競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

札幌記念 2018 レース回顧・結果:サングレーザー、福永が我慢の競馬、進路確保からぐんと伸びて接戦を制す!

time 2018/08/19

毎週日曜の22:00からツイキャスで札幌記念など重賞回顧ライブを行います。ラップや騎手など様々な観点から次のレース予想に繋がる回顧をお届けしますので、ぜひお聴きください。ライブ前にコメントで質問、レースの流れで気になったこと等を書き込んでもらえたらありがたいです!

http://twitcasting.tv/c:nandecas

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2018札幌記念のレース回顧・結果

札幌芝2000m稍

2:01.1 59.1-62.0 H^3
12.5-10.4-11.5-12.1-12.6-12.4-12.0-12.6-12.5-12.5

札幌記念のレース回顧は随時更新予定です。レースを見たときは熱いものを感じたんだけど、やっぱり冷静にみるといろいろと物足りないかなという面もある。まず時計が非常に遅い。同日の500万下(牝馬限定)でも2:02.3で、バランスでみても61.1-61.2と平均でそれなりには出している。想定は1:59.0だったが流石にそれは速すぎたにせよ、土曜、日曜通してみてもこれだけのメンツなら59秒台後半ぐらいは期待していたんだがなあ。

ペースは2.9なので超ハイペースに。道中少し息が入ってのL4最速なので後半はポテンシャル戦ではあるんだが、やはり基本は前半のパワー型基礎スピードが問われている…にしてももうちょっとって感じはするかなあ。上位の上がりを見てもわかるように消耗度合いがきついね。一応3~4角で減速していて脚が余っていた馬はここで待たされるとリスクはあったと思う。

1着02サングレーザー(福永)

まずまずのスタートを切ってどうするかな?と思っていたが下手には下げずに各馬の隊列の様子を見ながら中団のうちでしっかりとポジションをとる。道中の折り合い面も流石に少し掛かり気味ではあったが壁を作ってコントロールしてしっかりと進めて3角。3角辺りが最速ラップだが、ここで中団の内目で我慢しつつ、4角で外から動いた馬が押し上げる中でこちらはスペースがなく中団馬群の中で待たされて3列目で直線。序盤で広がる隊列の真ん中で仕掛けを待ち、進路が空いた瞬間すっと伸びてきて最後はしっかりとマカヒキ、モズカッチャンを捕えた。

福永上手かったなあ…。正直4角辺りから詰まるかなと思ってみていた。前が広がっていたし消耗戦気味の感じの広がり方だったからね。ただそれでも我慢して直線まで冷静だったなと思う。そこから進路をとってからの伸びはすごかった。まあもちろん後半は12秒台半ばのラップだから、余力があればすぐに伸びてくるというのも納得だけどね。そして地味に映るけど最序盤のポジション取りは個人的にはちょうどいい、理想的なところを取ってくれたと思う。結果的にあのペースならもう少し後ろでも良かった可能性はあるけど、この馬の前半部分を信じて下げすぎず馬の気分に任せたのは良かったと思う。どこを取っても良い騎乗だったんじゃないかな。いずれにせよここまでハイペースになると基礎スピード面で優位に立つのでマイラーの良さが出たかな。力の要る馬場も合うし、2000への延長でも一発回答だった。とはいえここをどこまで評価できるかやね。例えば天皇賞秋とかだと流石に良馬場ならこういう競馬にはならないし、これでも少しハミを噛んでいた所はある。まともな流れで後半勝負になった時にどこまで通用できるか?というのはあるかな。折り合いを意識しなくていい内の方がいいと思うんだけど、安田記念を意識しすぎて中距離でもスローで仕掛けが遅くなった場合に対応できるかどうか。今回はすぐに反応できたけどこれは流れの問題があったから。緩い中でトップスピードが問われる条件で加速していく、というのができるかどうか。この辺が今後中距離路線を走っていくうえで重要になると思う。一応今のこの馬の適性を考えると1800ぐらいで流れるのが一番よさそうな。今年のドバイターフとかに出ていたら面白かったかもしれない。まあちょっと時計的には平凡なのでそこをどう判断するかはあるけどね…。距離自体は2000は少なくともこなせることは証明できたと思う。

2着05マカヒキ(ルメール)

五分のスタートだったが二の足が遅く最後方近くまで下がってしまう。道中も最後方モズカッチャンの一つ前、というかなり後ろからの競馬。道中もかなり縦長の状況で後方で進めながらだが徐々に前がペースを落とすので向こう正面で少し差を詰めて3角。3角最速という流れで中団外に取り付いて脚を使いつつも差を詰める。4角で大外をぶん回して力を信じて直線。序盤で中団列からじりじりと伸びてきて流石ダービー馬、と思わせるも最後はサングレーザーに脚を使われて2着惜敗。

かなり厳しい競馬だったが3角はともかく4角では前も落としていたからね。そこまで極端なロスとは思ってない。ただ地力で2着に来たか、という感じの内容。ただやっぱりこの一戦自体そこまでハイレベルとは思えない内容ではあり、時計的には平凡なのがどうなのか。この中では普通に一番強い競馬をしたといってもいいんだけどね。厳しい流れの中で最序盤のポジショニングには苦労したし、前がこのペースで勝手に崩れた面も否めないから何とも言えないね。サングレーザーは内を立ち回ってすっと反応して強かった、といえるけど2000は初めてで比較が難しい。モズカッチャンやこの馬がハイペースでそこまで強いイメージはないし、サウンズオブアースやスティッフェリオ、ハイペースに弱いサクラアンプルール辺りでもやれてるからね。昨年の天皇賞秋とかでもやれているから、まあ今現在の力関係としてはこんなもんかな。少なくともこのレベルで勝ちに行って勝ち切れるほど素材的に高いレベルにはないし、トップスピード戦でのパフォーマンスを戻さないとGIで勝ち負けするにはちょっと足りないかな。昨年毎日王冠のパフォーマンスからもう一段は上げてほしい。要所の切れ味が本来はこの馬の一番の武器だからね。ここを取り戻さないと復活はない。何とかもうひと頑張りしてほしいかな。ここ数年ダービー馬が不甲斐ないから。

3着15モズカッチャン(M.デムーロ)

やや出負けして追走しかけたが諦めて最後方、内を狙う。道中もかなりハイペースの流れで最後方で進めながら3角でもまだスペースを保ちつつ内目を我慢。4角でもまだ内で我慢しながら我慢してサングレーザーの後ろから直線。序盤でそこから外に誘導してスペースを拾って好位列。L1で出し切ってからの強襲、鋭く伸びてきたが3着確保。

札幌記念は予想的にはイマイチだったけど、このモズカッチャンの3着だけは自分を褒めたい…。昨日の新潟もそうだけど、ミルコを理解できているなと感じる瞬間ではある。モズカッチャンではミルコは絶対我慢して一瞬の脚をできるだけ残そうとする。今回は3角地点最速だがここで押し上げていかずにじっと内で我慢して、4角でもサングレーザーの後ろというある程度あてになるところから直線で外まで持って行く。コーナーワークで脚を使わずポジションを上げることで要所の一足の鋭さにつなげてくる。馬の適性を分かったコース取りだし、最序盤で無理をしなかったのも正解だったと思う。この馬でやれることをすべてやったうえでの3着かな。逆に言えばやっぱりもうちょっと楽に前を取れる条件が必要だし、要所での機動力の良さを活かすためにも前半のポジショニングは本来は必要なタイプだと思う。悪くはない3着だけど、この競馬で良馬場でとなると難しいからね。オークスやエリ女のようにある程度位置をとって要所に鋭く脚を使って勝負を決めたいと思う。その点でも走破時計からも3着まで来たのは割り切ったミルコの乗り方と、この展開でのレースレベルに恵まれた感は否定できないかな。

4着12サウンズオブアース(藤岡佑)

やや出負けしてそこから押して追走しつつ後方馬群の中でサクラアンプルールを目標にしていく。道中も後方内目で我慢しながら後方列のまま3角へ。3~4角でもサクラアンプルールをマークするような感じで直後をとって直線。序盤でサクラの外からしっかりと進路をとってじりじりと伸びる。しかしL1では流石に上位勢に見劣って争覇圏内からは1馬身後ろの4着だった。

う~ん…まあ復活といっていいのかどうか、去年の札幌記念もそこそこ走っているので何ともだけど、藤岡佑介も良い騎乗をしたし内容的には前3頭には完敗だし…という感じ。本来この馬にとってここまでハイペースは良くないんだけど、先行勢で踏ん張れた馬が不在だったこと、時計的に遅い決着になったことで無理せず脚を残していたことが正解したパターン、かつサクラが早めに動いてくれたことで進路が上手く取れたのも大きい、という感じで…。正直この一戦だけで復活か?といわれると微妙…というのが答えになるかな。この馬やサクラ辺りでもそこそこやれちゃったハイペース…というのはレースレベルとしてあんまり高く評価しづらい。もう一戦様子を見たい。

5着10スティッフェリオ(丸山)

まずまずのスタートを切って先行争いに加わり、最終的には好位ぐらいで進める形に。向こう正面で前が速いとみたか無理せず好位の中目のスペースに入れて3角。3角でも結構楽な感じで好位外から動いていきネオリアリズムに並びかけてくる。4角で外からサクラが来たのでここで一気に仕掛けて直線。序盤で追い出されるが思ったよりは食らいついて踏ん張る。L1で一瞬だけ先頭列に並びかけてきたが最後は明確に甘くなっての5着完敗。

まあこの馬の現状を考えればこれで十分なんだろうと思う。前目では一番頑張ったわけで、先に動いたサクラアンプルールは差し返しての5着だからね。ただ前述の通り、時計が平凡で力の要る馬場でのハイペース、という条件では結果的に低調なメンツだったといえると思う。これでいきなり好メンバー相手に5着でローカル重賞でも…とは思わないほうがいいかな。もうちょっと様子を見ないといけないと思う。個人的にはもうちょっと距離は短い方がいいと思うんだけどね。瞬時の一足は悪くない感じだし、基礎スピード面もそこそこ良いものを持っているから1800辺りで積極策で見てみたいかな。

13着14ミッキースワロー(横山典)

出負けして最後方近くからだが思ったよりポツンはせずにある程度促して中団の外まで押し上げていく。道中も中団馬群の中目で我慢しながら3角へ。3~4角でも中団馬群の中目で我慢、進路がない状況で直線に入る。序盤で下がったことでスペースが生まれそうになるが不利を受けて下がる。最後はあきらめた。

モズカッチャンにカットされたのが決定的な敗因にはなるんだけど、進路取りのイメージが珍しくノリにしてはイマイチだった。こういう不利を受ける中に入ってしまったのが痛かったかな。あの流れで中団中目でとなると微妙だし、せめてサングレーザーの後ろを取れていたらよかったけど3~4角でその外だとその後ろはあてにしづらい。福永はあまり外に出さないからね。その辺も踏まえて騎乗的に不満が多いのは間違いない。ただ流れるとそもそもだけどこの馬でやれることって少ないとは思うし、要所の良さを活かすために仕掛けを待ちたいのでイメージ的にはミルコに近い競馬をしているんだけどね。結果は別にして。ノリも結局この馬に対して前半の基礎スピード面でそこまでの自身は持てなかったということだろうし、この流れで脚を使えたかどうか?というのが結果的にわからないね。あの感じだと微妙だと思ってるけど。流れ切って良いタイプではないと思うね。

14着08ネオリアリズム(モレイラ)

五分のスタートから二の足よく思ったよりモレイラが主張、先行策をとってくる。最終的には3番手で進めて道中も特に無理なく追走しながら3角へ。3角でペースが上がった時に手が動き出すが反応が鈍い。そのまま4角でかなり追われるものの反応できないで接触でひるんで終了した。

まあ、仮に接触がなかったとしてもあの感じでは難しい。ペースは結果的に59.1-62.0とバランスとしては非常に速かったのでここまでくると苦しかったか。ただ良いころのこの馬ならこのペースでここまで要所で反応できないはずはないからね。良いころにはないんだと確定しないといけないね。ここまで崩れる展開・馬場ではなかったはず。内容的にかなり不満がある。本命対抗の二択を間違えるのが自分の反省やね…。直近のパフォーマンスをしっかりとみないといけない。

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≪GI馬主・佐々木主浩≫
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何悪。分析note2023



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