2019/02/02
第39回 ジャパンカップ(GI)出走予定馬展望
日程:2019年11月24日(日)
コース:東京芝2400m
予想用・出走予定馬一覧
ルックトゥワイス(デットーリ騎手想定)
今年の目黒記念ではレコード勝ちであっと言わせたルックトゥワイスがランフランコ・デットーリとのコンビでジャパンカップに出走予定だ。前走のアルゼンチン共和国杯では後方から末脚を伸ばそうとするも届かず4着。前哨戦としては悪くないが、本番はもちろん出し切れるかどうか。最強の鞍上を引っ提げて府中で躍動したい。
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まあはっきり言って出しきれるかどうかが全てと言っていいし、できれば全体で流れてほしいのは目黒記念の勝ちっぷりからも間違いないところ。素材が確かだけに鞍上のデットーリがどう乗ってくるか…かなり楽しみではある。デットーリ人気もしちゃうだろうなあ…。
目黒記念(GII)1着
東京芝2500m良 13頭7枠10番
2:28.2R 59.5-59.1 M
7.4 – 11.0 – 11.0 – 12.2 – 12.0 – 11.7 – 11.8 – 12.0 – 11.6 – 11.7 – 12.0 – 12.0 – 11.8
まずはベストバウトと言っていい目黒記念勝ちから振り返っていきたい。超超高速馬場でペースも平均で流れてという形。ダービーの日の最終レースになるのでどうしても騎手の意識がハイになるというのもあると思うが、前後半で59-59というような質の高い競馬になっている。ラップ推移的に見ても単調な感じで12秒前後のラップを踏みながらでL1も11.8と突き抜けたルックがレースラップとして加速に持ってきたという感じ。
10番枠から出負けして後方2番手からの競馬となる。道中も前が淡々と進める流れの中で後方2番手で特に動かずで3角。3~4角で後方3番手まで押し上げ、中目から外目を通して直線。序盤でそのまま伸び始めて中団ぐらい。L2ではアイスバブルの外に並びかけてほぼ先頭列。L1でしっかりと突き抜けての1馬身1/4差完勝。
これが基本的にはルックトゥワイスの強みと言っていいと思う。はっきり言って小器用さはゼロに等しいのでこうやって全体で流れた中で良さが出やすいというのは一つあるかな。超超高速馬場で前がよどみなく淡々と引っ張り続けてくれたおかげで終始スピードに乗った状態で進められたことと、一番はこのペースで息が入らない先行勢は伸びあぐねていたと。その中でこの馬は脚を引き出すことができていると考えれば、この一戦は意外と基礎スピード面に依存しているということは頭に入れておいたほうが良い、と思っている。大外一気がすごいというよりは、全体で流れていたので後半型に特化せず、その上で足を引き出すことができ、かつ加速が問われなかったのでスムーズに最後までバテなかった強みを活かせたと。
アルゼンチン共和国杯(GII)4着
東京芝2500m良 13頭4枠5番
2:31.8(+0.3) 62.0-57.9 S^4
7.2 – 11.2 – 11.9 – 12.9 – 12.7 – 12.6 – 12.7 – 12.4 – 12.0 – 11.8 – 11.3 – 11.1 – 11.7
逆に前走のアルゼンチン共和国杯では危惧した通りの競馬になってしまった。目黒記念と違ってペースが落ち着きやすい中で、福永が乗っていて特にアイデアなく普通に乗ったという感じ。ラップ推移的に見てもL2最速トップスピード戦だからね…。
5番枠からまずまずのスタートを切っていたが狭くなったのもあって結局最終的には下げて後方からの競馬となってしまう。道中も後方2番手で進めるが、前がゆったりとした流れでコントロールしていて特に動けず3角へ。3~4角でも後方馬群の中目から外に誘導して仕掛けながら直線。序盤で追い出されるがやはり反応乏しくジリジリで最高峰付近から変わらず。L2でようやく伸び始めるが後方列、L1での伸びはさすがも2着争いには半馬身ほど及ばず4着完敗。
まあ、福永だとこうなるだろうなと言う感じの競馬になってしまった。これをやっちゃあいけないんだけど、まあ狭くなって下がってしまったし、向こう正面で動くという手段を祐一が取るのは正直難しいだろうから仕方ない。ただ、ここで露呈させているように3~4角から直線で明確に加速が問われたときに、L3の地点では伸び始めるのが遅く最後方付近のままだった。この辺からもわかるようにギアチェンジの性能が甘く加速過程で置かれるのがこの馬の弱点ではあると。L1で伸びては来ていたが、11.7と前も落としている中でのもの。その点を踏まえてもバテ差しするにしたってそれなりの位置で進めないといけないのと、やはり早めに動き出す意識を持たないといけない。
日経賞(GII)6着
中山芝内2500m稍 12頭5枠6番
2:35.0(+0.8) 62.7-58.9 S^4
7.0 – 11.8 – 12.5 – 12.3 – 12.6 – 13.1 – 12.9 – 13.1 – 11.9 – 11.6 – 11.8 – 11.6 – 12.0
個人的にちょっと気に入らないのが日経賞の負け方。この一戦は見ての通りで後半の5Fのロンスパで加速性能はさほど問われていない。超超スローで前半が遅く各馬が後半の余力を残している中でのポテンシャル戦。出し切って良さが出るこの馬が甘かったというのは引っかかる材料。
6番枠からやや出負け、そこから促しつつだがやはりポジショニングが難しく後方からの競馬となる。道中はドスローで中団馬群の内々まで押し上げながらコントロールしつつ進めていく。向こう正面でも内でコントロールに苦労、そうしているうちにエタリオウがまくってロンスパの形で3角に。3~4角でも中団馬群の中目を通しながらスムーズに外。序盤でスペースも有り追われてジリジリと伸びてくる。ただL1までこれと言った破壊力は見せずなだれ込むだけに終わった。
ここでは向こう正面からのペースアップとなっているので比較的早い段階でスピードに乗れていたと思う。それでもL1まで決定的に伸びてきていないことを考えると、意外と長距離型ではない、という感覚ではあると。少なくともポテンシャル戦向きでは無いようで、力のいる馬場でのスローロンスパは合ってなかった。個人的感覚としてこの展開でサクラアンプルールに見劣ったというのはそういうことだと考えないと納得しづらい面があると。逆に言えば力のいる馬場でも日経新春杯みたいに極端なハイペースなら突っ込んできているわけで、本質的に前半の基礎スピードをもう少し要求される競馬のほうが合っている可能性が高いと。二の足が遅くてそこで苦労するからの展開次第の馬になっている。
ジャパンカップ2019への展望
デットーリがどう乗ってくるかが非常に楽しみである反面、今まで通り後方からの競馬となるなら目黒記念みたいに前後半でタイトに流れてくれないと難しいだろうと思う。ゆるい流れから直線で加速するというのが苦手というのは間違いなくて、後ろから流れに乗ってスローから直線勝負ではまず難しい。ジャパンカップはある程度ロングスプリント的競馬になりやすいし、特に近年の府中はその傾向が強く出ている印象なので、そういう競馬ならばある程度対応してL1で減速する中で伸びてくると思う。超高速馬場だと後半のロングスプリントで高い性能を見せているし、基本的には2400前後が良いというイメージは確かかな。
あとはデットーリがどう乗るかに尽きる。正直に言えば、この馬で先行策をとってほしい。前半流れた中でも消耗することがなかったし、馬場が重かったとはいえ日経新春杯は極端なハイで、自身の3-3Fのバランスでも35.9-36.7とややハイでも最後にぐんと伸びて2着。二の足が遅いのがネックだがそれでもこの大一番で勝負するならある程度前、もしくは全体で平均ぐらいで流れてほしい。いずれにせよまずは行けるだけ前を意識しつつペース次第でというのができれば…というところかな。デットーリなので無茶を言いたくなるが、普通に競馬してしまうとやはり展開次第の域は出ない。素材は確か、超高速馬場で出し切れればロングスプリント適性は高い。理想を言えば流れてほしいね。
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