競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

日本ダービー 2018 出走予定馬:ワグネリアン&福永想定

time 2018/05/22

日本ダービー 2018 出走予定馬:ワグネリアン&福永想定

第85回 日本ダービー(GI)出走予定馬展望

日程:2018年5月27日()
コース:東京芝2400m

予想用・出走予定馬一覧

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ワグネリアン(福永想定)

無敗で東京スポーツ杯を完勝した素質馬ワグネリアンが日本ダービーに出走予定だ。弥生賞ではダノンプレミアムに完敗、皐月賞ではダノン不在の中で1番人気に支持されながらも7着と掲示板を逃した。それでも日本ダービーの舞台でこその末脚を持っている馬だけに怖さはある。不惑に入っている福永祐一が悲願のダービー制覇となるのか?

ワグネリアンはタイプ的には祐一とはあまり合ってないとは思うんだよなあ。どうしても動き出しの遅さがある馬で、出し切れればいいものを持っているんだけど。ただそれでも弥生賞でダノンプレミアムに出し切っての完敗なので、皐月賞で上位だった差し馬と比べても優位性があるのかどうかは何とも言い難い。

東京スポーツ杯2歳S(GIII)1着

東京芝1800m良 7頭3枠3番
1:46.6 46.5-48.1 H^2
12.4-10.9-11.4-11.8-12.0-12.3-12.0-11.8-12.0

まずは3走前の東スポ杯勝ちから。ペースは1.6でかなりのハイだがこれは前3頭が少し離していた面もある。ただそれでも離れた4番手でも48秒前半ぐらいなのでそこそこには流れている。そのなかで離れた前3頭を捕えに行っているので仕掛けも早いしL2の段階で抜け出しているのでこの馬がL1の12.0を刻んでいると。出し切っているとみていいのかなと。

3番枠から五分には出たが無理はせずに後方からの競馬。道中もかなり離れて後ろから進めるがそれでもそこまで遅い流れというわけではない。3~4角でも前との差が離れている中で外からじわっと差を詰めて直線。序盤で前のカフジバンガードを目標に追い出されて並びかけ、L2でそこからしぶとく伸びて先頭に立つ。最後までしぶとく伸びて突き放しての3馬身差完勝。

とにかくまずは出し切っていると。ペースが前がかなり飛ばしていて4番手の位置でも48秒前半ぐらいという中で前を捕えに3~4角で動きながら直線入りで既にある程度速いラップをおそらく踏んでいただろうと。L1で抜け出し切って後続を突き放しているが、早めに仕掛けてもこれだけの脚を使ってきたという点を評価しないといけないだろうと。ただし、やはり冷静にみてもここのメンバー構成は比較的楽だし、ペースも速かったので仕方ないが瞬間的な鋭さはそこまで要求されていない。時計的にも土日通してみて高速馬場だったので、そう考えるとそこまで高いレベルとは言えない。個人的にはサウジ戦の方が1枚上かなという感じ。なのでこのレベルまでくるとあまり高く評価できるかは微妙なラインかなと。

弥生賞(GII)2着

中山芝内2000m良 10頭7枠8番
2:01.2(+0.2) 61.5-59.5 S^2
12.5-11.0-12.5-12.8-12.7-12.4-12.8-11.7-11.0-11.6

個人的には2走前の弥生賞の方が敗れはしたが評価できるかなと思っている。ペースは2秒でかなりのスロー、そこからの3F戦。ただしラップの字面でみればギアチェンジが問われている感覚だが、ダノンが3~4角で視覚的に動いて見えたので後ろにいたこの馬としては割と仕掛けの意識を強く持てたと思う。それでも差し込んできたのはL1だった。

8番枠からまずまずのスタート、無理はせずにコントロールしてジャンダルムの後ろをとっていく。道中もジャンダルムの後ろをマークする形で我慢しながら3角。3角でダノンが差を詰めていき、それを意識したジャンダルムの外から促しながら4角では軽く鞭も入って追い出されるが少し置かれる。序盤では3馬身ほどあった前との差が詰まってこないがL1の坂の地点でしぶとく伸びて2着を確保した。

おそらくL2の最速地点の11.0ではそれ以上のラップは踏めていない。3馬身差ぐらいからL1で1馬身半まで詰めたので、おそらく11秒台前半に近い脚を使っているんだが、瞬間的な決め手では見劣っていると思う。出し切れれば面白いなというタイプだと思うが、トップスピードの質は案外そうでもないかなというのが正直な感想。それでもしっかりと動く意識を持てればL1までしぶとく伸びてきたようにTS持続力は高いレベルにある。し、これがダービーで勝負するうえでのポイントになるだろう。

皐月賞(GI)7着

中山芝内2000m稍 16頭1枠2番
2:01.6(+0.8) 59.2-61.6 H^2
12.6-11.0-11.9-11.5-12.2-11.9-12.4-12.4-12.7-12.2

皐月賞ではもうちょっと頑張ってほしかった面もあるが、やっぱり福永的な競馬にはなってしまったかなと。ダービーでもそうならなければいいが。ペースは2.4でかなりのハイだがこれは前3頭が別の競馬で進めていたもの。実際はエポカドーロの位置ではスローで3~4角でじわっと動いていくという流れの中でエンジンをかけ切れなかった面はあるかなと。

2番枠からゲートは好発でそこから控えてという形で中団。馬場のいい外目を意識しつつ進めていく。向こう正面でもジャンダルムを意識しながら進めるような感じだが、動き出しのないまま3角へ。3~4角でもまだエポカドーロがそこまで動かない中で大外を回す羽目になるがコーナーで動けずに置かれてキタノコマンドールの並ばれる。後方列から直線もジリジリとは来ているが窮屈にもなり最後はあまり追えずの完敗だった。

難しい条件だったのは間違いないが、結局動き出しが鈍い馬で3~4角で加速していく流れの中で大外をぶん回しつつ加速しないといけなくなったが、それができなかったという感じ。キタノコマンドールはさらに外から伸びているのでその辺りの差が出たというか、機動力が足りない感じだったかなと。福永的には前を捕えにある程度エポカドーロ辺りが動くと踏んでいたかもだが、結果的には加速に苦労したのが響いて下げながらになったのがね。

2018日本ダービーへの展望

勝つチャンスがあるとすれば、大前提としてTS持続を出し切ってのバテ差しになると思う。トップスピードの質はドスローだった新馬戦でも2列目外からL2-1で11秒前後のラップだがおそらく10秒台後半まで。この時は超高速馬場だったし何せ53.7-45.5のバランスなのであてにしづらい。一応現実的にみて弥生賞が力の要る馬場で11.0を詰められなかったことからも高速馬場ならせいぜい10秒代後半というところだろう。そう考えると質的にはワグネリアンより上の馬は多い。ただし弥生賞でも見せたようにTS持続は高くエンジンがかかってからそれを維持するのは強み。皐月賞は馬場も渋っていたし、恐らく全体の仕掛けが遅かったのもあるのでエンジンのかかりの悪さが出てしまったかなと。府中の2400でもL2の坂の上りに向けて加速していくというような競馬では置かれるリスクが高くなる。そうならないように運べるかが肝要だが、福永の騎乗スタイルだとそうなるリスクが高くなると思う。あとは展開的に前がやりあって我慢している競馬がかみ合うかどうか、というところだろう。そういう点でも他力本願になる可能性が高い。東スポ杯はこのレベルまでくると時計的な評価は難しいしレースレベルも微妙なところ。出し切れれば馬券圏内も十分あり得るとは思うが、騎手の適性がダービー的に噛み合いにくいので。そういったところも考えると強くは推しづらい。ゲートは良いが、下手にポジションをとって満足して内内で我慢してしまうよりは少し遅れても良いから仕掛けの意識を強く持ってしっかりとエンジンをかけていく意識が欲しい。もちろんオークスのアーモンドアイのルメールのように強いと信じてポジションをとって早めに仕掛けてという形が見られればそれが一番怖いかなと正直に感じる。それができないと思うので重い印はまずないかな。

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