2019/02/02
第97回 凱旋門賞(GI)出走予定馬展望
日程:2018年10月7日(日)
発走予定時刻:日本時間23:05
コース:ロンシャン芝2400m
予想用・出走予定馬一覧
クリンチャー(武豊騎手想定)
今年の京都記念で同期のダービー馬・皐月賞馬を共に撃破したクリンチャーが武豊とのコンビで凱旋門賞に出走予定だ。前哨戦のフォワ賞では6頭立てのレースを果敢に逃げて主導するも殿負け。苦しい初戦となったがこれを糧に本番で大番狂わせなるか?日本馬の意地をみせたい。
まあフォワ賞に関しては正直敗因ははっきりしていて、力負けというよりも全体のペースが遅すぎて後半のトップスピード持続戦に特化しすぎた。キレ負けもだしTS持続でもだし、あの競馬では勝機はない。この馬の持ち味であるしぶとさを活かす競馬、そのための前哨戦だと思いたい。4000勝騎手の力を今こそ。
京都記念(GII)1着
京都芝外2200m重 10頭4枠4番
2:16.3 63.0-60.7 S^2
12.5-11.5-13.3-13.0-12.7-12.6-12.2-12.2-12.2-11.8-12.3
まずはアルアイン・レイデオロと同期のクラシックホースたちを撃破した重馬場の京都記念から振り返る。ペースは2.3でかなりのスロー、そこからの2段階加速でL2最速11.8と速いラップを要求されないポテンシャル戦だった。
4番枠から五分のスタート、押していたがなかなか前には行けず離れた中団ぐらいからまずは入っていくが1角までにかけてじわっとリカバーして4番手まで上げていく。道中もスローの流れで3列目の内、我慢しながら進めていたがレイデオロが上がったことでじわっとペースアップ。3~4角では最内を通して2列目、クロコスミアの後ろを通しつつ4角で手が動いて直線で中目。序盤は少し反応が鈍かったが徐々に伸びて先頭列に近いところ。L1で内で粘るモズカッチャンを捕えてしっかりと抜け出し1馬身差完勝。
力の要る馬場でスローでも後半のロンスパになったし速いラップを要求されなかったのがまず大きい。この馬の良いところはやはりこういうタフな流れでそこまで瞬間的に速い脚を要求されない流れでポテンシャルを発揮できるところだろうと思う。これをイメージして基本的には入ってほしい。
フォワ賞(GII)6着
ロンシャン芝2400m良 6頭4番枠
1:32.13-1:54.75-2:02.26??(目視2:06.42)-2:17.40-2:28.74
クリンチャーの走破時計がちょっとわからないので何ともだが、1400通過が平均で13.16、そこから後半5Fで56.61、ハロン平均で11.32なので極端なスローペースなのは間違いない。仕掛けのポイントもおそらく早くなったしそのうえでL2最速という感じかなと思う(公式の400m地点の通過がおかしいのであくまで推定)。
4番枠から好発を切って様子を見ながら、最終的にはハナを取ってレースを進めていく。ただ前半はムリせずスローの流れを作る。3角下り地点でもまだそこまで上げず、フォルスあたりからペースを上げていくような感じで早めに後続の脚を使わせる形を選択。直線に入ってから追い出されるがいまいち伸びない。L2の段階で4番手に下がると、L1では下がり切った。
まあ殿負けというのはつらいけど、正直言って展開的には全くかみ合ってないし、調教だと思って良いんじゃないかなと。後半の方が圧倒的に速いバランスになっていて5Fで11秒半ばを刻みつつL2辺りでかなり速いラップを要求されている感じ。日本で言えばスワーヴリチャードにとってベストの展開、という中でクリンチャーでどうこう、というのは難しい。仮に日本で同じような展開になったとしてもかなり後ろの方になると思う。なのでまあ敗因ははっきりしている。あとはこの競馬を武豊が敢えてやったのか、という点かな。前哨戦で本番に向けてノーマークで入りたい意識もあったと思うし、フォワ賞直前でかなり気負っていたのもある。その辺を本番に向けての準備として行っているのであればそんなに悲観する必要はない。もちろん本番でこの競馬をやっては結果が出ないのは必定だろうと思う。
皐月賞(GI)4着
中山芝内2000m良 18頭8枠16番
1:58.1(+0.3) 59.0-58.8 M
12.1-10.8-12.2-11.7-12.2-12.4-11.9-11.4-11.4-11.7
ここでは皐月賞を振り返っておきたい。中山の2000で超高速馬場、中盤で少し緩んでそこからの4F戦という感じだが前半が速かったし早めの仕掛けの影響もあって最速11.4とそんなに速くない。
16番枠からまずまずのスタート、そこから押して押しての先行策で最初は好位にいたが1~2角まで含めて押し上げて2列目の外。そこからコントロールして進めていたが中弛みの展開、3角で先頭列に並びかける。そのまま4角で仕掛けて先頭で直線。序盤でそこから追い出されて食らいつくがじりじり下がる。L1も踏ん張っているが4着まで。
ここでは超高速馬場の中で前半の基礎スピード、後半のポテンシャル面のバランスを問われた一戦。その中でしっかりと流れに乗っていけたし、それでいて再加速して長く脚を要求される形でも最後まで踏ん張ってはいた。上位勢には内容的に完敗だけど、結果的に春の天皇賞や阪神大賞典でも強かったわけで、2000はちょっと短かったと思う。それでもこのペースで勝負の舞台に上がれていたんだし、2400mを考えるならやはり距離を怖がらずにもっとペースを作っていくことが求められる。
凱旋門賞2018への展望
まあ相手が強いのは間違いない。前哨戦のフォワ賞で敗れたヴァルトガイストだけでも厄介なのに昨年の凱旋門賞馬エネイブルという壁も大きい。クリンチャーの競馬に持ち込んだからといって好勝負できるかどうかはわからない。ただし、少なくともフォワ賞のようにドスローにコントロールして決め手で、となると難しい。それにラップ推移から考えても少なくとも今のロンシャンは速いラップは普通に出る。重くてタフ、というイメージはラップ推移から考えれば捨てたほうがいい。2400mでドスローとはいえ後半5Fで56秒台が出るなら日本で考えれば超高速レベルになってくる。馬の力の違いもあるとしても、以前のようなコテコテのヨーロッパをイメージしないほうがいいだろう。もちろん良馬場に限ったことで、雨が降れば即座に時計がかかるのが欧州なのでその辺りの切り替えは重要。良馬場という前提ならばやはり全体のペースを引き上げてしまったほうがいい。ここ最近、特にシャンティイで行われた凱旋門賞は前半から流れていたし、その辺も思い込みは禁物だが全体である程度タイトな流れに持ち込めないとクリンチャーの良さは発揮しづらい。リスクを背負ってレースを作らないと、後半で速いラップを要求されてフォワ賞の二の舞になる。多頭数にはなるしフォワ賞はポンと出たがゲートが安定するタイプではないので包まれてスロー、という形にならないような最序盤のアプローチが欲しいかな。相手が強いのでどうなるかは神のみぞ知る、というところだがクリンチャーの良さを引き出さなければ勝負にはならない。4000勝ジョッキーの神髄を見せてもらいたい。
重賞予想解説者:北条直人
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単勝:87% 複勝:100% 馬連:66.7%
ワイド:91.3% 3連複:54.2% 3連単54.2%
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単勝:79.2% 複勝:95.8% 馬連:45.8%
ワイド:75% 3連複:41.7% 3連単41.7%
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単勝:87.5% 複勝:100% 馬連:62.5%
ワイド:83.3% 3連複:25.0% 3連単25.0%
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平均の約3~4倍、、
さらに、的中を重視したいときには「的中率90%の反則技指数」、高配当を狙っていきたいときは「魅せる穴馬HitMake」と使い分けることができる。このあたりは、その時々のお財布事情次第で使い分けるとよいとは思います。