阪神ジュベナイルフィリーズ 2018 レース回顧・結果：ダノンファンタジー、外から末脚炸裂で鮮やかに戴冠！

毎週日曜の22:00からツイキャスで阪神ＪＦなど重賞回顧ライブを行います。ラップや騎手など様々な観点から次のレース予想に繋がる回顧をお届けしますので、ぜひお聴きください。ライブ前にコメントで質問、レースの流れで気になったこと等を書き込んでもらえたらありがたいです！ http://twitcasting.tv/c:nandecas 競馬ナンデトップページからも視聴できます http://www.keibanande.net

阪神ジュベナイルフィリーズ2018のレース回顧・結果

阪神芝外1600ｍ良
1:34.1 47.0-47.1 M
12.2 – 10.7 – 11.9 – 12.2 – 12.1 – 11.0 – 11.8 – 12.2

展開分析・総評

　中弛みの展開でＬ３最速…う～ん…展開が本当に嵌らんなあ…。メイショウショウブは正直前に行き過ぎたと思う。ある程度は流れると思っていたからもう一列ぐらい後ろで入ってほしかったけど、結果流れた中で中盤の中弛みがあってＬ３最速でとなると仕掛けも早かったからね。

　後方で前中盤をフラットに入ってきたＴＳ持続タイプが上位というのも納得の内容で、まああんまりレベル的に高かったとは思わないかな。クロノジェネシスは展開的に合わなかったと思うし、ダノンファンタジーにとっては良い展開だったと思う。個人的にはクロノジェネシスがこの展開で２着にこれたなら、オークスまではこの馬中心で良いかなと思っている。走破時計は日曜の1000万下のレベルが読みにくいしドスローで時計比較は難しい。ただ、後半４Ｆがドスローで46.1なので、まあ標準馬場～やや高速程度だと思うし、走破時計は想定通りも中弛みがあったからね。思ったよりは一段ぐらい上の競馬になったかもしれない。

１着13ダノンファンタジー（C.デムーロ）

　やや出負けという程度、前半から無理はせずに後方に下げて進めていく。道中もグレイシアの後ろぐらいで後方でじっと我慢。３角辺りでペースが落ち着いてここで我慢しながらじっとして後方外のまま直線。序盤で外から上がってきたクロノジェネシスとともに外から伸びて一気に２列目辺りまで取り付いてくる。Ｌ１でばてたメイショウショウブを交わし、クロノジェネシスとの叩き合いを制してGI初制覇。

　まあ、クリスチャンが来るような展開だったかなと思う。馬ももちろんだけど、やっぱり流れて前半でジッとしていても良いレースでは問題ないんだよなあ。馬自体もＴＳ持続の高さを見せていたのと、ある程度前半から流れた中でも脚を引き出せた、また力の要る馬場でもやれたという総合的な良さが活きる展開になったかなと。

　ペースも平均だが中盤で息が入っているので前半無理をしなければ後半トップスピードを引き出せた。また極端にトップスピードの質を要求されたわけではないので、その点でも分散して11.8-12.0と直線で減速しているところでバテ差してきたという面が大きいと思う。総合的に良さが出たというのはその辺。課題となるのは瞬間的な切れ味で、大体桜花賞ではそれがＪＦよりも求められやすくなる。クロノジェネシスと比べるとそこは一段物足りないと思っているので今の段階では逆転される可能性もあるかな。グランアレグリアが牡馬路線に本気で向かうかどうか次第だけど、それを抜きにしてもまだ桜花賞路線で１，２といえるほどではないと思う。今回は後ろの方が良い展開だったと思うしね。

２着09クロノジェネシス（北村友）

　出遅れて最後方からの競馬となってしまう。前半はあきらめて無理をせず、３角まではダノンファンタジーを目標にしながら我慢をする。３角でペースが落ちたところで少し手綱を引きつつ仕掛けを待つ。４角でダノンがまだ仕掛けずにいたのでそこでじわっと促しながら一気にダノンの外に取り付いて勝負を仕掛ける。序盤で追い出されるがダノンとともに外から鋭く伸びて一気に２列目まで上がってくる。Ｌ１でメイショウを交わしダノンとのマッチレースとなるのだが最後は甘くなっての半馬身差２着惜敗。

　出遅れが無ければ…っていう感じは正直そこまでしていない。むしろ平均ペースへの対応力が未知数だったので、出負けして前半の流れに入らなかったのが良かった可能性もあるかな。まあ強いて言えば４角で外を回す形になったのと、ここがレースラップ的に最速で11.0ということを考えるとこのロスは小さくなかっただろうな。まあダノンも一つ内という程度で外を回しているんだけど、こちらは押し上げてトップスピードに乗っていく感じだったのでその分だけ距離ロス・遠心力が大きく体力ロス、という点に繋がった可能性はある。着差を考えると色々ね。

　ただ、こういう舞台で出遅れちゃうような騎手だと今後心配、って声はどうしたって出てくるだろうね。多分桜花賞までにルメールかデムーロに替わってきそうだし、正直北村友一では力不足の馬だと思う。桜花賞もだが個人的にオークスはかなり面白い馬だと思っているので、そこまでに鞍上強化してほしいかな。正直松山とかならまだ頑張ってほしいと思えるんだけどなあ。レースを作る意識がない騎手だとこの手の馬は活きてこないと思う。良い馬だと思うので、見合った騎手が欲しい。馬は中距離ぐらいでゆったり入って良い位置をとってギアチェンジを活かしつつトップスピードの質の違いで勝負してほしい。このペースでもちょっと削がれている感はあるし、高速馬場向き、ペースもスローの方が良い、という可能性は今回でより濃くなったかもしれない。それでも２着だから十分だけどね。

３着11ビーチサンバ（福永）

　五分のスタート、そこから無理はせずに中団馬群の中目で進めていく。道中も馬群の中で、というところで３角で少し息が入って３～４角で中団の外目に誘導、４角で外に出して直線。序盤で追い出しを待ちつつ外の２頭が来てから追われるがここで交わされて３列目付近。Ｌ１でも思ったよりしぶとく差し込んでクロノジェネシスとは少し差を詰めての３着。

　う～ん…結構難しい競馬になったと思う。流れているので前半はあの位置で良いけど馬群の中にいたので緩んだところでペースを落とす流れに合わせて進めた。４角で最速という中でやっぱり外に出すしかないし、そうこうしているうちに後方で脚を残していたダノンファンタジー辺りがじわっと動いてきたので位置取りの差があまりない状況で直線に入ってきた。こうなるとやはり決め手の質で足りなかった感はある。ただＬ１まで踏ん張れていたし、アルテミスＳで先着を許したシェーングランツには逆転したからね。流れとしてもこのペースに対応できる馬だし、そういった総合的な面で３着に入ってきたと思う。ただ、最終的にはもうちょっと前目で流れに乗った方が良いタイプだとは思うんだけどね。ワンパンチ足りないけど決定的な弱点がないタイプかもしれんね。

４着04シェーングランツ（武豊）

　五分のスタートを切っていたが促しつつもじわっと下がって中団の内目、という感じ。道中も無理せず中団の内目で進めていたが３角で前の馬もペースダウン、下がってきて徐々にポジションダウン。４角の段階ではダノンファンタジー辺りと捜査のない位置になって直線で進路がない状況。序盤で進路を作って馬群の中からジリジリ。Ｌ１手前で外に出して弾けるか？というほどではなくジリジリの４着だった。

　ん～…まあ結果論から言えば出負けでもして外からダノンファンタジーを意識して乗るぐらいの競馬の方が良かったと思うんだけどね。中途半端にいいスタートを切っちゃって中団ぐらいにつけたら中弛みでポジションダウンしながらになってしまった。エンジンのかかりが遅い馬だから前半はムリをせずに脚を残して中弛みで外から動く、ぐらいのイメージで良かっただけに流れに巻き込まれたのはこの馬の良さを引き出しにくい展開になってしまったかなと。この馬自身アルテミスＳで後方から中弛みで取り付きながら直線Ｌ１までしぶとく伸びきった形だからね。もうちょっと距離はあった方が良いと思うのと、小器用な脚を要求されない競馬に持ち込みたいね。器用さがちょっと足りない。それ以外としてはＬ１の伸びはもうちょっとほしかったかな…。

５着03プールヴィル（秋山）

　３番枠から五分のスタート、そこから無理せず好位の内目ぐらいで進めていく。そこから２列目の内のスペースを保って中弛みでそのスペースを詰めながら４角最速地点で最内を立ち回って直線。序盤で最内に入り込んでスッと反応するが、ここではまだメイショウショウブが手ごわく狭くなって下げて２列目。Ｌ１でそこからもう一度伸び始めるとメイショウショウブは交わしたものの外差しに完敗の５着。

　まあ流れとしてＬ３地点が最速なのでここで最内自体は良かったと思う。それでも直線で狭くなって下げてからもう一度それなりに伸びてきたように余力はあったしこのペースでメイショウショウブに先着していることからも全体のペースが流れた中で良さが出やすいタイプかもしれないね。まあ上位勢には差されたけど、外差しが楽に進めやすい中弛みの流れだったからね。トップスピード戦では足りないと思うけど、ある程度ペースを引き上げて速いラップを踏ませない形に持ち込めれば面白いかもね。

６着05メイショウショウブ（池添）

　まずまずのスタートを切って押してハナを主張も、内のベルスールが抵抗したのでペースが落ち着かずに流れた中で番手外となる。３角でペースが落ち着く中で息を入れつつ、４角で促して勝負に行って直線。序盤で一瞬は良い脚を使って抜け出したがＬ１の坂の上りで顕著に甘くなって６着完敗。

　う～ん…正直逃げのところまで狙ったのかな？という感じ。もうちょっとペースを緩める意識が欲しかっただけに、ちょっと前半から攻めすぎたと思う。もちろん逃げてスローが理想だったと思うし、それができればという点で理解できる面もあるんだけど、結果として、前をけしかけてペースアップしてしまってこの馬の持ち味であるトップスピードの質を分散する形になってしまったからね。またＬ３最速の競馬を仕掛けざるを得なかったし中弛みでコントロールせざるを得ず、気が付けば後ろとは結構差のない状況で直線となってしまった。こうなるとね。一瞬の良い脚は見せられたのでそこは良かったけど、やっぱり前半もう少し緩い流れで10秒台の切れ味を活かしたかったかなあ。

７着10タニノミッション（浜中）

　五分には出てそこから促しながら流れに乗っていくも、最終的には中団の中目で包まれて進める。３角で中弛みに巻き込まれる形で我慢。４角でも中団の内内で進めて直線。序盤で進路を最内に切って狭いところをそれなりに伸びていたが、Ｌ１で甘くなって７着完敗。

　狭いところを突いたのはあるがそれでも伸びはいまいちだったかな。前半のペースも速かったし中盤の中弛みで我慢しながらもＬ３の４角地点では最短距離。もうちょっと伸びてほしかったが、全体のペースだったり、馬場がそこまで軽くなかったり、その辺が影響したのかな。軽い馬場ではすっと動けていた印象だが、前半のペースの違いが出た感じはするね。

９着12レッドアネモス（戸崎）

　まずまずのスタートからある程度促していたがそこまで前には行けず、好位の中目に入っていく。３角の中弛み地点でブレーキしながら徐々に中団に下がっていく形、４角で手が動くがあまり反応できずに直線。序盤でそこから進路がなくとりあえず追いながら、Ｌ１で外に持ち出すも伸びは地味、９着完敗。

　流れの中に乗っていくでもなく、巻き込まれて馬群の中でまごまごと何にもできなかったかな。馬自体もこのペースでは厳しかったかもしれないけど、リスクを背負ってもうちょっと形を作るか、何かアイデアが欲しかったかな。なんかとりあえず出たなりで進めましたってだけで、馬群に包まれてこれでは…という感じはある。まあまだ力も足りなかったと思うしマイルでこの流れはちょっと忙しかったかも。要所の反応もいいしある程度力の要る馬場で良い脚を使ってきたからもうちょっと距離はあった方が安定するのかな。