競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

北九州記念 2018 レース回顧・結果:アレスバローズ、菱田のイン捌きズバリでサマースプリントキングへ王手!

time 2018/08/19

2018北九州記念のレース回顧・結果

小倉芝1200m良

1:06.6 32.4-34.2 H^2
11.6-10.2-10.6-11.2-11.3-11.7

超高速馬場でアグネスワールドのレコードに0.1まで迫る結果に。ペースは1.8でかなりのハイペース、ラップ推移的にも終始減速ラップとなっていてL1が11.7。割と単調な基礎スピード戦だがかなり軽いので基礎スピードも質が求められたかな、という感じ。アイビス組が来たのもそういった要因があるかもしれないね。

1着05アレスバローズ(菱田)

五分のスタートから促しつつある程度ポジションをとっていく。最終的にはダイアナヘイローの後ろぐらいで中団と良い位置を確保。3~4角で前のダイアナの内をうまくとって窮屈ながらも2列目に入ってくる。そのまま直線で捌ききって抜け出すと後は独壇場で完勝だった。

かなり強い競馬になったが、多分これがベストのバランスだったんじゃないかなと。超高速馬場で小倉1200だと前半はどうしてもペースが上がるしスペースも取りやすくなるから出していっていい位置を狙っていける。基礎スピード自体は持っているので前半ハイペースをついていっても脚を使えるのが魅力やね。3~4角で前が下がってきてスペースが窮屈になった時に一瞬嫌な予感はしたんだけど、うまくダイアナヘイローの内のスペースをこじ開けてから待てたし、そこから直線での進路取りは完璧だったと思う。不安とか言ってごめん菱田君、ナイス騎乗やったと思う。スピードに乗った状態で馬群を捌くのが上手いのと、スピードをコントロールしている状況から加速していく進路を作っていくのとは少し別だと思っていて、今回はスピードに乗った状態で維持しながら捌く形になった。この辺は上手い騎手が多いけど、加速していく過程での進路のイメージを作れるようになると菱田君はなおよくなると思う。スランプだったと思うし、これをきっかけに浮上してほしい。馬はやっぱり単調に流れてスペースがあって消耗戦で捌き切れれば素材は一番だった、という感じでいいのかなと。

2着11ダイメイプリンセス

五分には出てそこから押して押しての追走、思ったより前に行けて中団の外目で進めていく。3~4角でも外々を回して好位まで取りついて正攻法で直線。序盤でしぶとく伸びて2列目、粘り込むラブカンプーにL1で襲い掛かるが内からするっとアレスバローズに来られてラブカンプーを捕えるも2着まで。

普通に強い競馬ができているなあ…という感じ。もちろんここまでハイペースで終始減速ラップだと3~4角で前も落ちてくるので自然と拾う形になったとは思うし、1200だと本質的にはこういう感じで前が下がってくるところを拾いながらばてずに差し込む形になるんだと思う。CBC賞では位置取りが悪すぎたのはあるし、それを修正して良い位置をとって前を向いて3角に入っていけたのが最大の好走要因かもしれないね。コーナーのある1200がどうかだったけど、出来の良さとゲートを克服して高いレベルで対応してきたんじゃないかな。55kgを背負ってこれなら立派。サマースプリントを狙ってセントウルSを使うとなるとちょっと条件が必要になってくるかも。内枠だと消したいタイプやね。阪神だとコーナーがきついから内で立ち回るには器用に減速しない、加速ができるタイプが欲しいからその辺は微妙で外から今回みたいにスピードを維持する形の方がいいと思う。キングヘイロー産駒は芝もダートも走るし不安定だけど長く走れる馬が多い、いい具合に頑張ってくれるので生産者の方々、種付よろしくお願いします…。ゲレ様だけだと後継が心配やね。ダンブレ系は昔から牝馬に強い馬が出ることが多いのが…。

3着09ラブカンプー(和田竜)

好発からスッと押してハナを主張も、内のゴールドクイーンの方が足が速いので控えて2列目外から先頭列に並びかけて3角へ。3~4角でも3頭分外でロスがある状況、4角で先頭に立って直線となる。序盤でしぶとく抜け出しを図るが内外から強襲を受け最後は踏ん張り切れずも3着確保。

枠がね…ゴールドクイーンが速い馬だし、ナインテイルズも競ってきたからどうしても3番手外で先頭列となると…。3~4角でのロスでも特に3角地点で速いラップをまだ踏んでいたからここが最後の踏ん張りがきかないという点で痛かったかな。ただし、普通に今回の上位の面々の中でも強い競馬をしての3着だし、斤量も51kgと軽かったといっても3歳勢では最先着。この競馬で先行で粘るというのはかなり難しいと思うし、ハイペースのバランスでもやれたのであれば本物だとみてよさそう。追い切りはあまりよく見えなかったので狙えなかったけど、やっぱりこういう馬は怖いね。古馬との戦いでパフォーマンスを上げてきている馬はこれまでの傾向にこだわりすぎるのは良くないかもしれない。

4着10グレイトチャーター(松山)

少しタイミングが合わない感じでやや後手もそこまで悪くはない、そこから押していって追走も後方からの競馬。徐々に押し上げ3~4角でも中団内内で脚を残しながら内目を立ち回って直線。序盤でうまく抜け出すアレスバローズの後ろをとる。そのまま最後までなだれ込んで4着を確保した。

ほぼ完璧な騎乗に近い。これ言葉で伝わるかどうか自信はないんだけど、4角の立ち回りがかなり神っぽいんだよね。アレスバローズの直後を4角の段階で取ろうとするとそこで今のスピードを落とさないといけない。4角の段階ではアレスが捌ける保証は全くない状況なので、こちらは4角で少し外に持っていってスペースを拾いながらスピードを落とさずに入る選択をとる。コーナーワークでアレスは前に出て内を捌き切ったアレスを見てすぐにその後ろに切り替えたのであまり減速せずに進路を確保できた…。考えて乗っているのかどうかまではわからないけど、ここまで単調な流れで余力があるときって今のスピードをできるだけ落とさないことが大事で、多少の距離ロスがあってもスペースに入ってやり過ごすことを優先して一列下げてしっかりと進路を見定めることができたのが上手かったと思う。前にスペースを作るのは何も減速するだけじゃない、コーナーで敢えてロスを作ることで前の列に対してスペースを広げて時間を作る。そういう騎乗だったんじゃないかなと。馬に関しては流石にここでまともな競馬ではちょっと足りなかったと思うけど、これだけの流れに対応して時計を詰めてきたというのは素直に評価していいのかな。

5着06セカンドテーブル(水口)

やや出負けして窮屈、いつもの競馬に持ち込めず苦しい展開となる。道中もリカバーしつつ中団馬群の中で3角。3~4角でも中団馬群の中目から外に持ち出し正攻法で直線。序盤でそこから追われるがやはり地味。L1までじりじりと食らいつくも5着完敗。

う~ん…ハイペースがいい馬だしあの位置でも脚を使ってくるからそれなりには来る。ただ、もちろんだけど本来ならもっと前で踏ん張る競馬が合っているし、アレスバローズの外から3~4角で通したところの差がそのまま直結してしまった感はあるしね。この競馬でとなるとなかなか決定的なものは引き出せない。多少流れが厳しくても前目で進めてほしかったがあのゲートでは難しかったね。

6着14アサクサゲンキ(松若)

五分のスタートから無理はせずに後方に控える選択。道中も前がぶっ飛ばす流れで中団やや後ろで中目を通して3角。3~4角では中目で追走しているが少し置かれながら直線で外。ただ外への進路取りを許されず前のスペースを追う形。L1でジリジリとなだれ込むまでに終わった。

結果的にここまで速いと難しかった感じはある。この馬の走破バランスでも33.3-33.9だからややハイ。CBC賞と比べても自身の入りの3Fで1.2も速いからね。こうなると後半の持ち味であるTS持続を引き出す余力を持てなかった、という感じじゃないかな。本質的に1200はちょっと短くて、少しかみ合わないと難しい印象。ただそれでも何とかなだれ込めたしロスもそこそこあったからね。阪神1400とかならややハイ~平均で脚を使ってこれそうな感じもするし1400の方がいいと思う。

7着03ダイアナヘイロー(武豊)

出負けして後方からの競馬、そこから内の先行馬のスペースをリカバーしながら好位の外まではつけていく。3~4角でも内内で進めて2列目だが詰め切って4角で少しブレーキしながら直線。序盤でそこから進路をすぐに取れるもすぐに下がる。最後までじりじりと良いところなくの7着完敗。

ん~…まあ出負けした段階で乗りにくかったけど、個人的にはちょっと焦ったかなという感じはする。前がかなり速かったのでそこまで無理にスペースを詰めなくても前が勝手に下がってくる、ぐらいの感じでよかったと思うんだけどね。結局早い段階でリカバーして前とのスペースを詰めたことで3角以降の減速でこちらはそれなりに余力があるのに前が下がってくるので4角では明確に手綱を引く、ブレーキする形になってしまったと。ここまで厳しい流れだと前述している通り今乗っているスピードから落ちてしまうとまたスピードに乗せるというのは難しいからね。その辺がちょっとかみ合わなかった。それでも4角出口での進路取り自体は早かった方だけどね。3~4角で十分に前にスペースがあってそこを詰めながら直線での進路確保までうまくはめ込められれば騎乗としては良かったんだけど…という感じかな。ワンテンポ早く詰まっちゃったのがね。まあそれは別にしておいて、ダイアナヘイローにとってはちょっとペースが上がりすぎたと思う。どこかで息を入れたかった流れだったので、どのみち簡単ではないかなとは思っている。

16着01ゴールドクイーン(古川吉)

好発を切って二の足の違いを見せ楽々ハナを取り切る。ただし、小倉1200だとそれでも各馬が下りでスピードに乗せてくるのでペースを支配しきれずかなりのハイペースとなる。3~4角中間地点では手が動いだしてかなり怪しい感じで直線。序盤で早々に下がってしまって最後は流してブービー。

北九州記念は逃げ馬には苦しいレースで、こうやってテンの違いを見せつけても3角までがそこそこ長いし下りでスピードに乗せやすいから絡まれやすい。テンの1F11.6はかなり速いし、普通なら主導権を取り切れて一息入れられるんだけど。この馬の場合は3歳のパフォーマンスを見てもハイペースで押し切る形はそこまで強くなくてフェニックス賞もメンツ的には微妙。もちろんラブカンプーみたいに急に成長すれば別だけど、小倉1200でここまで超高速で32秒台でとなって押し切るのはよほど質的に抜けてないと難しいね。このペースですらアレスバローズやダイメイプリンセス辺りは脚を削がれてないからね。

■■■■■■■■■■■■■■■
“大魔神”の愛称でお馴染み!

≪GI馬主・佐々木主浩≫
【キーンランドCの最終結論】

▼こちらで無料公開!▼

http://www.umasq.jp/?ad_code=mcz03

何悪。分析note2023



Links

%d