第13回 キーンランドカップ(GIII)出走予定馬展望

日程：2018年8月26日(日)
コース：札幌芝1200ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ナックビーナス（モレイラ想定）

短距離路線で急成長、高松宮記念でも３着で台頭を果たしたナックビーナスがキーンランドカップに出走予定だ。休み明けの函館スプリントステークスでも３着とさすがの安定感を見せたが、ここでポンと重賞初制覇となるか。

適性的な不安は全くない。前走の函館スプリントＳでも高速馬場（昨年ほど顕著ではないが）の流れで強かったし、力の要る馬場の宮記念でも。使える脚はそこまで長くないが、厳しい流れの中でしっかりと脚を使えるので崩れる心配があまりない。また極端でなければ平均ペースで後半のトップスピード戦でもある程度鋭く脚を使えるので崩れにくい。今の札幌1200なら大崩れはないと思う。あとはシンプルに相手関係の問題。

カーバンクルＳ(OP)１着

中山芝外1200ｍ良 ９頭６枠６番
1:08.3 34.2-34.1 M
12.1-10.8-11.3-11.5-11.1-11.5

５走前のカーバンクルＳ勝ちから振り返る。この時は雨が少しぱらついていて標準～ややタフかなというぐらいの馬場状態。ペースは平均だが４角辺りで少し息が入っていてそこから出口で加速。11.5-11.1とある程度ギアチェンジを問われた一戦。

６番枠から好発、外から促しつつハナを主張してじわっと取り切りペースをコントロール。外からオウノミチも絡んできたが問題なく平均でまとめて３角。３～４角で息を入れて仕掛けを待ちつつ４角出口で仕掛けて直線。序盤ですっと出し抜いて１馬身半近くリードをとる。Ｌ１でもそのまま粘り込んで迫ってくるペイシャフェリシタを3/4馬身差保って封じ切った。

ここではテンの速さでレースを支配、ペースをコントロールして要所の反応で11.5-11.1と加速性能ですっと出し抜きＬ１で粘り切った形。こういう競馬もできるが、レベル的にはペイシャにかなり詰められたのはあるしこれがベストかどうかは微妙。それでもしっかりと支配して要所で動ける馬なので平均まででコントロールしてもある程度対応してくる。

高松宮記念(GI)３着

中京芝1200ｍ良 18頭４枠７番
1:08.6(+0.1) 33.3-35.2 H^2
12.0-10.3-11.0-11.4-11.5-12.3

２走前の高松宮記念では良馬場ではあったが、ややタフな馬場状態に。ペースは1.9でかなりのハイ、ラップ推移をみてもわかる通り道中はよどみなく減速ラップを踏んでいる。パワー型の基礎スピード戦とみていいだろうと。

７番枠からまずまずのスタートを切って押して先行策をとろうとするが、各馬が相当主張するのでそこまで良い位置を取れずに好位。３～４角でも好位列の真ん中で進めて直線で外に持ち出す。序盤でブリザードの後ろを狙うが少し待たされる形。それでもこじ開けてＬ２では進路確保からしぶとく伸びて２列目争い。Ｌ１では外のファインニードルに末脚少し見劣り、レッツゴードンキにジリッと迫るも３着まで。

力の要る馬場でのハイペースで前が飛ばす中、追走に少し苦労したかなというのはある。ただそれでも好位から少し待たされつつも直線しぶとく伸びてきたし、相手も強敵で特にレッツゴードンキ相手にここまでやれた、ダンスディレクターやセイウンコウセイはしっかりと封じ切っている。レベル的にも十分評価できる３着だったと思う。もちろん勝ち切れないなというのは感じるが、基礎スピードを高いレベルで持っているのは強みだろう。

函館スプリントＳ(GIII)３着

函館芝1200ｍ良 16頭４枠７番
1:07.7(+0.1) 33.1-34.5 H^2
11.8-10.4-10.9-11.3-11.3-11.9

前走の函館スプリントＳでは３着だが内容的には十分強い。ただし、強い競馬をして勝ち切れないという面は当然解消できなかったということになる。ペースは1.4でかなりのハイ、昨年ほど超高速馬場ではなかったが、それでも開催序盤である程度高速馬場状態。よどみない流れで軽い馬場での基礎スピード戦というところだろう。

７番枠からまずまずのスタート、押して楽に先行争いに加わっていくが、途中からセイウンコウセイが内から積極的に引き上げていくので２列目の外での競馬となる。３～４角でも２列目の外で前２頭を目標にしながら直線。序盤で２列目外からじりじりと伸びてＬ１まで粘るセイウンコウセイに迫るが、外からヒルノデイバローに差されて星雲は捕え切れずの３着だった。

複勝圏は確実、あとはどこまでというところでの３着という感じで強かったのは間違いない。このペースで開幕週の函館で３～４角では２頭分外からの競馬になった。ただし、そこをねじ伏せ切れるほどの基礎スピードとポテンシャルではなかったという感じ。いずれにせよ軽い馬場でもタフな馬場でもハイペースでの適性は高いレベルで見せているのは強み。

2018キーンランドカップへの展望

札幌の今の馬場なら不安はほとんどない。仮に平均でコントロールする形になってもカーバンクルＳのように要所でしっかりと加速して出し抜く脚を持っている。一番よくないのがシルクロードＳみたいに外枠で緩い流れで12.2-10.9-10.9-11.1-11.5-11.7とコーナーで速いラップを踏む形。末脚の絶対量はそこまでない（ソルヴェイグやダイアナヘイローよりは高いレベルにあると思うが）ので、外から勝ちに行く形になると甘くなる可能性が高くなるのでそこは注意だろう。内からでもある程度器用に動ける馬なので、理想は内枠で逃げる、或いは２列目のポケットというところを狙う形だろう。宮記念でも好位の中目で待たされて、というのはあるしそれでもドンキと遜色なかった。総合的にみてもここでは１，２であとは別路線との比較になる。それでもパワー型の基礎スピードタイプ、と考えるとやはり宮記念路線が一番だと思うし、複勝的な軸としては信頼しやすいのは間違いない。今の馬場だと何ともだが、出来れば内目の枠で大外枠だとちょっと評価を下げたいかな。モレイラは試験勉強で忙しいのかピーク時に比べると神がかってないし、重賞では特にその傾向かなと思うがそろそろらしさを見せてほしいかな。