2019/02/02
富士ステークス(GIII)レース回顧・結果
東京芝1600m良
1:31.7 45.9-45.8 M
12.4-10.9-11.3-11.3-11.5-11.0-11.6-11.7
展開分析・総評
超高速馬場に近い状態で1:31.7と32秒台の壁を破ってきた。ロジクライは正直少し驚いたけど、ルメールらしく強気に攻めてのポジショニングだったし、馬も一段階上に上がってきたかな、という勝ち方だったと思う。
展開は平均ペースで前後半ともに45秒台に入るハイレベルの平均ペース。これはちょっと読み違えて、もうちょっと実質的にはスローになると思ったが、思ったよりも後ろがついていった。なので基礎スピード面が結構問われたと思う。
リスクがあった中でレッドアヴァンセは頑張ってくれたし、ワントゥワンも流れた中で良さが出たのは関屋記念でも、という感じ。なのでこの展開での競馬になったならある程度納得のレースといえるかな。ペルシアンも59kgを背負っていで外枠で流れた中で、と考えると悲観するほどではない。エアスピネルは逆にまだいいころにはちょっと足りないんじゃないかな。
1着08ロジクライ(ルメール)
まずまずのスタート、促しながら先行争いに入っていき、外からマルターズアポジーが行き切ったのでそれを行かせて番手で進めていく。ただ、割とマルターズと離れずに、しかもタイトに流れている中で3角。3角以降マルターズが少し離していくが、それに食らいついて4角では3列目以降に少し差を広げて単独の2番手で直線。序盤で粘るマルターズアポジーの外からジリッと迫ってL2で先頭に立つ。L1で1馬身半ほどあったリードをさらに広げて2馬身差の完勝。
こういう競馬をしてほしい、というのを体現するのがルメール…という感じではある。ロジクライはどうしても瞬間的な切れ味では足りないし、かといってあまり前半速すぎるとこれまでちょっとしんどかった。速いけど速すぎないペースで入って、そこで甘んじず前のマルターズアポジーに対して早めに仕掛けて食い下がって直線でしっかりと3列目以降に対してリードをとって入ってくる。その競馬でも最後までしぶとく踏ん張っているように、どこかで強烈に速いラップを要求されるのではなく、全体でしっかりと踏み続けて後続の脚を削ぐのがこの馬の特長だろうと。それをしっかりと良いバランスで進めてくれたのも大きかったと思う。追い切りが良かったので連下では拾っていたけど、正直評価としては高速馬場での31秒台の壁がどうか?と思っていただけに、唯一31秒台に入ってきたのは立派だと思う。ハーツの仔でマイルで31秒台の決着で勝ったのは初めてじゃないかな。基礎スピードを高めてきた今ならGIでも勝ち負けするチャンスはあると思う。
2着11ワントゥワン(モレイラ)
やや出負けからある程度促しつつ後方馬群の中目に入っていく形。3~4角でも後方の中目で仕掛けを待ちながら徐々に進路を外にとってジャンダルムの後ろから直線で大外。序盤でそこから追い出されるとしっかりと反応して中団列から抜け出しL2で好位列。L1でさらに前を行くレッドアヴァンセに並びかけたところがゴール板、ハナ差で競り落として2着確保。
もうちょっとスローになるかなと思っていたのでここまで流れるとこの馬としてはL1まで伸びてくるTS持続で差し込めた形かなと。高いレベルでは質的に後ろから届くには足りない、という感じだったが全体で流れたことでトップスピードの質で勝負する馬が削がれた面もあるし、そこでこの馬は削がれずにこの脚を引き出してきたという見立てで良いのかなと。関屋記念に近いといえば近い。ただ、関屋記念と比べても時計は落としているがレースレベルは高かったと思うし、この馬自身成長しているのも確かだと思う。ただ、マイルの牝馬路線もかなりレベルが高いから、これまで苦労したのもその辺が案外大きかったのかもしれない。高速馬場のほうが合っているとは思うので、本番に出るとして今の淀がどう出るかやね。
3着14レッドアヴァンセ(北村友)
五分のスタート、そこから様子を見ながら好位の外でという競馬になるが、少し下げつつ中団に近い位置。3~4角でも中団の外々という感じで進めて直線。序盤でそこから伸びてきてL2では単独の2番手まで上がって良い脚を使う。しかしここまで、L1は逆に甘くなってロジに離され外差しのワントゥワンにも差されて3着。
う~ん…まあ許容範囲の競馬ではあったかな。本音を言えばもうちょい前が欲しかったけど、全体が流れていたのもあるし、この馬自身そんなに基礎スピード面で目途を立てていないから前に行ってオーバーペースのリスクがあった。あの位置ならとりあえずペースの問題はそこまでなかったと思う。ただし、そうなると3~4角で前もほとんど緩めない中であれだけ外々を回す形になると当然L1ではしんどくなるし、あの位置からだと2番手まで上がるところで脚を使い切ってしまった感じになる。まあその辺も含めて能力だけど、さらに上を目指すのであればこれぐらいのペースでもポジションをとっていけるかどうか…というのは課題になってくるね。多分賞金的にマイルCS出走は難しいのかな?という感じはするし、せめてここで2着は欲しかったなとは思うが今が成長期の馬だと思うので来年の春のヴィクトリアマイルに向けて順調に力をつけていってほしい。
4着06エアスピネル(福永)
五分のスタートからある程度促しながら入って2列目の内目でレースを進めていくが、途中で少し下げて3角では好位列。3~4角でも好位3列目の中目で前にスペースを置きつつ仕掛けを待って直線。序盤で進路をクルーガーの直後から外にとって追い出されるがここでの反応でレッドアヴァンセに明らかに見劣る。そこからある程度食らいつくが2着争いには加われず半馬身遅れての4着。
ん~…いいころには戻り切ってないかな。前哨戦としてみてもやはりもう一段上の競馬をしてほしかった。負けるのは仕方ないにせよ、2着争いに加わり切れなかったからね。結構使ってきた馬だし休み明けが続いてあんまりよくない状態になってしまったのかな。追い切りも時計はこの馬並みに出ていたけど、坂路は時計が出やすかったからね。動きとしてもまずまずいい出来にはあったと思うんだけど…。不満なのはL3の段階で見劣ったことかな。本来要所での反応は良い馬だし、その反応の良さを厳しい流れで引き出せるタイプ。馬群の中から捌く必要はあったにせよ、L3最速地点での伸びが物足りなかったのがね…。う~ん、これを叩いて本番でどこまで上げてこれるかやね。内容的にはペルシアンナイトの方が良かったと思う。
5着13ペルシアンナイト(M.デムーロ)
五分には出て前半からある程度流れに乗る意識をもって中団ぐらいから入っていく。道中も中団馬群の中目で進めて3角。3~4角でも中団馬群の外目で進めて直線。序盤でエアスピネルの後ろをアテにしていたがエアが伸びないのでL2で外に誘導するがここでちょっと置かれる。それでもL1までしぶとく伸びてきて最後は掲示板には入り込んだ。
ラストの伸びは悪くなかったし、進路をアテにしていたエアスピネルが伸びなかったことが一番痛かったと思う。59kgを背負って勢いに乗ってエアの後ろから捌ければってところでそこが無い。なのでL2で外に切り替える必要があったし、減速地点に入ってきたのでどうしても惰性が少し削がれた面はある。それでも59kgを背負って結構最後は伸びていたからね。ペースも速かったし簡単ではなかった中でこれだけやれれば休み明けとしては上々だと思う。これで今の淀の馬場なら本番は昨年同様チャンスはあるかな。内容的には収穫のある叩き台だったと思う。俺もエアがあの時点で反応で見劣るとは思わなかったし、あの乗り方になったミルコは責められない。エアスピネルも究極レベルだと力の要る馬場の方がいいのかな。
7着18ジャンダルム(武豊)
まずまずのスタートを切って序盤はある程度流れに乗って中団の外で進めていく。道中も中団の外でロスは大井がレッドアヴァンセの後ろから目標を作って直線。序盤でも追い出しを待ってレッドの後ろを、というところから置かれ始める。L2ではそこそこ伸びて食らいつくが、L1までそれ以上の脚は使えず、7着完敗だった。
ん~まあ、ちょっと厳しい流れになったのは事実だし、外枠で終始外々でというのは簡単ではなかったと思う。ただもちろんだが横の位置で考えればレッドアヴァンセも同じコースを通していたわけで、それでこの差があったと考えると現状では上位勢とは力負けなのかなという感はある。このペースには対応できたけど、トップスピードの質・持続力という面で足りなかったのか、それとも前半のペースが45秒台と速くてそこで脚を使わされたのが結果として厳しかったのか。もうちょっと様子を見ないと何ともだけど、現時点ではワンターンの1800ぐらいが一番合っているかな。外枠でこの流れだとちょっと忙しかった感じはする。
重賞予想解説者:北条直人
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単勝:87% 複勝:100% 馬連:66.7%
ワイド:91.3% 3連複:54.2% 3連単54.2%
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単勝:79.2% 複勝:95.8% 馬連:45.8%
ワイド:75% 3連複:41.7% 3連単41.7%
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単勝:87.5% 複勝:100% 馬連:62.5%
ワイド:83.3% 3連複:25.0% 3連単25.0%
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平均の約3~4倍、、
さらに、的中を重視したいときには「的中率90%の反則技指数」、高配当を狙っていきたいときは「魅せる穴馬HitMake」と使い分けることができる。このあたりは、その時々のお財布事情次第で使い分けるとよいとは思います。