2019/02/02
第68回 安田記念(GI)出走予定馬展望
日程:2018年6月3日(日)
コース:東京1600m
予想用・出走予定馬一覧
サングレーザー(福永想定)
昨年秋にスワンステークスを制してからはマイル路線の中心まで食い込んできたサングレーザーが安田記念に出走予定だ。先日ダービージョッキーとなった福永祐一が2週連続のGI制覇を目指す。馬も騎手も今が充実期、初の府中のマイルでも怖がらず己の力を最大限に引き出して結果を手繰り寄せろ。
本当に強くなってきた。まぎれのない競馬で崩れることはちょっと考えにくい。あるとすればスローで要所の反応、ギアチェンジを問われたとき。ダービージョッキーがそうならないようにうまく誘導してくれると期待したいところだ。
マイラーズカップ(GII)1着
京都芝外1600m良 14頭4枠5番
1:31.3R 45.8-45.5 M
12.2-10.7-11.0-11.9-11.4-11.2-11.2-11.7
まずは前走のマイラーズCから。エアスピネルとの戦いという中で結構楽に完勝したのは印象的には大きいかな。ペースは平均、超高速馬場なので45で入っても45で後半をまとめるというような状況。淀の外回りらしくどうしても3角手前の上り坂地点となるL5で11.9と全体のラップと比較すると少し遅い。しかしそこから3角下りで再加速、L3最速タイで4Fで分散…最速ラップは11.2なのでこのレベルとしては速くないし厳しい流れで脚を出し切る競馬だったとみていいだろう。
5番枠から五分のスタート、そこから無理はせずに控えて中団より後ろでまずは入っていく。道中もある程度縦長の流れで後方馬群の内目、エアスピネルをマークしながら前のスペースを保って3角に入る。3~4角でも最内をロスなく立ち回って仕掛けを待ちながら直線でエアの直後、中団外に出す。序盤で4馬身差から追い出されてしぶとく伸びて来るもののまだ決定的ではなく3馬身差。そこからL1で一気に伸びてエアを飲み込み、粘るモズアスコットを捕えての完勝だった。
完璧な騎乗もあったが強かった。流れとしてはやはり前半が速い。特に3Fでみると33.9なので前目の馬にはしんどかったが11.9と割と緩んだところで取り付きながら入れたのは大きいし、L3の4角地点が丸々最速タイラップを踏んでいて、ここで最内を立ち回れたのもかなりかみ合った。出し切る形でL1でグンと来たように、やはりTS持続が武器なのと、これをこのペースで引き出し1:31.3という時計をたたき出した、基礎スピード面のレベルの高さを見せたのが大きいかなと。
マイルCS(GI)3着
京都芝外1600m良稍 18頭2枠4番
1:33.9(+0.1) 46.7-47.1 M
12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1
昨年秋のマイルCSでも強い競馬での3着となった。稍重で力の要る馬場、標準より少し重くややタフな状況だった。ペースは平均でラップ推移的にもL3最速11.5とトップスピードを問われない厳しい競馬となった。
4番枠からやや出負け、そこから無理のない範囲でリカバー、馬群の中に入っていってエアスピネルを目標に3角へ。3~4角でもエアの後ろで馬群の内目、中団で直線に入っていく。序盤でエアの後ろからすっと外に持ち出し理想的な競馬だがエアにはちょっと置かれて2列目まで。L1ではそこから差を詰めようとしているがペルシアンナイトに差されてエアには届かず、3着までだった。
強い競馬をしているんだけど、高いレベルで言えばエアスピネルには直線入りでもう一段の脚を使わされてこちらは伸びきれず。L1では伸びてきたけどエアを交わせるレベルではないし、ペルシアンの方が破壊力は上だった。力の要る厳しい流れのマイル戦でやれたのは大きな収穫だがトップレベルと比べるとワンパンチ足りないなというのは感じたところ。
阪神カップ(GII)3着
阪神芝内1400m良 18頭5枠10番
1:19.7(+0.2) 33.6-34.7 H^2
12.1-10.7-10.8-11.2-11.5-11.7-11.5
2走前の阪神カップでは強烈な末脚を引き出したものの届かなかった。ペースは1.1でかなりのハイ、ラップ推移的にも終始早いラップを踏んでいて基礎スピードの質を相当高いレベルで問われている。
10番枠から五分には出ていたが二の足がそこまでよくないのでやはり後方からの競馬になる。道中も後方馬群の中で進めていたが3角まで下がりつつ、促されて追走という感じ。3~4角でもポジションが悪いので後方外から押し上げていく正攻法の競馬となって直線。序盤で後方外から中団に取り付いてくる。L1でもしぶとく脚を使ってくるのだが、イスラとダンスが併せ馬でしぶとく粘って単独3着まで。
ここではやはり1400でも相当前半の基礎スピードの質を問われていて、シンプルに追走に苦労していた。本質的に1400はちょっと短いかなと思う。阪神1400だとラップが示す通りで前半から11秒前後を刻んでスプリント戦ばりによどみなくなってしまう。前走のマイラーズCも流れたといっても前半3Fは速いが4F目が11.9と淀んでいた。この感じからも多分マイル~1800辺りが距離適性的には高そうな感じはするかなと。
2018安田記念への展望
これまでのレースを見ても瞬間的に鋭く切れるというよりは、厳しい流れの中でトップスピードに乗ってそれを維持する形、そして全体のペースが流れてもそれを引き出せるというのが強みといっていいと思う。力の要る馬場でも問題ないが、前走のマイラーズCのパフォーマンスを見るとマイルなら高速馬場の方がよさそうかな。トップスピードの質は今のところ10秒台を視野に入れてはいないので何ともだし、これが府中のマイル戦でどうなるか。ただ近年の安田記念の傾向は46秒前後では流れて全体で31秒台の競馬になりやすい。この感じならそう瞬間的なトップスピードの質を問われにくいし、対応はできると思う。今年は逃げ馬候補が多いし、アエロリット、ウインガニオン、レーヌミノルがある程度ペースを作ればこの馬としてはまず力は出し切りやすいのかなと。あとは相手関係。ペルシアンナイトがマイルCSでこちらのパフォーマンスを上回ってきたが、マイルの高速馬場で基礎スピードの質を問われたときには逆転可能かなと。エアスピネルがいないのでマイル路線で基礎スピードとTS持続を問われればこの馬が一番かな。ヒーズインラブやキャンベルジュニアといったダービー卿組、昨年安田記念好走のレッドファルクスなんかも強敵、スワーヴリチャードも未知数だが、ハイレベルのマイル路線の物差しとして機能していたエアスピネルを楽に撃破できたのは評価しないといけないだろう。エアも状態面に疑問はあったが、基本的にはこのサングレーザーを中心に予想を考えていきたいかな。ゲートが甘いので、その辺りを克服できれば。変にスワーヴを意識するよりはマイル路線で一番というこの馬の素材を信じてダービー同様強気の競馬を展開してほしい。ポジションもだけど、動き出しの仕掛けを意識してほしいかな。一応重い印候補としつつ全体を見ながら考えていきたい。
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