競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

京都記念2018 出走予定馬:クリンチャー、とにかくしぶとく粘るがポジショニングに難あり…外枠欲しい

time 2018/02/07

京都記念2018 出走予定馬:クリンチャー、とにかくしぶとく粘るがポジショニングに難あり…外枠欲しい

日程:2月11日()
第111回 京都記念(GII)
京都芝外2200m
予想用・出走予定馬一覧

4歳世代でも屈指のしぶとさ、伝説の泥んこ馬場となった菊花賞で積極的な仕掛けから最後までしぶとく粘って2着を確保したクリンチャーが京都記念に出走予定だ。ここ最近は先行できずに苦しんでいるのもあり、今回はしっかりと行き脚をつけて前目に行けるのかどうか、また行けなかったとしても積極的な仕掛けをしたい。今年は好調藤岡佑介の真価を問う。

やっぱり近走の行き脚の拙さは不満で、上手く噛み合わないとというのはある。頭数は少ないがしっかりと押してスピードに乗せていける外枠の方が良いし、ポジションというよりもしっかりとペースを引き上げて行く意識を持てるかがカギだろう。ポジショニング自体は悪いが、多少強引にでも基礎スピードを活かした先行策を取るべき。

菊花賞(GI) 2着 18頭2枠4番
京都芝外3000m不 3:19.2(+0.3)
64.1-68.8-66.0 H^2
13.2-12.6-12.0-13.1-13.2-13.5-14.5-14.3-13.5-13.0-13.1-12.9-13.4-12.7-13.9

まずは泥んこ馬場での決戦となった菊花賞を振り返る。このレースは前後半で見れば2秒近いかなりのハイペースとなっている。中盤には14秒台も入っているので極端に全体で流れたというわけではなく、少し淀みはあってL2では結構加速している。まあそれでもL1は13.9と大きく落としているわけで、最後は消耗戦でポテンシャルが問われた。

4番枠からやや出負けという感じそこから押して押しての二の足もイマイチで中団馬群の内々での競馬を余儀なくされる。スタンド前では上手く外に持ち出して進出のチャンスをうかがいながら中団の外目でじわじわと押し上げていく。向こう正面から3角に向かうところで外からスーッと仕掛けていって好位の外に取り付き、そのまま3~4角でも大外を通しながら先頭のダンビュライトに対して勝負に行く形で直線となる。序盤で堂々とダンビュライトを交わして先頭に立ったがそれでもまだ決定的ではない。L1でしぶとく粘っていたところに外から一気にキセキに来られて完敗、それでも2着は死守した。

ダービーは苦しい競馬、セントライト記念も不満の多い競馬になったがここで藤岡佑介も流石の競馬を見せてくれたかな、という感じ。馬のポテンシャルを信じて勝負に行き結果としてキセキには差し切られたけど、この馬の良さであるポテンシャルの高さをしっかりと出し切れてくれたし、押し上げるタイミングも向こう正面でまだペースが上がってないところで一番早く動いた。それでも粘れたようにポテンシャルは高い。まあ、それを引き出せるかどうかが最大の課題なんだが。

セントライト記念(GII) 9着 15頭3枠4番
中山芝外2200m良 2:13.8 61.8-58.1 S^4
12.3-11.1-12.4-13.1-12.9-12.8-12.1-12.0-11.7-11.3-11.0

セントライト記念がわかりやすい負けパターンだったかなと。ペースも3.7と極端に遅いが、それだけでなく本仕掛けも遅くレースラップで見てもL1が最速となっている。余力のある馬にとっては直線最後が最速になるほどには遅かった、ということ。

4番枠からまずまずのスタートを切ってそこからかなり押されて鞭も入っていたが前に進めずに2列目の中に入り込む形となってしまった。それでも1~2角のコーナーワークから上手く外に持ち出して2列目の外では進めていくがなかなか前へのプレッシャーにはならず緩い流れで3角に入ってしまう。3~4角でも2列目から先頭列に並びかけて勝負に行くが4角出口で置かれて直線。序盤で2列目から後退、L1で失速して離されての完敗だった。

まあこれでも藤岡的には積極的に行ったと思うんだが結果としてみても極端に遅いので、結局はキレ負けになる。3~4角から勝負に行ってここで並びかけられたのは結局この地点ではまだ速いラップを踏んでいなかったからだし、顕著に軽い馬場だったので実はこれでも早仕掛けではなくただの直線勝負になってしまっていたという形。高速馬場の中山2200はかなりトリッキーでこういうケースもたびたびあるけど、こういう競馬では難しいし全体のペースを引き上げることで後半速いラップを踏まさない、というスタンスを取りたいがなかなかゲートからの一歩目が遅いので難しい…という感じかな。

すみれS(OP) 1着 7頭1枠1番
阪神芝内2200m良 2:14.1 61.3-60.4 S^1
12.5-11.1-12.1-12.7-12.9-12.4-12.3-12.1-11.8-11.9-12.3

個人的にはこのすみれSの印象が強い。何せキセキをここではぶっちぎっているわけで強かったのは間違いない。ペースは1秒程度でややスローというところ、そこからは4F戦に近くL3最速のポテンシャル戦となっている。力の要る馬場で基礎スピード面もある程度問われた中で強かった。

1番枠から好発を切って押して押してだが行き脚は微妙で最初は苦しい感じ、外のタガノアシュラを行かせて2列目の内でまずは入っていく。ただ幸いタガノがそこそこ飛ばしてくれたので前にスペースを取れる状況で3角でそこを上手く活かして番手外の位置を確保すると、そこから4角では仕掛けていって並びかけて直線。序盤で堂々と先頭に立つと後はしぶとく最後まで踏ん張って後続を千切り捨てた。

キセキなんかも脚を残せずに最後はクリンチャーとの比較で脚を無くしていたことからも、この時点では基礎スピード面、そして後半のポテンシャルのバランスという点ではトップクラスにあったとみている。ただ、やはりこれに持ち込めるかどうか?というのがカギかなと。

●2018京都記念に向けての展望

とにかく枠順がカギ。小頭数なので楽勝で前にとか思っていたら大間違いで、ここ最近は特に行き脚が悪いしダービーで強気の競馬に持ち込めなかった要因もそこになる。ゲートはともかく二の足が遅いので勢いをつけるためにも外目の枠が良い。少なくともクロコスミアやモズカッチャンといったスタートの良い先行馬よりは外が欲しいし、レイデオロも最近はゲートが良いのでそれより外が良い。となると結構外枠が必要になるので、7~8枠が望ましい。勢いさえついてしまえば基礎スピード自体は高く皐月賞の59.0-58.8の流れでも先行してしぶとく脚を使えている。また2000は正直短いと思うし、菊花賞の感じからも距離自体はこれぐらいは最低でもあった方が良い。馬場はこの馬にとってはありがたい程度には力も要る馬場になっているし、更に雨でも降ってくれれば言うことなし。菊花賞の反動が出ていないかどうか、枠順も含めて判断したいが基本的に内枠では狙いたくない一頭。

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