スプリンターズステークス・ナックビーナスの敗因分析

中山芝外1200ｍ稍

1:08.3 33.0-35.3 H^3
11.7-10.3-11.0-11.3-11.5-12.5

名手モレイラとのコンビで２番人気に支持されながらも７着に敗れたナックビーナスの敗因を分析していく。

７着12ナックビーナス（モレイラ）

好発から押して押しての先行策も内のラブカンプー、ワンスインナムーンの方が速く恐らくＢプランで２列目外。３～４角でこの２頭を見ながら３頭分外を通して直線。序盤で追い出されてラブカンプーと併せ馬でジリッと前との差を詰める。しかしＬ１の坂の上りで甘くなると最後は後続に飲み込まれて７着完敗だった。

まずひとつ前提として想定する馬場より２段階ぐらいは軽かった。もうちょっと雨の影響を考えていたんだが、直前でかなり降ったにも関わらず10Rでも８秒台、このスプリンターズＳでも1:08.3で想定より１秒近く速い。そして入りの３Ｆが33.0。

これね、結構既視感がある現象で、しかも結構最近なんだよね。セントウルＳのネロとラブカンプーの関係性に近いのよ。台風の影響で重馬場で力の要る馬場、33秒台後半でもハイペースになるだろうしそれぐらいの前半の質で足りるだろうと。と思ったらラブカンプーやワンスインナムーンが引き上げて33.0で入っちゃった。正直これが想定外だった。ネロもこの馬もそうだけど、ハイペースのバランス自体は得意、だけど力の要る馬場で質的に要求されないという前提が必要になってくると思う。キーンランドＣも２秒のハイだけど入りが33.7だからね。

今回は重い馬場自体は問題なかったというかむしろ追い風だった。だけど、騎手の意識がほとんど馬場に補正されず、近年のスプリンターズＳ（昨年なんか良馬場でも入りが33.9だからね）の中でも強気の入り方になってしまって、重馬場なのに基礎スピードの質的なものを要求されてしまったのが敗因としては大きいと思う。

あともう一点、どうしてもラインスピリットの好走が解せなくて（追い切りは確かに良かったんだけど…）、10Rの前目内目の結果、このレースの上位勢を踏まえて考えると雨の影響があっても結構内有利だったんじゃないかなと思っている。その中でハイペースをついていって３～４角で先行勢の中ではロスの多い競馬になったのも最後の甘さに響いてしまっているかもしれない。

ただ、個人的にはもうちょっと雨が降って前半のペースが絶対的に遅くなっていたら…というのが一番大きいかな。なので負けたけど納得の負け方ではあると。このパターンだけ危惧していたんだが、見事にそうなってしまった感じ。

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