第69回 毎日王冠(GII)出走予定馬展望

日程：2018年10月7日(日)
コース：東京外1800ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ステルヴィオ（ルメール騎手想定）

スプリングステークスでは後の皐月賞馬エポカドーロを外から差し切り、３歳馬ステルヴィオが毎日王冠に出走予定だ。３歳マイル王ケイアイノーテックも参戦するが、1800重賞で強敵を撃破したこちらが大将格。クラシック路線でも健闘したが、この距離でまずは辿るべき道を見つけたい。

個人的には今の段階で良馬場なら本命にしたい。ダービーでも本命にするぐらいには評価していたが結果的にスローの後半勝負に特化した中で後ろからロスがあって苦しかった。素材的にはダノンプレミアムがまともならともかく中距離ではトップクラスにあると思う。しかもトップスピード持続力を厳しい流れでも引き出せる。ベストは1600～2000だと思うし、しかもワンターンだろう。今年の秋のマイル～2000路線で新星になる可能性はある。

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スプリングＳ(GII)１着

中山芝内1800ｍ良 13頭６枠８番
1:48.1 47.8-48.5 M
12.4-11.3-11.9-12.2-11.8-12.1-12.4-12.2-11.8

スプリングＳ勝ちから振り返るべきだろう。1800ｍ戦でペースは平均だがややハイに肉薄。コスモイグナーツの単騎で実際は49秒ぐらいの入りでスロー、そこからの３～４角での勝負にはなっているはずで、ここでのロスはそれなりに響いているはず。

８番枠からやや出負け、ある程度促して追走して中団の外には付ける。そのまま３角まで中団の外目で我慢、４角で２列目以降が捕まえに行く流れで中団外からロスのあるところを通しつつ直線。序盤で抜けだすエポカドーロの外からしぶとく伸びて２列目。Ｌ１で２馬身弱の差を一気に並びかけてきて接戦の末、勝利をもぎ取った。

ここでは後半の末脚の絶対量でしっかりとエポカドーロを捕え切る競馬を見せている。この時点ではかなり強かったはずで、３着のマイネルファンロンをちぎったし、もっと言えば青葉賞を勝ったゴーフォザサミット、古馬相手に結果を出しているハッピーグリンやカフジバンガードといったところは全然問題としていないからね。内の馬場が微妙ではあったがそれでもこの馬の通したところは結構外だったから。これでＬ１まで良い脚を維持できていたのだからかなり強い競馬をしている。

日本ダービー(GI)８着

東京芝2400ｍ良 18頭７枠15番
2:24.0 60.8-58.3 S^2
12.7-11.0-12.3-12.4-12.4-12.3-12.2-12.0-11.7-11.2-11.2-12.2

前走の日本ダービーでは末脚不発となった。それでも2.5と超スローに肉薄レベルで遅かったし、最序盤のポジショニングが重要だった。そのうえでＬ４の地点では11.7とコーナーでもある程度速いラップを踏む形になっているのでここでのロスも響いたと思う。苦しい競馬なのでそこまで悲観しなくてもいいかな。

15番枠から五分には出ていたが外からカットされたし二の足もいまいちで後方からの競馬になる。道中もドスローの中で特に動きもないまま後方外で３角に入る。３～４角でも後方外、前が加速していく流れで後方外からロスを作りつつ直線。序盤で中団から伸び良くここでは悪くない脚。Ｌ２で一瞬くるかな？というぐらいには伸びたがＬ１で甘くなって最後は伸びあぐねた。

流石にドスローで４Ｆ戦に特化していて、コーナーでも速いラップを踏む流れで後方外から押し上げるというのは難しい。それでもＬ２の速い地点では良い脚を使ってきていて後半勝負というくくりだけなら最上位の競馬をしている。上がり最速が最後方でロスなく立ち回ったアドマイヤアルバの33.4、エタリオウもコーナー地点では我慢できていたのもあるし、Ｌ４で加速からＬ３で最速タイなので内からでも出し切りやすい展開だった。こちらは速いラップ地点でのロスを考えるとＬ２までの伸びは結構トップクラスにあったと思う。流石にロスはあったけど、質・持続力ともに高いレベルにあったのは間違いないと。あとはこのポジショニングの悪さをカバーできれば…となる。

サウジアラビアＲＣ(GIII)２着

東京芝1600ｍ稍 18頭８枠16番
1:33.3(+0.3) 46.1-46.9 H^1
12.3-10.6-11.4-11.8-12.2-11.5-11.5-11.7

５走前のサウジ戦を取り上げたいかな。稍重ではあるがそこまで悪くはない馬場。といっても顕著な高速状態ではなくやや高速という程度なのでこの時計はかなり速い。その中で強烈な末脚を発揮した。ペースはややハイ、そこからの後半３Ｆ勝負でダノンプレミアムといえども流石にこのペースで速いラップを踏むことはできなかった。

16番枠から五分のスタート、促されるが二の足は遅く後方に下がっていく感じ。道中も最後方に近いところまで下がる。３～４角でも最後方列の外々から促して直線。序盤ではまだ伸びてくる感じではないが徐々にＬ２辺りから明確に差を詰め始めて中団、Ｌ１ではまず５～６馬身はあった差を急追して２馬身弱の２着。

Ｌ１でダノンプレミアムも11.7と大きく落としていないんだよね。それでもここで３～４馬身ぐらいは詰めているので11秒前半の脚を使ってきていると思う。このペースで質的に追走できずに後方からの競馬になったけど、そこから強烈にＬ１まで伸びてきたことを考えても厳しい流れの中でも末脚を大きく削がれないというのが魅力にはなる。ただこの競馬からはＬ１が強烈だったし流れた中でとはいえ追走が苦しかったのでマイルは少し短いかな？とは思っていた。皐月賞４着の内容とともにダービー本命の伏線にはなったんだけど…。

毎日王冠2018への展望

今のこの馬にとってマイルが合うかどうかは成長を見たいところ、正直分からない。ただし、３歳春までだと毎日王冠の舞台である東京1800ｍなら全力で狙いたいなと思わせる競馬はしていると。基本的にはＴＳ持続が最大の武器で、これを発揮しやすいレースという点。東京1800はどうしてもＬ３最速になりやすいし、この毎日王冠も例外ではない。Ｌ３最速の中でしっかりと脚を出し切れればトップスピードの質・ＴＳ持続共にトップレベルにあると思っている。少なくとも３歳勢だけの比較ならこの馬から行きたい。この距離ならもう少し前半から出していくという手段も取れると思うし、内枠でも引いて壁ができる状況なら意識的に前半から乗っていきやすいだろう。それと地味に厳しい流れのサウジ戦が強烈だったので流れてもいいというのは大きな武器。基本的にはスローのＴＳ持続戦になりやすいレースだが、アエロリットなんかは基礎スピードを活かしたいのである程度飛ばす可能性もある。そうなったときにも対応できるのは魅力だろう。個人的には皐月賞の競馬の内容からも2000は問題ないと思うし、2400も位置取りさえ極端でなければ…とは思うんだけどね。ただ現状を考えれば1800～2000ぐらいがいいと思うし、ここで結果を出してくれれば秋の天皇賞でも続けて狙いたいとは思う。春までのこの馬だとマイルは気持ち短いし、皐月賞でタフな馬場でも脚を引き出せているから馬場も問わない。府中の1800なら全力で。