第13回 ヴィクトリアマイル(GI)出走予定馬展望

日程：2018年5月13日(日)
コース：東京芝1600ｍ

予想用・出走予定馬一覧

アエロリット（戸崎想定）

昨年は府中マイルGIのNHKマイルカップを牝馬ながら制覇した名マイラーのアエロリットがヴィクトリアマイルに出走予定だ。秋華賞では道悪に苦しんだが、その前のクイーンステークスでは古馬を相手に圧倒する逃げ切り勝ち。得意のマイルGIは譲れない、府中のマイルで全馬をまとめて抑えきれ。

う～ん…ノリはこちらではなくミスパンテールを選んだのか、それとも馬主の意向なのか。戸崎もレースメイクに関しては少なくとも振り切った競馬ができない印象ではあるので、アエロリットにとって良いペースを作れるかどうかが最大のポイントかな。あとは明確に良馬場が望ましい。桜花賞を見てもやれるとは思うが、道悪になると他に付け入るスキが出てくると思う。基礎スピードではここでは２枚ぐらい抜けていると思うので怖がらずにしっかり46秒前後を作ってほしい。

NHKマイルカップ(GI)１着

東京芝1600ｍ良 18頭８枠16番
1:32.3 46.1-46.2 M
12.4-10.9-11.2-11.6-11.8-11.3-11.3-11.8

やはり府中のマイルで強かった昨年のNHKマイルカップから振り返ろう。ペースは見ての通りの平均で３～４角での緩みも11秒台でまとまっていてほとんどない。厳しい流れの中での競馬となったのは言うまでもないだろう。前半の基礎スピードと後半のＴＳ持続を問われた一戦。

16番枠から好発を切ってそこから様子を見ながら促しつつ２列目でまずは入っていく。道中も壁が作れず折り合い面で少し苦労しつつも２列目でコントロール。３～４角で若干緩んだとはいえまだ11秒台の流れで先頭列に取り付いて直線。序盤で追い出されて反応してしぶとく伸びるがまだ抜け出せない。しかしＬ２の半ばぐらいから徐々に先頭に立ち、外から迫ってきたリエノテソーロをＬ１で振り切って１馬身半差の完勝。

強い競馬だったと思う。外枠で良いスタートを切ったがそこで壁を作れずにコントロール。しかも流れが46.1なので絶対的にみればかなり速い、そこから後半もフラットにまとめてきている。これは基礎スピードだけでなくしっかりとここから後半のトップスピード持続力を引き出せた。要所である程度動ける方だがトップスピードの質は少し足りない馬で、Ｌ２では実はリエノテソーロの方が脚色が良かった。それでもＬ１の踏ん張りを持っているのがこの馬の強みだ。

秋華賞(GI)７着

京都芝内2000ｍ重 18頭１枠１番
2:01.4(+1.2) 59.1-61.1 H^2
12.2-11.0-12.4-11.9-11.6-12.0-12.1-12.5-12.1-12.4

秋華賞では重馬場で２秒とかなりのハイペース、そこからの後半は５Ｆで12秒台を連続する消耗戦となっている。このケースの場合は前半のパワー型基礎スピードをかなり要求されたとみていいだろうと。もちろん2000ｍ戦の話だが。

１番枠から好発を切ってある程度促していきつつ最終的には２列目のポケットで進めていく。出して言った分もあるが道中は少し掛かり気味で２列目のポケットで折り合わせながらも２番手に上がる感じになる。３～４角では番手で一つ外を通しながらだが外から一気にモズカッチャンに来られてしまう。そのままＬ２で２列目に交代、Ｌ１では流石に下がってしまった。

2000はちょっと長かったかなという感じはした。力の要る馬場もペースも桜花賞で問題なかったと思うし、その中でここでは２秒のハイなのでしんどかったとは思うがそれでもモズカッチャンにあっさり交わされた辺りは恐らく距離の問題だろう1800なら何とかなってもなかなか2000で重馬場でとなると簡単ではなかったかな。

中山記念(GII)２着

中山芝内1800ｍ良 10頭８枠10番
1:47.6(+0.0) 47.7-48.4 M
12.8-11.7-11.7-11.5-11.5-11.8-12.2-11.9-12.5

前走の中山記念ではスタート後の坂の上りがきつい中山1800としては前半が速く、平均でもややハイよりとなっている。そこからＬ３－２で再加速の流れだが、前に行った馬は基礎スピードを最重要視された一戦かなと。

10番枠からまずまずのスタート、そこから外枠でも積極的に先行策、しかしマルターズアポジーが主張したので行かせて２番手で進めていく。道中もマルターズから２馬身半差ぐらいの位置で前の流れで進めて３角。３～４角でも前のマルターズの後ろで２馬身半ほどの差をキープ、仕掛けを待ちながら４角で促しにかかるがここでは反応が悪く一気にウインブライトに交わされて直線。序盤でそこから沈むかと思いきやじりじりと伸びる。ラストはしぶとく踏ん張ってむしろウインとの差も詰めてくる２着だった。

前のマルターズを行かせて遊ばせて仕掛けを待ちながらという形だったと思うが、結果的に要所で後ろから勢いをつけてきたウインブライトに先に出られてしまったのもあると思う。Ｌ１の踏ん張りは想像以上で、これがこの馬の最大の武器にはなる。機動力自体結構持っている馬だが、やはり一番はＴＳ持続なり、ポテンシャルなり素材面で良さがある。そして一番は基礎スピードかなと。

2018ヴィクトリアマイルへの展望

実は今回のメンバー構成でみると、アエロリットが一番マイルでの持ち時計が速い。それでも31秒台に入っているわけではないが、それでも３歳の春の段階で1:32.3という好時計を叩きだしてきているように基礎スピードの高さはトップレベルなのはもう間違いない。後はとにかく自分のペースで進められるかどうかだろう。この馬のペースは高速馬場のマイルなら基本的に46秒ぐらいで引き上げていくのが理想、先週ぐらいの馬場なら46で入って46でまとめるぐらいのことはできると思う。そういう競馬に持ち込まないと、例えば47秒ぐらいでスローになってしまうとこのメンツなら10秒台のラップを問われてしまう。トップスピードの質はここまでくるとおそらくアドマイヤリードやミスパンテールはもちろん、リスグラシューやドンキ、デアレガーロ辺りにも普通に見劣ると思うので、そういう競馬には絶対にしてほしくない。多少雨が降ってもマイルなら桜花賞からまともに流れに乗れば問題ないと思う。後は戸崎がそういうレースメイクをできるかどうかだけど、まあ前走の中山記念でもやれたわけだし頑張ってほしい。ペースさえ引き上げてしまえばこのメンツなら一枚上で、あとは厳しい流れでパフォーマンスを上げてくる馬がどれだけいるのか、というところかなあ。

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