2019/02/02
第53回 共同通信杯(GIII)出走予定馬展望
日程:2019年2月10日(日)
コース:東京芝1800m
予想用・出走予定馬一覧
クラージュゲリエ(武豊騎手想定)
京都2歳ステークスではメンバー中上がり最速の末脚を披露し重賞初制覇を成し遂げたクラージュゲリエが武豊とのコンビで共同通信杯に出走予定だ。ゆったり運んで長く脚を使ってきただけに、後は1800mへの再短縮とワンターンに近い府中で切れ味を要求されてどうか。
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距離的には本来はもうちょっとあっていいタイプだと思う。エンジンを意識的にかけて良さが出ている印象だし、その点で豊とのコンビは良いと思うが、できればゲートも上手いんだしそれを活かしてある程度前を取ってほしい。アドマイヤを徹底的にマークする形でどこまでやれるかを見たいね。
新馬戦1着
札幌芝1800m良 10頭8枠10番
1:54.2 54.3-47.1 S^7
12.6 – 12.9 – 14.7 – 14.1 – 12.8 – 12.5 – 12.0 – 11.3 – 11.3
新馬戦から順を追って入っていこう。この一戦はかなり難しい競馬になったと思うが素材の違いで完勝してきた。5着のシェーングランツがアルテミスSを制したり、3着がハギノアップロードと決して低レベルではない中で極端なドスロー、中弛みで捲りもあってポジションダウンでL2-1で11.3-11.3。良くこれで勝てたなという感じ。
10番枠から好発を切っていたが無理はせずにすっと壁を作って好位に入っていく。ここまでは良かったのだが、ここから前が異次元なレベルでペースダウン、2角で14.7という極端に遅いラップを踏むことで我慢を強いられ外からのまくりに対応できずに後方馬群の中目でひたすら我慢。3角手前からのペースアップで最後方列にいたが4角でわずかな進路を確保して大外に持ち出してぶっ飛んでいく。直線でもまだ前との差は2馬身半はあったがそこからジリジリと伸びて2馬身差、L1でしっかりと捕え切った。
モレイラもかなり焦っていたと思う。流れとしては想定できる範囲を超える極端なペースダウン。15-15でよく使われる、軽い負荷を懸けるというレベルの速度が実際のレース中に起こってしまうとは相当難しかったと思う。2角でかなりブレーキを踏まされてポジションも下げて、進路を作れたのは4角でL3地点。そこからは11.3-11.3と2Fで11秒台前半というラップ推移で普通なら差すのは難しい。L1で2馬身差を捕えているので11.1とかなり速いラップを踏んできた。もちろん超スローからのトップスピード戦ではあるけど、他との比較でみてもインパクトは十分。4角で急いで加速させたことで馬もコーナーで遠心力が急激に働いてぶっ飛んでいった感じだったし、よくそのスピードを削がずに最後まで加速してきたなという感じかな。この一戦はかなり非凡だなと感じた。ただ一方で極端なドスローではあったので、ペースが上がってどうかの課題も当然あったといえる。
札幌2歳S(GIII)3着
札幌芝1800m良 14頭1枠1番
1:50.2(+0.1) 48.2-49.7 H^1
12.4 – 11.7 – 11.9 – 12.2 – 12.2 – 12.1 – 12.3 – 12.6 – 12.7
2走前の札幌2歳Sでは最終週でかなり時計がかかる馬場状態、その中で1.5とかなりのハイに肉薄する流れとなった。ラップ推移で見てもL4最速だが12.1と12秒台。中盤は12秒前後を刻み続けてL2-1と落としていく消耗戦となっている。パワー型の基礎スピードを問われた一戦。
1番枠から好発を切って先行争いに入っていこうとするが外から一気に来られてペースも速く控える選択。道中も中団馬群の内内で我慢して後方まで下がる。3角でナイママらが仕掛けていく中で大外に持ち出し追撃、4角でも大外を回しながら4角で少し振られて直線。序盤での伸びは地味、それでも最後まで食らいついて前との差も最後は若干詰めてきたが3着。
ニシノデイジーはホープフルSの場合出し切れなかったというのはあるし、ナイママもトップスピード戦が不向きなのと後半型の競馬がそもそも合ってない可能性もある。ここでは厳しい流れの中でこの2頭が強かったという可能性も十分あるし、4着がエメラルファイトだからね。全体で見てもレベルは高かったはず。その中で、ペースが速く無理はしなかったにせよ削がれた面は否めないし、3~4角でも大外を回す形になった。悪くはないんじゃないかなと。京都2歳Sとの比較でみると物足りないけど、タイトな流れでも一定以上の競馬はできたとみて良い。
京都2歳S(GIII)1着
京都芝内2000m良 9頭1枠1番
2:01.5 62.3-59.2 S^3
12.9 – 11.8 – 12.4 – 12.7 – 12.5 – 12.8 – 12.0 – 11.6 – 11.2 – 11.6
前走の京都2歳Sでは強い競馬で素材の高さを証明してきた。ペースは超スローでそこからのL2最速戦。レース全体の仕掛けが遅い中ではあったが、トップスピードの質の高さを見せたしこれまで4角でスムーズさを欠くことが多かった馬だがうまく立ち回ってきたのも収穫としては大きいだろう。
1番枠からここでも好発を切って控えて後方で進めていく。道中も後方馬群の内目で前にスペースを保ちつつ進めたかったがブレイキングドーンにスペースに入られてしまってここで抑えて最後方列まで。3~4角でも内目で進めて進路がない状況だが、4角でブレイキングが仕掛けたのでそのうちのスペースをとって出口でブレイキングに当てて並びかけてくる。序盤でそのまま2頭のマッチレース、L1でしっかりと競り落として半馬身差の勝利。
モレイラの上手さもあったと思う。4角でスムーズに走れたのがまず一つ収穫だと思うのだが、ブレイキングの内のスペースをうまく拾ってかつブレイキングに当てるような感じで外への膨らみを制御した感じ。正直祐一も上手くスペースに潜り込んでモレイラとクラージュゲリエに対して難しい競馬をさせていると思うしそのうえで3~4角で外からしっかりとと上手く乗ったと思うんだが、これを克服してきたクラージュゲリエとモレイラの手腕をほめるべきだろう。ただトップスピードの質の高さはここでは最上位だし、うまく立ち回ってきたといってもL1での伸びは流石。ただ思ったよりもブレイキングドーンがホープフルSでイマイチだったのをどう考えるか…だね。
共同通信杯2019への展望
ゲートが上手いので、ポンと出てアドマイヤマーズにプレッシャーをかけて入りたい。トップスピードの質という観点で見ると前走の京都2歳SでもL2の段階で1馬身あるかどうかというところから先頭には立ったが11.2なので10秒台には入れられていない。瞬間的な切れ味ではアドマイヤマーズの方が上だろう。TS持続という点で見てもアドマイヤマーズは手ごわいし、こちらも京都2歳Sの内容がいいので勝負するなら早目に仕掛けてというところにはなってくる。
ただ2走前の京都2歳Sは3F勝負で坂の下りを終えてからの加速、窮屈なところから追い出されてしっかりと反応できている。新馬戦でも4角で進路ができてからの一気に加速出来て逆にスピードに乗りすぎて4角出口で膨れる感じ。ギアチェンジそのものは結構持っている印象はある。後は府中の上りでも加速できるかどうか、というところかな。今の時点では質的にアドマイヤが上でポジション差次第というところだが、連下では押さえたいかな。アドマイヤとポジションが逆で入れれば面白いんだけどね。その辺はコメントを見ながら判断したい。
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過去の勝ち馬ではアイネスフウジン、ナリタブライアン、メジロブライト、エルコンドルパ サー、ジャングルポケット、アドマイヤムーンなどがおり、近年でも17年スワーヴリチャード、16年ディーマジェスティ、15年リアルスティール、14年イスラボニータなどクラシック路線で活躍しておりクラシックの登竜門として名馬を送り出している注目の3歳重賞戦。
過去10年の上位人気馬の成績では、1人気[2.2.2.4]、2人気[2.3.1.4]、3人気[3.2.1.4]。1人気で優勝したのは14年イスラボニータ、09年ブレイクランアウトの2頭のみと信頼度は低い。平均配当では、馬連2500円、3連複1万2160円、3連単8万3660円。上位人気馬が揃って馬券圏を外すことはなく、二桁人気馬の伏兵も昨年のエイムアンドエンド(10人気③着)1頭のみが馬券圏に好走と、大波乱になるケースは少ない。
また、過去10年の優勝馬のキャリアは3戦4頭、4戦4頭、1戦目1頭、6戦目1頭となっており3~4戦のキャリアでの優勝馬が多い。さらに連対馬20頭中14頭が左回りでの連対があった。
今年は4戦無敗で朝日杯FS(GⅠ)を制したアドマイヤマーズ(M.デムーロ)、ラジオNIKKEI杯京都2歳Sを制したクラージュゲリエ(武豊)などの有力馬がスタンバイ。今年の始動戦としてダービーを見据えて東京コースを試走。
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