第21回 富士ステークス(GIII)出走予定馬展望

日程：2018年10月20日(土)
コース：東京芝1600ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ロジクライ（ルメール騎手想定）

今年はサマーマイルシリーズで健闘、中京記念２着の実力馬ロジクライが富士ステークスに出走予定だ。夏の２戦を使ったのは有力馬が休み明け初戦ということを考えても有利な立場。まだ胸を借りる立場だが、実績馬を向こうに回して重賞初制覇を狙う。

まあこの馬もそうなんだけど、典型的なハーツっぽい馬で、マイルでも前後半で流れて全体で31秒台となるとちょっと壁を感じるかな。それと究極的にみてトップスピード面で足りない馬なので、スローだったとしてもここに入ると武器に乏しいので前半ある程度前目でレースを進めていきたい。ルメールがどういう乗り方をするのか興味はあるけど、正直簡単ではないんじゃないかなと思っているが。少し渋れば浮上してくるという感じ。

中京記念(GIII)２着

中京芝1600ｍ良 16頭６枠12番
1:32.4(+0.1) 45.3-47.0 H^2
12.1-10.7-11.0-11.5-11.7-11.7-11.6-12.0

２走前の中京記念から振り返る。この時はレコードが出ていて最終週でもある程度時計が出やすい馬場ではあったが、それでも現実的な高速馬場。ペースは1.7でかなりのハイに突入、ラップ的にもほぼ淀みなく中盤以降は減速気味で11秒半ばを続けてＬ１で12.0と少し落とす形。基礎スピードを問われた一戦。

12番枠からまずまずのスタートを切ってそこから先行争いに絡んでいって最終的には少し離れた４番手でレースを作っていく。３～４角で徐々に馬場の良い中目に誘導しながら仕掛けのタイミングを待ちつつ徐々に差を詰めて直線。序盤で馬場の中目からしぶとく伸びて先頭に立つ。Ｌ１で外からグレーターロンドンに一気に来られて交わされるが２着は楽に守った。

グレーターがこの展開で差し込んできたが、個人的には厳しい流れの方がグレーターは良いと思っているのでこれは強敵だったと思う。ただし、基本的にはこの馬は大体平均ペースぐらいで進めていると思っていて、前後半でおそらくどちらも46秒台での推移になっていると思う。もちろんこの馬場を考えればかなり優秀だと思うが、この馬にとってマイルだとこれぐらいの馬場は必要なのかなという感じ。軽すぎると質的に前後半でどちらでも苦労するイメージで、本質的に高いレベルでは1800ぐらいの方が合っているというのは常に感じているところかな。

京成杯ＡＨ(GIII)３着

中山芝外1600ｍ良 15頭２枠２番
1:32.6(+0.2) 46.9-45.5 S^1
12.5-10.7-11.5-12.2-11.2-11.4-11.5-11.4

前走の京成杯ＡＨでは３着とそれなりには頑張ったが上位と比較すると物足りない競馬ではあった。ペースは1.4でスローペースだが、後半４Ｆで45.5と45秒台に入ってきた。Ｌ４最速でＴＳ持続の色が強いレースだと思うが、ワンパンチ足りなかったかな。

２番枠からまずまずのスタートを切ってそこからじわっと促しながら先行争い、少し雄靴になって下げて好位の内目での競馬となる。道中もロードクエストの後ろぐらいで進めながら３角。３～４角では内目を立ち回って鞭が入り窮屈なところを裁いて直線。序盤で２列目からじりじりと食らいついて２列目～先頭列に近いところ最後まで踏ん張るが、外からミッキーグローリーやワントゥワンに差し込まれての３着まで。

ハンデも56.5kgなので少し重かったがそれでも内容的にはこの展開で外差しを食らったので難しいところかな。ワントゥワンなんかはかなりロスの多い競馬になったし、それでも後半で強烈な脚を使ってきた。スローの中で鋭さを増すタイプというわけではないのでこうなるとキレ負けしちゃうのかなという感じはある。ワントゥワンとの比較でみてもある程度の高速程度で淡々と流れた中京記念の方が強い競馬をしているからね。

マイラーズＣ(GII)７着

京都芝外1600ｍ良 14頭５枠８番
1:32.3(+1.0) 45.8-45.5 M
12.2-10.7-11.0-11.9-11.4-11.2-11.2-11.7

31秒台の壁に泣かされたのは３走前のマイラーズＣ。ただここではレースメイクの仕方に問題があったので、この一戦だけで見限るのは少し危険な気もする。ペースは平均だが前半の３Ｆが33.9と非常に早く、４Ｆ目の坂の上り地点で11.9と急激に減速したことで４Ｆで平均に持ち込んだだけで入りはかなり激しかった。時計を出すという観点で見ても序盤の３Ｆはオーバーペースだったという面は確かにあると思う。

８番枠から五分のスタート、二の足を利かせてじわっとハナを主張するが、中途半端な形になって先にベルキャニオンが内から出てから再度競っていくという形に。序盤でかなりの激流を作ってしまったこともあって３角の上りで行き切ってから11.9と急激にペースダウンしてしまう。そこから再度ペースを引き上げてという形で目標にされて直線。序盤であっさりとモズアスコットに交わされて２列目、Ｌ１で下がり切っての７着完敗。

上位３頭からはかなり離されているのでもちろん完敗なのは間違いない。前述している通りで前半の３Ｆが非常に速かったししかも４Ｆ目で極端に緩めたことで結局ここで飛ばした意味があんまりなくなった。もちろんそこで息を入れないと苦しくなるとは思うけど、前半の運び方が雑だったなという感じ。31秒台の決着で弾き返されたのは事実だし、ハーツの仔なのでなかなかこの壁を破ってくるのは簡単ではないと思うが、この一戦はちょっとかわいそうな面は確かにあった。

富士ステークスへ2018への展望

マイラーズＣでも超高速馬場の決着で苦しい形になったとはいえ結果を出せていないし、まずは31秒台の競馬にめどを立てられるかどうか。また前走の京成杯ＡＨではスローの４Ｆ戦という中で45.5と後半速いラップを連続する形となったが、そこで内目から立ち回りつつも伸びきれなかったのはやはり不満で、スローの決め手勝負でここに入ると分が悪いと思う。中京記念が強かったのは前半45.3の入りで後半消耗する、という流れの中で少し離れた４番手からうまく立ち回って自身で平均で入れたというのがある。相手関係もあるが、顕著に高速馬場だと前半の基礎スピード面・後半のトップスピードの質・持続力の両面で難しくなるかなという感じ。雨が降って32秒台までの競馬で収まれば２走前の中京記念同様のパフォーマンスは期待できると思うが、そうなるとペルシアンナイトもエアスピネルもかなり手ごわくなるので逆に付け入るスキは小さくなるという難しいところ。マイルでは基礎スピードが質的にちょっと足りないので、馬場が少し重くなることで前半上手く後続の脚を削げるパターンが今の段階では一番期待できると思う。なのでそういう意味でも一度1800で積極的にペースを引き上げてほしいなとは思っているかな。1800だとこの馬の基礎スピードがあればかなり余裕をもってレースをややスローぐらいまで持って行けると思うし。マイルで高速馬場という条件でこのクラスまでくるとやっぱり前後半どっちかで無理が生じるかな。良だとあまり強くは推しづらい一頭。

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