第79回 菊花賞(GI)出走予定馬展望

日程：2018年10月21日(日)
コース：京都芝外3000ｍ

予想用・出走予定馬一覧

メイショウテッコン（松山騎手想定）

逃げても結果を出し、ラジオNIKKEI賞では先行策で抜け出し重賞を制したメイショウテッコンが菊花賞に出走予定だ。前走の神戸新聞杯では逃げて目標になる形となったがそれでもしぶとく踏ん張り２着を確保。距離にめどを立てたが、さらに延びての3000ｍの舞台…鉄の魂を貫き粘り通せ。

個人的には本命候補の一頭ではある。ただし、今年の淀は少しタフな馬場で、この馬自身それは良いと思うんだがそこまで前目で残れるかどうかやね。前走の神戸新聞杯がかなり良い負け方だし、馬券的にはアツい一頭で少なくとも連下以上の評価はしたい。松山もこの馬で逃げ先行馬の神髄をさらに極めてほしい。

ラジオNIKKEI賞(GIII)１着

福島芝1800ｍ良 13頭２枠２番
1:46.1 46.3-47.4 H^1
12.2-10.4-11.6-12.1-12.4-12.3-11.9-11.6-11.6

まずはこの馬の良いところを見せた２走前のラジオNIKKEI賞から振り返る。本来は逃げて結果を出してきた馬だが、ここでは２列目からの競馬でしっかりと後半抜け出す王道競馬で勝ち切った。ペースはややハイ、そこから中盤で12秒台前半まで落ちる、つまり息を入れての後半の勝負でＬ１を落とさず入ってきたと。ギアの上げ下げの上手さを見せた。

２番枠からまずまずのスタートだがハナには行けず、２列目のポケットで包まれてまずは入っていく。流石に少し序盤は掛かり気味で、２角では首を上げるシーンもあったがペースダウンの流れで我慢して折り合わせる。３～４角では外に出してじわっと仕掛けて２列目外、そこから４角で仕掛けて２列目外で直線。序盤でしぶとく伸びて先頭列。Ｌ１で抜け出したところを外からフィエールマンが突っ込んでくるが半馬身粘っての勝利。

折り合い面で少し苦労したが前半がかなり早くスピードに乗った状態で２角の上りで減速するという形になったのでそこでペースを落さなければいけなかったし首を上げ気味だったのもその辺はある。ところがそういう入り方をしても後半しっかりと加速していけて最後までしぶとく伸びたように、レースの中で緩急があっても問題なく対応してくるタイプ。映像的には苦しそうに見えてもしっかりと後半の脚を引き出してきたのは評価したい。時計的には並なんだが、中だるみ地点で遅くなったしＬ１で落としていないので出し切っていない。

神戸新聞杯(GII)３着

阪神芝外2400ｍ良 10頭６枠６番
2:25.7(+0.1) 61.9-58.7 S^3
13.0-11.2-12.5-12.5-12.7-12.5-12.5-12.3-11.8-11.2-11.3-12.1

前走の神戸新聞杯はかなり頑張ったなと思っている。ペースは3.2で超スロー、つまり後続の脚は削げなかった。そのうえでの後半のＬ３最速ＴＳ持続戦。一応４Ｆで分散したのでそこまで最速ラップは速くなかったが、ダービー上位組を相手に互角に戦えたのはかなりの収穫だったと思っている。

６番枠からまずまずのスタート、外からビッグスモーキーが内に切り込んできたのでブレーキ気味、少し入り方が難しくなったがそれを行かせてから外から思い切ってハナを奪う。縦長に持ち込んでペースをコントロール、ここではしっかりと折り合って上手くギアを落としていく感じで向こう正面で息を入れるが、緩い流れなので徐々に後続も取り付いてきて３角辺りでは好位列が凝縮しだす。その流れで３角以降は徐々に引き上げながら、４角で促して下り坂も利して最速に持ち込んで直線。序盤でしぶとく粘るが外からワグネリアンが襲い掛かる。それでも先頭でＬ１に入るがさすがにワグネリアンに差され、最後はエタリオウにもぎりぎり差された。

まあもちろん負けたんだけど、ここではスローでのレースメイクで後続としては前半で脚を削がれることが無かった、というのはある。そこから４Ｆ戦に持ち込んでコーナー最速、最短距離を通せたのはプラスだったけど、こういう競馬ではＴＳ持続で世代屈指のワグネリアン相手には苦しかったと。ただし、ワグネリアンがベストの状態ではなかったというのはあるが、ダービーのエポカドーロと比較しても良いだけの競馬をしているし、後半特化の競馬でワグネリアン相手にここまでやれたのは普通に高く評価していいはず。Ｌ１でも抜かれてから踏ん張っていたし、仮にトップスピード戦になったとしてもかなり長く脚を使えるのは証明できた。距離に関してはここからも2400ぐらいで良いと思うし、もっと延びても…というのもこれまでのギアの上げ下げの上手さ、ポテンシャル面から可能性は高い。馬体増でこれだけやれたのも良い材料だし、成長を感じる競馬。

京都新聞杯(GII)５着

京都芝外2200ｍ良 17頭３枠６番
2:11.4(+0.4) 58.5-59.3 H^1
12.5-10.5-11.7-11.7-12.1-13.2-12.6-12.1-11.3-11.4-11.9

京都新聞杯では５着に敗れたが、流石に軽い馬場だったとはいえ前半が速すぎた感はある。し、中盤で少し息を入れたといっても13.2と１Ｆだけ極端に遅いという乗り方で、これでは苦しかったかなと。

６番枠からまずまずのスタートから二の足良くしっかりとハナを主張。単騎で進めてかなり引っ張って1000通過は58.5となかなかの速さ。しかし３角の坂の上りで急激にペースを落したことでここで後ろに一気に取りつかれて３角となる。３～４角で早めの仕掛けを敢行するが外のステイフーリッシュに一気に並ばれて直線。序盤で前に出られて２番手、外からアドマイヤアルバにも並ばれる。Ｌ１で交わされ３番手を死守したかったが最後は飲み込まれて５着まで。

流石にちょっと前半が速かったし、あそこまで行くなら緩めず淡々と行くしかなかったかなと思うが、３角の上りの地点で急激に落としたからね。ここで映像的にみても後続に取り付かれてしまっているからね。そこからコーナーで勝負する意識を持ったのは良かったけど、あまりいいレースメイクではなかったと思う。その中で不運だったのがステイフーリッシュがかなり積極的に攻めてきて早い段階で勝負を決めてきたというところもあるだろう。単騎で引き上げて後続各馬の早めの仕掛けの意識が強くなったし、しかも前半が速く中盤で１Ｆで極端に緩めすぎている。まあ仕方ないかな、という負け方だった。逃げ馬はペースの作り方次第で崩れることもあるし、キタサンブラックですら宝塚記念で間違えるとああなるわけで。これぐらいなら許容範囲だと思っている。

菊花賞2018への展望

個人的には神戸新聞杯の内容で本命にしたいなと思った。この馬はもともとギアの上げ下げが上手いタイプなので長距離でもいいと思っていたのはあるが、後半特化の競馬でＴＳ持続を各馬が出せる状況でも一番前にいたとはいえかなり粘ってきた。かなり強かったと思うしあれなら基本的に余力を残して前目で競馬ができれば大きく崩れることは考えにくい。それと、この馬の場合白百合Ｓも含めて結果を出してきたここ３走を見ても、直線であまり速いラップを踏んでいないという点にある。10秒台の脚を要求されるような舞台では苦しいと思うし、前半の基礎スピード面をうまく活かしてある程度引き上げたいし、その中で中盤で息を入れて良さが出ている。菊花賞は基本的には中盤の５Ｆで緩む可能性が高いレースで適性的にそこはマッチしている。また京都新聞杯は流石に速かったと思うが、大体菊花賞のペースは1000でも60秒台には入ってくるのでそこまで遅い流れにはなりにくい。今年は特にこの馬だけでなくステイフーリッシュやエポカドーロ、ジェネラーレ、アイトーン辺りがいるので遅くはならんだろうと。今の馬場なら60.5-64.5-60.0ぐらいの感じで平均ペース、中盤息を入れる形でしっかりと前目で受けて３～４角で内目を立ち回って後続に脚を使わせることができれば勝機は十分あると思っている。あとはエポカドーロやジェネラーレウーノ、ステイフーリッシュといった同型との比較になってくるけど、前走の神戸新聞杯はこの馬も中途半端にローテの間隔が開いた中で強かったし、エポカドーロは出負けが痛かったにせよ、ステイは楽に後半のパフォーマンスで上回ってきた。これなら本命候補の一頭かな。かなり期待しているし、松山はこの馬を掴み切ってほしいね。かなり走るはず。

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