2019/02/02
第57回 金鯱賞(GII)出走予定馬展望
日程:2021年3月14日(日)
コース:中京芝2000m
予想用・出走予定馬一覧
デアリングタクト(松山騎手想定)
昨年に史上初無敗での牝馬三冠制覇を成し遂げたデアリングタクトが金鯱賞に出走予定だ。前走のジャパンカップではこれまた史上初となる3頭の三冠馬による対決、という中で3着と悔しい敗戦を味わった。一敗地に塗れたことは今後の糧になる、負けたことで更なる高みを目指したい。
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ひとまずジャパンカップを見る限りアーモンドアイレベルとの比較ではちょっと物足りないかなというのはある。天皇賞秋で見せたフィエールマンやクロノジェネシスのL1伸びとの比較で見るとね。ただ、それでもトップクラスの実力を見せている馬なので、この条件でこのメンツなら好勝負してほしい気持ちが強いね。まあ予想的にどうするかはまだ決めてないが。
オークス(GI)1着
東京芝2400m良 18頭2枠4番
2:24.4 59.8-58.9 S^1
12.3 – 11.1 – 12.0 – 12.3 – 12.1 – 12.7 – 13.0 – 12.6 – 12.1 – 11.2 – 11.2 – 11.8
まずはオークスから振り返りたい。東京の2400m戦で良馬場、ペースはややスローという程度だがスマイルカナが引っ張って単騎という流れだったので実質的にはもう少し顕著にスローだったと思う。仕掛けとしてはL3最速で11.2、ある程度仕掛けが早い中で少し待たされたが直線の進路取りでマジックキャッスルを制してスッと反応したのが勝因としては大きいと思う。
4番枠からまずまずのスタートを切って序盤は好位の内目ぐらいで進めていくが、徐々にポジションを下げて最終的には中団の内目に下がっていく。道中もスローの流れで中団内内でひたすら我慢の競馬。3~4角でも中団の内目から中目に誘導しながら4角でリアアメリアの後ろ辺りを狙うが外に出す進路がない。直線序盤でも悩んで外に誘導からL2で中目に空いたスペースをスッと反応して抜け出して3列目付近。L1で1馬身3/4ほどあった前のウインウインをまとめて捕えての半馬身差勝利。
強かったし、器用だったなと。どちらも兼ねそろえているから、のちに三冠を達成できたんだなというのを感じた一戦だったね。ここでは正直あまり良い入り方ではなかったと思う。スローで好位を取れそうだったんだけど、結果的にペースが上がらない中でポジションダウンしていく感じで中団だったし、3~4角でも進路がない状況だったので中目から外にという形でかなり怪しい感じで直線入りでも進路がなかったからね。まごついている中でL2で進路が出来た瞬間にスッと反応していた。マジックキャッスルに期待していた自分としてはそこでマジックもチャンスがあったんだが、一気にデアリングタクトに入られたので余計に感じたことだけどね。L3の地点でまごつきながらも置かれなかったし坂の登りでぐんとくる感じからも中京の心配はしなくて良さそう。少なくとも同世代の牝馬とは着差以上の差をこれまで作ってきていると思う。
秋華賞(GI)1着
京都芝内2000m稍 18頭7枠13番
2:00.6 59.4-61.2 H^2
12.3 – 10.8 – 11.8 – 12.2 – 12.3 – 12.7 – 12.1 – 12.4 – 11.9 – 12.1
2走前の秋華賞で三冠を達成した。ここでは流石に一瞬どうか?というところも見せたが、L1でしっかりと抜け出してきたのは地力の差だったかな。稍重で時計が少し掛かっていた状況。その中でかなりのハイペースからL2最速で11.9という程度。時計的には平凡だがL2-1はラップ的にそこまで遅くないので上位2頭はそれなりに評価すべきかな。クロノとカレンの時に近い感じ。
13番枠からやや出負け、そこから様子を見ながら軽く促してという程度、後方内目でまずは入っていく。道中も前がハイペースで引っ張る流れの中で後方から進めていたが、3角手前の登りで外からじわっと進出して中団外目で3角。この辺りから馬群が凝縮しだすのだが、その中で好位の外からじわっと押し上げつつも4角で手が動いて少し手前を換えるのが早くてふらつく。序盤でいつもの伸びが無くてジリジリだが、L1手前で再度右手前に換えるとそこからしぶとく踏ん張って追撃するマジックキャッスルを寄せ付けずの1馬身1/4差完勝。
ここではある程度タフな馬場の中で全体で流れた。パワー型基礎スピードが求められた前提で後半のポテンシャル面もというところ、3~4角で外から動いて行ったが思ったより手ごたえが苦しくなっていたのは否めなかったかな。ただ、4角で動き切れなかったのは逆手前になってふらついた面もあるかもしれない。そこから最後までばてなかったので有酸素運動的な要素といえるポテンシャルでは一枚上だったと思う。まあこの一戦は前半のパワー型基礎スピードも必要だったので単純な後半ロンスパというよりは全体で流れた中でのもの。加えて言えば3角の上り坂の地点で前が少し減速したところで外から取りつく形にはなっているので差し・追い込み馬が上位というのもある程度納得できるラップではある。マジックキャッスルが愛知杯で強かったけど、個人的にはこの秋華賞はそこまで高く評価していない。牝馬三冠の中では一番地味だった印象。
ジャパンC(GI)3着
東京芝2400m良 15頭3枠5番
2:23.2 57.9-61.8 H^4
12.7 – 10.8 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.2 – 12.3
前走のジャパンカップではアーモンドアイ、コントレイルとの三冠馬対決が実現したが、結果的には3着と敗戦となった。ただ、負けはしたものの最後までしぶとく食らいついてきたのは収穫で、トップレベル相手にも通用することを証明できたのは大きかった。ペースは超々ハイだがこれはキセキの単騎での暴走。実質的には離れた番手で目視推定60秒半ばぐらいだったと思う。実質はややスローぐらいじゃないかな。
5番枠からまずまずのスタート、そこからコントロールしながら進めて序盤は中団の中目で進めていく。道中も折り合いを意識しながらの競馬でアーモンドアイの後ろを意識しながら向こう正面でもマークしつつ3角に入る。3~4角で離れたキセキを捕えに各馬が動く中で外からの進出を選択。4角で内のカレンが外から仕掛けていったのでそれを行かせて中目に戻して仕掛けを待ちつつ直線でカレンの後ろから外に誘導。序盤で中団から追われるがここでの伸びは地味で外からコントレイルの方が伸びてくるという感じ。L2でカレンの内目に持って行きながらしぶとく伸び始めるとL1でカレンの内からしぶとく伸びてこれを競り落としての3着確保。
キセキの単騎なので字面ほどのハイペースでは無いが、それでも60半ばぐらいでは入っていたし、走破時計から計算してもそこまで遅くはない。それと、3~4角でどうしても早めにキセキを捕えに動く形になっているのでL1のレースラップが再加速でも12.3と遅いように、恐らくコーナーで速いラップを連続するロングスプリントの競馬になっていて、L1でギアが落ちたのかなという見立てかな。デアリングタクトととしては先にカレンブーケドールが動いてくれたことで中目のスペースを上手く立ち回ることが出来た分がL1でのバテ差しに繋がった面はあると思っているが、それでもここでしっかりとカレンを競り落としてきたのは流石やね。ただ、この展開のカレンに対して大接戦だったし、アーモンドアイには風格の差を感じる負け方となっている。天皇賞秋ではアーモンドアイを脅かしたクロノジェネシスやフィエールマンといった所との比較で見ると、明確にアーモンドアイに見劣ってしまった。この時点で現役最強レベルと比べると?正直若干足りないかなとは思っている。現役でグループAの最上位ぐらいと考えるのが妥当なところかな。
金鯱賞2021への展望
後半勝負での素材面という点では高いレベルのものを見せてきていると思う。ジャパンカップはカレンが動く中で上手く脚を温存できた分はあるだろうが、それでもしっかりと馬券に絡んできた。ただ、敢えて言えばやはりこういう競馬でカレンブーケドールとそう差が無いのであれば、やはり突き抜けた存在というところまではまだ至っていないと思う。ここからの成長があるかどうかが今後を占ううえでは重要だろう。
金鯱賞の条件を考えると、後半型の競馬ならL2最速でギアチェンジを求められやすい傾向ではある。後ろ過ぎたときに要所で動ける馬を相手に?というのはあるが、この馬自身ジャパンカップでも悪くないスタートだったのである程度位置を取ってほしいね。オークスの感じなら加速過程で置かれるような感じではないし坂の登りで鋭くという競馬ができていたので中京での心配というのはこれといってない。現役最強レベルなのかはまだ疑問はあるとしても、このメンバー構成なら後半勝負では最上位の一頭。後は前目で受けて一足を使ってくるグローリーヴェイズとの比較かな。ジャパンカップはグローリーにとっては仕掛けがきつすぎたと思うからね。ここで勝ち切れるかどうか、注目したい一頭。重い印も当然視野に入れておく。
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