2019/02/02
第97回 凱旋門賞(GI)出走予定馬展望
日程:2018年10月7日(日)
発走予定時刻:日本時間23:05
コース:ロンシャン芝2400m
予想用・出走予定馬一覧
エネイブル(L.デットーリ騎手想定)
昨年の凱旋門賞を制すなど目下7連勝、エネイブルが今年は連覇と8連勝を懸けて凱旋門賞に出走予定だ。脚部不安のため今シーズンの始動が遅れたが、復帰初戦のセプテンバーステークスではオールウェザーの舞台でもキッチリと完勝、不安を一蹴した。欧州の名種牡馬サドラーズウェルズの2×3という狂気のインブリードを内包する欧州の血が、欧州競馬の権化といえる凱旋門賞連覇を成し遂げるか。
どんな競馬でも強いし、正直隙は状態面以外に見当たらない。昨年シャンティイでの凱旋門賞では厳しい流れになったし包囲網もあったがそれをうまく使ってそして力を引き出した。天才ランフランコ・デットーリが今回も魅せてくれるか、というのとどこかで崩れる要素がないか、に注目したい。
凱旋門賞(GI)1着
シャンティイ芝2400m重 18頭2番枠
2:28.69 M
1400m通過1:27.10(FA12.44)
後1000m61.59(FA12.32)
昨年のシャンティイでの凱旋門賞から振り返る。この時の公式のレースラップがはっきり言って明らかにおかしいので当てになる部分だけ見ていく。まず1400通過は1:27.1。これもおかしい可能性があるので厄介だが、ここから走破時計と逆算してハロン平均をとると、前半7F-後半5Fで12.44-12.32なのでほとんど平均ペース、としてみていいと思う。細かいラップ推移が無いので何ともだが、目視推定の前提で3~4角でちょっと息が入っているかなという感じ。重馬場で前半のパワー型基礎スピードと後半のポテンシャルの両面を問われた一戦だと思う。
2番枠から好発を切って様子を見ながらまずは先行する、包囲網を敷かれる形だったがすっと外に出してから上手く番手外を確保。途中で少し折り合いで苦労し、オーダーオブセントジョージを行かせて後ろで壁を作る。そのまま3角の下りでも壁を作って我慢、ここらでペースが少し落ち着いた中で外から押し上げてくる馬もいるがここから4角の上りにかけても我慢して直線。序盤で2列目からまだ仕掛けを待っているのに楽に抜け出す。そのままL2で先頭に躍り出ると後は誰も追い縋れず、クロスオブスターズが若干詰めたが2馬身半差ほどの完勝だった。
デットーリの上手さも当然光ったが、やはり特筆すべきは馬の操縦性の高さにあると思う。詳細なレースラップがなくあくまで目視で、となるがいわゆる中弛みのケースになっていると思う。前半は速く大厩舎以降の3~4角の下り上りでペースダウンしていたんだろうと。実際3角下りで後続が少し詰めてきて凝縮していたからね。そこで前目で我慢して直線でしっかりと加速して抜け出しポテンシャルで押し切った。多分だけど目視推定でみてL3の直線前半最速だと思うし、ポテンシャルの高さを見せた。また基礎スピード面でも少なくともバランス的にはこの流れに前目でしっかりと乗れていたので前後半どちらも高いレベルだったと思う。勝つべくして勝たれてしまった感じ。
KGⅥ&QES(GI)
アスコット芝2400m稍 10頭7番枠
2:36.22
欧州競馬はラップが無いので分析が難しいが、キングジョージを振り返っておく。アスコットの2400m戦、時計が示す通り(FA13.02)かなり時計が掛かっていておそらく稍重でも力の要る馬場で後半のポテンシャル戦なのかなと。
7番枠から好発、無理せずに控えて2列目での競馬となる。そこから逃げ馬の後ろで壁を作りながらボトムに向かって下りで折り合いに終始。そこから逃げ馬が少し離す形になり、前にスペースがある状況で離れた2列目の内で無理せず折り合い、徐々に馬場の良い外に誘導しながら集団の先頭で最終コーナーに入る。最終コーナーで先頭列3頭の外から直線。序盤で追い出されてからしぶとく伸びて先頭に立ち1馬身差。L2地点でさらに突き放して2馬身差ほど。L1でさらにユリシーズを突き放しての圧勝だった。
ラップ推移が無いので何とも言えないが、後半勝負なのは間違いないのかなと。逃げ馬を遊ばせて実質的に集団の先頭を引っ張る形、最終コーナー終盤からじわっと逃げ馬を目標に押し上げていって先頭列から直線最後までしぶとく長く脚を使って突き放した。このユリシーズが昨年の凱旋門賞でも3着、力通りといっていいと思う。
セプテンバーS(GIII)1着
ケンプトンパークAW2400m 4頭1番枠
2:30.57
前走のセプテンバーSも振り返っておきたい。オールウェザーの2400m戦と少し判断が難しいところはある。ラップも全く分からないので何ともだが直線でクリスタルオーシャンと3着以下はぶっちぎっている。
1番枠から好発を切って楽々ハナ。そこからは抑えながらコントロールして無理せず進めていく。道中も折り合いながら進めて特に変わらず3角。ただ3角手前から徐々に後続を離し始め、食らいつくクリスタルオーシャンと2頭の戦いで直線に。序盤で追い出されてすっと反応してクリスタルとの差をじわっと広げてL2で2馬身ちょっとの差。そのままL1まで維持してしっかりと突き放しての完勝だった。
まあラップが読めないので何とも…だが一応頑張ってラップタイムで計測してみた。ただ直線地点ではないし角度もあって見づらいので悪魔に参考程度に。マイル通過で大体101~102秒ぐらい(101.5としてFA12.69ぐらい)そこから多分L2で最速で、ここでまず10秒台に入っているんじゃないかな…という感じ。L2のハロン棒が合流地点の兼ね合いで正確にみることができなかったけど、トップスピード面も見せてきているといえそう。オールウェザーだし手動目視の計測も全然当てにはできないけどね。ヨーロッパはマジでこの辺を何とかしてほしいなあ。1000通過とかその辺の目印があるだけでも助かるんだけどそういうのも見当たらなかった…。
凱旋門賞2018への展望
正直言ってあんまり隙が見当たらない。まだ昨年はペースが上がってどうなのか?とか思えたけどそれを克服しての圧勝だったわけで。またトップスピード戦でもどうかな?と思ったが脚部不安明けの前走セプテンバーSではオールウェザーといってもかなり速い脚を直線で使ってきていると思う。多少折り合い面で苦労するところを見せるが基本的には基礎スピードを持っていてコントロールもできる、ギアの上げ差がができて速いラップも踏めてポテンシャル戦でも強いという完全無欠ぶり。愛チャンを勝ったロアリングライオンも回避したし、前哨戦で強かったヴァルトガイストもクロスオブスターズ比較でみて強敵だとは思うがそれぐらいかなと。前受けできる、ギアの上げ下げが上手いし正直出遅れとかそういった不可抗力以外で崩れるところが想像できないかなあ。今回も中心となる一頭だと思う。
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