第53回 札幌２歳ステークス(GIII)出走予定馬展望

日程：2018年9月1日(土)
コース：札幌芝1800ｍ

予想用・出走予定馬一覧

クラージュゲリエ（M.デムーロ騎手想定）

新馬戦では直線で鮮烈な切れ味を披露したクラージュゲリエが札幌２歳ステークスに出走予定だ。すでに札幌1800ｍの舞台で実績を残しているのはアドバンテージだが、開幕週と最終週の違いはある。今の消耗しやすい馬場の中でもこの切れ味を引き出せるかどうかが焦点だ。

新馬戦のパフォーマンスは非凡といっていいが、あくまでドスローの中での切れ味、という点に尽きる。今の馬場だと48で入ればハイペースになる可能性が高い、というぐらいには時計が掛かっているので、その中で追走に脚を削がれないかどうか。ダービーは面白いと思うけど、皐月賞路線を考えるならここでやれないとな、という感じ。

新馬戦１着

札幌芝1800ｍ良 10頭８枠10番
1:54.2 54.3-47.1 S^7
12.6-12.9-14.7-14.1-12.8-12.5-12.0-11.3-11.3

新馬戦は強い勝ち方だったが展開が相当特異だったというのも頭に入れないといけない。ペースは7.2で異常に遅い。２角では14秒台に入っているように極端。そこから徐々に加速しつつだが結局は２Ｆ戦。その中で一頭だけ違う脚を使った、ということ。

10番枠からまずまずのスタートだが二の足はそこまで速くなくてひとまず好位の外。ただ２角辺りで極端に遅くなったので前に壁を置いて我慢しているうちに外からポジションを上げてくる馬がいてポジションダウンとなる。団子状態の馬群の中で包まれて動けないまま、下げつつ後方で３角。３角でもまだ馬群の中で包まれて動けず苦しい状態。４角でもじっと我慢しながら出口を見つけて促してここで一気に加速したので外に振られて直線。序盤でそれでも伸びて２馬身差ぐらいまで詰めると、Ｌ１でグンと来て最後は楽勝だった。

Ｌ２の４角出口地点でようやく進路ができて、そこからの加速性能でしっかりと突き抜けた形。流石にコーナーで一気の加速、となったので出口でロスがあったがそれでもレースラップで11.3の地点となる直線Ｌ１で11秒前後の脚を使ってきているわけで、トップスピードの質の高さを見せたと同時にＴＳ持続力で底をみせず。またギアチェンジも見せた。ゲート自体は良かったし、二の足はそれほどでもなかったがこのあたりは徐々に慣れていけばという感じかな。素材としてはかなり面白いものを見せたと思う。

2018札幌２歳ステークスへの展望

血統的には父キングカメハメハ、母父タニノギムレットになる。プロフェットが全兄にいるが、ハービンジャーとの配合になるのであまりあてにはしづらい。配合的にヌレイエフのインブリードが12.50と結構強めなので、ある程度パワー型で基礎スピードを秘めている可能性はあるかな。ヌレイエフのインブリード持ちのキンカメ産駒は結構力の要る馬場で基礎スピード勝負、ポテンシャル勝負、という適性を持っている馬も多いからね（ミッキーロケットやトゥザヴィクトリー産駒なんか）。血統的には意外と大丈夫かも？とは思う。

ただし、個体でみても流石に新馬戦から基礎スピード面での不安は払拭できないし、圧倒的なパフォーマンスだったし、あの時の馬場で仕掛けを待たされて出し切れずに34.0、スムーズに仕掛けられていたら33秒台はまず間違いなかったと思う。それぐらいの後半のトップスピードの質、持続力、また極端な高速馬場ではない中で出せたというのは大きいし、これだけ見ればクラシックを意識できる。あとは全体のペースが上がってどうかだし、今の札幌1800で11秒前後のラップなんかはまず要求されない。前半から48で流れればおそらくややハイぐらいのバランスになってしまうと思うし、その流れで脚を削がれないかどうかはどうしたってリスクが出てくる。ナイママ辺りよりパフォーマンスは上だけど、適性的な問題は今の札幌ではどうしても出てしまうかな。ウィクトーリアとの比較でみるとそれより上という評価は危険かなと思う。楽しみな馬なのは間違いないんだけどね。

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