13着惨敗。
この馬はポテンシャルはあるんだけど、前半ゆったり入って徐々にスピードに乗ってロンスパで、というパターンでこその馬。ここでは前半のペースが速すぎて後半のポテンシャルを引き出す余力を持たせてくれなかった。3~4角でロスなくは立ち回ったけど少し待たされたにせよもうちょっと伸びてほしいところで伸びなかったのはその辺だと思う。2200でも3秒ぐらいスローで追走できていたら別だが、ここまでパワー型の基礎スピードを要求されてしまうと難しかった。
アルゼンチン共和国杯(GII)4着
東京芝2500m良 16頭6枠11番
2:30.7(+0.7) 60.4-59.2 S^1
7.4-11.3-11.2-12.2-12.1-12.3-12.2-12.1-11.8-11.8-11.9-11.6-12.1
昨年のアルゼンチン共和国杯ではスローの流れからの5F戦だったがスワーヴリチャードらに完敗を喫した。まあスワーヴはともかくとしてもソールインパクト辺りに負けたのは物足りないかな。まあ外からではしんどい競馬ではあったけども。
11番枠から五分のスタート、そこから様子を見ながら進めて中団ぐらいでは進めていく。道中も前2頭が稍話して進めてゆったりした流れの中で中団馬群の中、3角に入っていく。3~4角でも中団馬群の外目で様子を見ながら徐々にペースが上がっていく中で4角で仕掛けて外から追走、中団で直線。序盤で一瞬伸びかけるが内からスワーヴが楽に抜け出し、さらにソールインパクトが手ごわくL2で3列目まで。L1で3着争いとなったがそこからも見劣っての4着完敗。
ラストは甘くなったしハンデがあったのは確かだがそれでも物足りない競馬になった。2500でスローといっても60秒台、そこで中団で脚を使ってというのもあっただろう。確かに後半外からというのはロスもあったがそれでも極端に速いラップを踏んでいたわけではなくあくまでコーナー地点では11秒台後半まで。それぐらいならステイヤーズSでも見せているはずで本来問題なかったはず。それでも伸びあぐねたところには前半これでも忙しかったのかな?というのはある。もちろん58.5kgで休み明け、ステイヤーズS3連覇への叩き台だったというのはある。それでも軽い馬場でスローバランスでもこれぐらい前半が速いと難しいのかも。同じアル共でもシュヴァルグランの2着の時はTS持続を発揮したが、あれは4秒の超超スローだったからね。その点も踏まえると前半はゆったり入れないとこの距離では難しいと思う。
京都大賞典2018への展望
今回はジレンマがある馬で、前半緩くならないと基礎スピード的に難しい。かといって緩くなると開幕週の淀の2400m戦ではキレ負けしてしまう。トップスピードの質的にはさほどのものはなく、一応対応できるがL1でのバテ差しまで。3~4秒ぐらいのスローから3角下りで一気に流れた中で内内を、という競馬ができればL1で突っ込んでくる可能性もある(端的に言えばヒットザターゲットが勝った時のような競馬)。ただ、そこまでかみ合い切るかどうかは微妙。前半流れてしまうと後半がポテンシャル戦になってもそこまでで削がれてしまうし、という感じでもあるしね。2400が短い、というのはその辺が大きい。他力本願の形になるけど今回厄介なのは前目の馬でTS持続・ポテンシャルの両面で高いレベルにある馬が多いという点。シュヴァルグランはもちろんだがウインテンダネス、パフォーマプロミスはトモに厄介だし、特にウインは2400で高速馬場の中で前で57秒台に入れてきてしまう。仮にスローでそういう競馬になったとしてアルバートがそこまで食い込めるかどうかは疑問が大きい。内枠を引いてかみ合えばの怖さも無くはないけど、適性的に弱点があるのでドスローになりそうならちょっと考えるかな、というぐらい。
重賞予想解説者:北条直人
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単勝:87% 複勝:100% 馬連:66.7%
ワイド:91.3% 3連複:54.2% 3連単54.2%
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単勝:79.2% 複勝:95.8% 馬連:45.8%
ワイド:75% 3連複:41.7% 3連単41.7%
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単勝:87.5% 複勝:100% 馬連:62.5%
ワイド:83.3% 3連複:25.0% 3連単25.0%
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平均の約3~4倍、、
さらに、的中を重視したいときには「的中率90%の反則技指数」、高配当を狙っていきたいときは「魅せる穴馬HitMake」と使い分けることができる。このあたりは、その時々のお財布事情次第で使い分けるとよいとは思います。