第36回 ローズステークス(GII)出走予定馬展望

日程：2018年9月16日(日)
コース：阪神芝外1800ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ゴージャスランチ（横山典騎手想定）

抜群の安定感で複勝圏を外したことのないゴージャスランチがローズステークスに出走予定だ。前走のカーネーションカップでは接戦を制して２勝目、秋は同じ1800ｍ戦を選んできた。ここも複勝圏を維持して権利確保できるかが焦点、それ以上の結果で主役へと台頭できるか？

基本的には後半のトップスピード勝負で結果が出たといえるが、意外と幅広く何でもやってきているのは強みといえそう。決定的な武器には欠けるから本番でどうかは別問題として、レースレベル的には割と楽なここだと総合力が活きてくる。

カーネーションＣ(５下)１着

東京芝1800ｍ良 12頭７枠10番
1:48.6 49.7-46.3 S^3
13.2-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.5-11.0-11.3

前走カーネーションＣから振り返る。東京1800ｍ戦でペースは見ての通り3.4と超スロー。そこからのギアチェンジを伴うトップスピード戦でＬ１も11.3と落ちていない。より加速性能を高いレベルで問われた一戦。

10番枠から五分のスタート、そこから促しつつ様子を見ながらじわっと先行策、ドスローでもあり楽に２列目の外をとる。そこからは折り合い重視、前に壁がない状態でも問題なく進めて３角。３～４角でも前に対して余裕をもって仕掛けを待ち直線。序盤で３列目から追い出されての反応はそこそこ、そこからＬ２で切れたかったがここでは伸びきれずにまだ３列目にいる。Ｌ１で前が落としたところですっと伸びてきて最後は外からくるレッドランディーニをクビ差退けての勝利だった。

どちらかというとＴＳ持続を評価すべきでＬ２の最速地点での鋭さはさほどでもなかった。ギアチェンジ自体はそこそこ持っていたけどトップスピードの質そのものはそこまででもない。ＴＳ持続はＬ１の11.3で２馬身ぐらいあった差を捕えているのでＬ２－１はほとんど落としていないとみるべきだと思う。なので底は見せなかったかな。レースレベル自体はさほど高くないと思う。

スイートピーＳ(OP)３着

東京芝1800ｍ良 11頭６枠７番
1:47.9(+0.2) 48.9-46.4 S^2
13.0-11.6-11.8-12.5-12.4-12.2-11.5-11.1-11.6

２走前のスイートピーＳも近い展開となった。ペースは2.5で超スローに肉薄レベルでかなりのスロー。直線３Ｆ勝負でＬ２最速11.1。ギアチェンジをある程度必要とされたしトップスピードの質も高いレベルで問われた後半特化型の競馬。

７番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながら中団馬群の中で進めていく。道中少し掛かり気味ではあるがスローなのである程度仕方がない。３～４角で中団馬群の中で進路がないまま直線。序盤で最内に切っていくが進路が無いので外に、というスムーズさを欠く競馬。Ｌ２ではまだ３列目にいたがそこからＬ１で良い脚を使って２番手のミュージアムヒルには決定的に詰め寄ったがわずかにハナ差及ばずの３着だった。

要所で加速していく、ギアチェンジが問われた中で我慢しながら内に切ってすっと反応できていたしやっぱりギアチェンジそのものは結構持っている。ここに関して言えばやはりＬ２の地点でまともに追えず、進路を外に変えてという作業に使ってしまったのがもったいなかった。Ｌ１では伸びてきていたので底を見せていないのは良い材料かな。

未勝利１着

東京芝1600ｍ良 15頭８枠15番
1:35.8 48.2-47.6 M
12.8-11.2-11.6-12.6-13.0-11.9-11.3-11.4

個人的に未勝利勝ちが面白いなという感じ。東京マイルでペースは平均。ただし、中弛み顕著でそこからのＬ２最速２Ｆ戦。Ｌ１も落とさずという流れでパイオニアバイオを楽に破ってきた。ギアの上げ下げを問われているし、そのうえで前半３Ｆは35.6なのでそこそこ速かった。

15番枠から好発、そこから促しつつ先行争いに乗っていき、最終的には番手の外まで上げていく。３～４角では前がかなり落としたのでこちらもペースダウンに巻き込まれながら直線。序盤で追い出されてからスッと反応して堂々と抜け出す。Ｌ２の最速地点では外からパイオニアバイオに来られているのだが、Ｌ１では再び盛り返してほとんど寄せ付けず、完勝だった。

中盤で緩んだのでここで取り付いてきたパイオニアバイオにとっては結構良い展開だったと思うし、前半である程度脚を使って中弛みで取り付かれ、ギアチェンジをかなり問われたこの馬としては楽ではなかったが、要所からしっかりと最後まで脚を使えた。またここで面白いのはギアチェンジでもギアを上げられたことではなくて下げられたことだろう。35.6、つまりハロン平均12を切ってくるスピードに乗っていて、コーナーで12.6-13.0と１秒近く落とすことになる。そこでコントロールして再び11.3まで持っていけている。こういうタイプの馬は距離の融通が利きやすい。実際2000の忘れな草賞でも違うパターンでそこそこやれている。

ローズステークス2018への展望

今回のメンバー構成を見渡した時に阪神1800で一番欲しい適性を持っているのはこの馬だと思う。基礎スピードはそこまで必要なくて、どちらかというと中盤で息が入るので先行馬はギアの上げ下げができるタイプが望ましい（クロコスミアとか去年のカワキタエンカ見たいない感じ）。そして後半要素はＴＳ持続が求められる。この馬はトップスピードの質はさほどでもないがＴＳ持続は結構高いレベルにあるし、1600とはいえパイオニアバイオの追撃をほとんど寄せていないからね。これはかなり評価できる。ローズステークスの場合は前哨戦で基本的にはＬ２最速になりやすい。その点でもこの馬のＴＳ持続があれば前受けしてしっかりと粘り切れる可能性が高い。ギアチェンジは４角の下りからの競馬になるのであまり活きない舞台ではあるが、それでもＬ２最速戦になりやすいローズステークスならというのもある。総合的にみてもここでは最上位に入ってくるし、あとはノリが出遅れずにしっかりと流れを作ってややスローぐらいから直線で２～３列目内ぐらいからすっと抜け出しそのまま粘り切る、そういう競馬ができればこのメンツなら好勝負だと思っている。

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