第54回 北九州記念(GIII)出走予定馬展望

日程：2018年8月19日(日)
コース：小倉芝1200ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ゴールドクイーン（古川吉想定）

３歳勢が多数出走、その中でも葵ステークスで逃げ切り重賞初制覇を成し遂げたゴールドクイーンが北九州記念に出走予定だ。前走のバーデンバーデンカップでは古馬相手に２着と通用するめどをしっかりと立ててきた。あとは夏の小倉、時計勝負にどこまで対応できるか、軽量を活かし３歳馬旋風を巻き起こしたい。

葵Ｓ組が結構ハイレベルなので楽しみはあると思うんだけど、でも適性的にはやっぱり平均までが合っている気はするんだよね。まず１秒のハイペースは覚悟しないといけないし、逃げて結果を出してきた馬。番手でも悪くはないと思うけど、オーバーペースのリスクは孕みそうかな…。

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第５２回北九州記念（Ｇ３）
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◎ダイアナヘイロー　（３人気）
穴ナリタスターワン（１４人気）

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葵ステークス(重賞)

京都芝内1200ｍ良 16頭２枠３番
1:08.0 33.9-34.1 M
12.1-10.8-11.0-11.0-11.2-11.9

まずは２走前の葵Ｓから振り返る。京都1200らしい競馬になっていて、ペースは平均で収まりコーナーで11秒前後を連続しながらＬ１で11.9と落とすという感じ。３角の上り下りがあるので前半のペースが落ち着きやすく、前後半のバランスが重要だし３～４角で速いラップを踏んでいるのでここでのコース取りが響いた一戦なのは確かだろうと。

３番枠から好発を切って楽にハナを主張、ペースをうまくコントロールする。３～４角ではもちろん最短距離を通しながら11秒前後を維持して１馬身差で直線。序盤で後ろから追い上げてきたラブカンプーが食らいつくが差を広げる。Ｌ１でトゥラヴェスーラも強襲してくるがそれでも１馬身1/4差、楽に残しての完勝だった。

京都1200はシルクロードＳなんかもそうだが比較的逃げ切り勝ちがしやすいコース。テンの速さを活かして主導権を握り平均にコントロール。３～４角のコーナー地点で11秒前後を維持すれば外から動くのが難しいのでここで最内を立ち回ってしまえばアドバンテージは大きい。それを確保できたゲートの上手さ、二の足の速さといったところを評価しないといけないし、後半も11秒前後を維持してきたので平均型の競馬で良さが出たと思う。時計的にも翌日の1000万下尾池特別より0.2速いように結構優秀だ。この一戦は評価していいと思うし、上位勢も結構その後好走しているようにレベル全体も高かったと思う。

バーデンバーデンＣ(OP)２着

福島芝1200ｍ良 11頭１枠１番
1:08.3(+0.0) 34.1-34.2 M
12.1-11.0-11.0-11.4-11.3-11.5

前走のバーデンバーデンカップはタマモブリリアンに差されたものの３着以下は完封と力は見せた。ペースはここも平均で収まっているし、Ｌ３－２と誤差程度に加速、Ｌ１があまり落ちていないように前後半で見ればバランスの良い競馬になっている。そこまで基礎スピードを問われなかったのは確かだろうと。

１番枠から好発を切って二の足良くすっとハナ。そのままペースをコントロールして進め、３～４角でも内から馬場の良い外目に誘導しながら直線。序盤ですっと引き離して出し抜きを狙うが、外から一気にタマモブリリアンに交わされての２着となった。

まあこれを差されたら仕方がないかな、という競馬ではあったかな。勝ちパターンに持ち込めたし少しコーナーでの減速が早かったかなというのはあるがそれでもＬ１まで大きく落としていないし。タマモブリリアンにこの展開で差されたのは正直に言えば意外だが、函館スプリントＳの内容からも向こうが充実期に入っている可能性はある。アイラインやシベリアンスパーブを破っているしひとまず目途は立てたといっていい。ただし、あくまでペースをコントロールできたという条件は付くだろうし、この時点では51kgの軽量の恩恵も受けているので今回の51kgも前走との比較の上では変わらない、という点は考えないといけない。テンも早かったとはいえ12.1、平均にコントロールできたのは馬場の意識と先行争いが楽なメンツだった、というところもある。

フェニックス賞(OP)１着

小倉芝1200ｍ良 10頭８枠９番
1:09.6 34.1-35.5 H^2
12.1-10.5-11.5-11.8-11.6-12.1

ただし、５走前のフェニックス賞は勝ちはしたけど高くは評価できない。理由としては時計が非常に遅いから、といえる。もちろんラップ的に淀みがあるのでもう少し速い時計が出た可能性はあるが、ハイペースだとパフォーマンスが落ちる可能性は考えるべきかなと。

９番枠から好発、内の各馬の様子を見ながら押してハナを取り切る形で少しハイペースになってしまう。３～４角でも楽な手ごたえ、４角出口で仕掛けて直線。序盤で追い出されてしぶとく粘る。Ｌ１まで粘り切っての勝利だった。

時計的にどこまで足りないか。比較として古馬500万下レベルで1:08.4が出る馬場状態、３歳未勝利でも1:08.9が出ている。基本的にこの時点で古馬500万下と同レベルの時計が出れば優秀といって差し支えないが、流石に未勝利に内容的に見劣るようだと微妙といわざるを得ない。もちろんそこからの成長があってのここ２走、という可能性はある。なのでこの一戦だけでまだハイペースがダメと決めつけるのは危険だが、少なくともここ３走は平均ペースでコントロールできてのものでリスクがあるのは確かかな。

2018北九州記念への展望

課題はやはりハイペースへの対応力。ここ２走は前半３Ｆを34秒前後で入れる競馬だった。今回の小倉の1200は基本的に流れやすく33秒前後の入りはまず考えないといけない。余談だが、小倉1200がなぜ前半速くなりやすいかというと、スタート地点が一番高いところにあり、下り坂スタートになることが大きい。そしてゴールまで上り坂を迎えることはないのでスピードに乗せてなだれ込む形が多くなりやすい。これがこの馬にとってどう働くかだろう。ここ２走は評価できるが、今回は非常に相手が手ごわい。特にハイペース型の強敵が多いし、セカンドテーブルやダイアナヘイローなんかはペース自体は速くても良いので同型としては向こうの方が進めやすいだろう。仮に平均でまとめることができたとすれば後半型でそこまでの強敵はいないかなと思う。今のアレスバローズは後傾の競馬でも強いかなと思うが基本は流れたほうがいいと思うし、ナガラフラワーレベルならコントロールできれば十分勝負になると。難しいとは思うが平均～ややハイ程度まででコントロールしてしまえば勝機も出てくるかな。まあ逃げ馬が苦戦しがちな北九州記念の定石として考えればやはり狙いにくい一頭にはなる。展開次第とここ数走を充実度とみて保険で拾うかどうか、というラインかな。ハイペース適性の疑問だけで切るのは少し怖さがあるという感じ。