競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

高松宮記念 2018 出走予定馬:レッドファルクス&M.デムーロ想定

time 2018/03/19

高松宮記念 2018 出走予定馬:レッドファルクス&M.デムーロ想定

高松宮記念の出走予定馬展望

第48回 高松宮記念(GI)

日程2018年3月25日()

コース中京芝1200m

予想用・出走予定馬一覧

レッドファルクス(M.デムーロ想定)

昨年のスプリンターズステークスで連覇を成し遂げたレッドファルクスが高松宮記念に出走予定だ。この路線では圧倒的ともいえるトップスピードの持続力を武器に、無慈悲に大外一気で差し切ってここまできた。昨年の高松宮記念ではその末脚が不発気味の3着。もちろん春のスプリント王といういまだ手に入れられていないタイトルは何としても必要、名実ともに最強スプリンターに君臨となるか。

先週までの馬場だと地味に不安はある。個人的にはこの馬は高速馬場の方が良いと思っていて、明確に後傾バランスを踏めれば普通ならあり得ないレベルのトップスピードの持続力を見せる。逆に一番嫌なのはタフな馬場でペースが上がることだろう。昨年のような形になってしまうと前半で脚を削がれてしまう。その辺り、今の中京の馬場だと微妙なところで。

スプリンターズS(GI)1着

中山芝外1200m良 16頭4枠8番
1:07.6 33.9-33.7 M
11.9-10.8-11.2-10.9-11.1-11.7

3走前のスプリンターズSがこの馬の力・適性を証明した形になる。かなりの高速馬場でペースも上がらず33.9-33.7と0.2の平均、中山1200としては遅い。その中でL3最速10.9と10秒台を後半に刻み、そこからL1まで減速気味。4角地点最速でペースは遅めも仕掛けは早かった。

8番枠から五分に出てそこから押して追走、ペースも遅いので比較的追走は楽で中団の中目で進めて3角。3~4角でも中団の外目で追走、蓋をされて直線。序盤で少し待たされる形になったが捌ききって中団、L1でグングン伸びて最後はまとめて差し切った。

とにかくエンジンがかかってトップスピードに乗ってからの持続力が尋常ではない。これはCBC賞を勝って台頭した時から自分は惚れ込んでいて、最近ではめったにないぐらいずっと重い印を打っている一頭(多分昔だったらキングヘイロー以上に好きになっているかもしれない)。とにかく尋常じゃない。普通に考えればL3最速で4角地点、ここが仕掛けのポイントでここでのロスは響く。外々を回して直線以降は減速ラップ。前が止まったといっても11.7なので自分も少しでもばてていたら差せない。それでもL1で5馬身差ぐらいあった中で一気にまとめて差し切ってとなるとL1での11秒前後はまず間違いないわけで。もしかしたら10秒台もあり得るレベル。こんな脚を最後まで維持できるというのはちょっと考えられない。それと京王杯SCとかでも見せていたと思うが、この馬は坂の上りでの加速性能も高い。このスプリンターズSでここまで伸びてきたのはその辺もあると思う。高速馬場でトップスピードに乗せてからの持続力という観点では歴代の1200路線の馬の中でも最強レベルでデュランダル、ロードカナロアレベルにあると思っている。特に近年の後傾スプリント全盛、という点でここまで圧倒的に物量で物を言わせるというのが難しい中でのパフォーマンスだからね。正直この一戦は恐れ入ったというしかない。

阪急杯(GIII)3着

阪神芝内1400m良 18頭3枠6番
1:20.1(+0.0) 34.2-34.6 M
12.3-10.7-11.2-11.3-11.4-11.2-12.0

ただ、この絶対的な物量は鞍上が自身を持ってくれないと完全に出し切れない。前走の阪急杯はその辺りの微妙な差が出てしまったかなと。ペースは平均、L2最速だが11秒前半を続けていたしチャンスはあったと思う。

6番枠から五分のスタート、そこから促しつつだが中団馬群の中で進めようとする。ただ結局窮屈なところに入ってしまって下げながらも追走。3角でもまだ追走していて、じわじわと下げながら4角。4角で下げ止まったが外へも出せず、後方馬群の中で我慢して直線。序盤で外に出して追われるが反応が鈍く坂の上りまで最後方近く。ここから一気にグンと伸びてまとめて差し切る勢いも届かなかった。

L2での反応の鈍さだが、これは単純にL3~4で徐々に動きながらエンジンをかけるという意識の差だと思う。個人的にこのレースで不満だったのは早い段階で下げ切らなかったこと。内枠で包まれて下がったのはある程度仕方ないがそうであれば早い段階で下げ切ってしまって3~4角までに上げ基調…つまり加速段階に持って行きたい。ただ川田はそうせずにポジションをキープしようとする意識が働いて結果的に窮屈で下げながらの過程を3角付近まで続けてしまった。その結果エンジンの掛かりの遅さに繋がってしまったと思う。この馬の末脚は言葉で表すならば暴力的な末脚といっていいレベル。ちょっとぐらいロスがあったってどこまでも伸びてくる。このレースもL1こそ12.0だが、L1の段階でこの馬はスプリンターズS以上に絶望的な位置にいた。L1に入った段階で6馬身ぐらいは差があったはず。ここでは明確にL1最速だったんじゃないかなと。11秒前後の脚を使っているはず。3~4角で多少ロスがあっても早い段階で加速しながら直線に入ってきていたら届いたレベルかなと。まあ本番はここではないし、ミルコでもないからその辺りは諦めているけど。改めてこの馬のえげつなさを感じた一戦。

高松宮記念(GI)3着

中京芝1200m稍 18頭4枠7番
1:09.0(+0.3) 33.8-34.9 H^2
12.3-10.3-11.2-11.4-11.3-12.2

とはいえ弱点もある。それが昨年の高松宮記念だろうと。3着で悪くはないんだが、この馬としては極めて稀な自分より後ろの馬に差されるという負け方。ドンキとの比較で見劣ったのは自身のパフォーマンスの低下と考えるべきだろう。ペースは1.1でかなりのハイだが、重要なのはこのレースは稍重で時計が結構掛かっていたということがある。

7番枠からまずまずのスタートを切っていて、そこからある程度促して序盤で楽にポジションを取っていく。そこから3角で少し下げつつも好位の内内、3~4角で好位に近い位置で前にスペースを置きながら直線に入ってくる。序盤でしぶとく伸びかけるがいつもの破壊力が無くセイウンに抜け出される。L1ではドンキにも内から前に出られて3着完敗だった。

この馬としては珍しく34.4-34.6と前半の方が速いペースを自身で進めている。もちろん平均で収めているがこうなると前半に脚を使わされてしまって後半のTS持続を引き出すところに影響があったとみるべきかなと。馬場差は読みにくいけど、実際自身と同じ内内を通したドンキに差されていたわけで。また重馬場が苦手というわけでなくスローバランスの京王杯SCでは重でも切れた。内外の馬場差はあまり関係なく、馬場も重だから問題というわけではない。ここからも前半に脚を使う形、マイルCSからもトップスピードに乗せられないケースではこの馬のベストは引き出せないと見るべきかなと。

2018高松宮記念への展望

トップスピードの質自体がぶっちぎりに高いわけではないが、そこに乗ってからの維持、惰性を活かすTS持続力の高さは異次元レベル。なので速いラップを踏んでしまってからの持続力を活かすためにも、できるだけ余力を持って後半に臨みたいし、L1でグンと来るのを信じてL4-3辺りからしっかりと出し切るイメージを持ちたい。それと速いラップを踏めば踏むほど持続力を活かせるタイプなので高速馬場が顕著に得意。普通に考えればTS持続力には限度があるんだが、この馬は少なくとも高速馬場なら中京の3~4角で11秒前後を踏み続けて大外をぶん回してもL1までそれを維持できる(CBC賞勝ち)。昨年のスプリンターズSでもL3最速で外を回してL1の上り坂でも減速していないというえげつない脚を見せて呑み込んだが、そういう競馬がこの馬にとっては理想。昨年よりは多分軽い馬場になると思うし、ミルコも昨年の負け方から前半そこまで急かさず入らないと思うのでその辺りを補正すれば標準馬場ぐらいなら何とかなると思う。悪化してのハイペース消耗戦にならなければ基本的に崩れる心配はしていないかな。そうなったとしてもポジションを後ろにして無理をしなければこなしてくると思う。いずれにせよ前半だけ無理せず、中盤早い段階でエンジンをかける形、直線ラストでは伸びると信じて。ミルコならばそう心配していない。強敵も多いが重い印を打つしかないと思っている。

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■第48回 高松宮記念(G1)■

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■有利なステップレースは?牝馬は苦戦か?

過去10年、1人気で優勝したのはビックアーサー、ロードカナロア、キンシャサノキセキの3頭のみ。短距離界の王者が人気に応えているが1人気が人気を裏切るケースも多く、荒れる短距離GIレースでもある。上位人気馬が総崩れする事はないが過去10年でも人気馬同士で決着したのは16年と12年の2回のみとなっている。

年齢別の成績では4歳馬(2.0.3.30)・5歳馬(5.5.3.35)・6歳馬(0.5.2.35)・7歳馬(2.0.2.25)・8歳上(1.0.0.22)と5歳馬の成績が目立つ。また、過去10年で牝馬で勝利したのはカレンチャンのみとなり苦戦している。主なステップレースではシルクロードS2勝2着1回、阪急杯3勝2着5回、オーシャンS3勝2着2回となっている。連対率では阪急杯が8連対しているように中3週のローテーションが有利になっている。

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