2018福島牝馬ステークスの出走予定馬展望

第15回 福島牝馬ステークス(GII)　福島芝1800ｍ

日程：2018年4月21日(土)

予想用・出走予定馬一覧

デンコウアンジュ（蛯名想定）

かみ合った時の末脚は魅力、昨年のヴィクトリアマイル２着の実績が光るデンコウアンジュが福島牝馬ステークスに出走予定だ。近走も安定して末脚を発揮しているが、勝利となると２歳時のアルテミスステークス以来となってしまう。善戦からの脱却が求められる中、この舞台で久々の勝利の美酒を味わいたい。

基本的に中弛みに乗じたときに最も瞬間的な切れ味を引き出せるタイプで正攻法でどうこうとなるとちょっと足りない。福島1800なら昨年のように動いて勝負するのではなくどこかでうまくかみ合わせて待って鋭さを引き出せればというところだが…できれば高速馬場が望ましい。

ヴィクトリアマイル(GI)２着

東京芝1600ｍ稍 17頭
1:34.1(+0.2) 47.9-46.0 S^2
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.3 – 12.2 – 11.1 – 10.8 – 11.9

まずはこの馬の代名詞、中だるみでの強烈な切れ味を引き出し２着に差し込んできた一戦。稍重でもあり馬場とペースのバランスが読みにくい中で中盤に12.3-12.2と緩い流れから直線で10.8と最速10秒台の強烈な切れ味を問われた。

10番枠から五分には出てそこから無理はせずに中団馬群の真ん中ぐらいで我慢する。３～４角でも中弛みの展開になり、ここで息を入れつつ４角で外に出して早めに動いて直線で外。序盤で追い出されてからの反応が良く好位列に並びかけてからが速い、Ｌ２の最速地点でまとめて交わして２列目まで上がる。Ｌ１ではその勢いほどには伸びなかったがそれでも２着はしっかりと確保した。

この馬はギアチェンジの性能がそこそこ高いのとトップスピードの質が高いのが武器。このヴィクトリアマイルと勝ったアルテミスＳが同じような展開で強敵相手にかなり強い競馬をしている。前半は多少早くても良いが中盤に緩みがあって遅い状況から直線でトップスピードまで持って行く、ギアチェンジが問われたときに結果が出ている印象だ。

ターコイズＳ(GIII)３着

中山芝外1600ｍ良 16頭８枠14番
1:34.2(+0.0) 47.7-46.5 S^1
12.5 – 11.6 – 11.8 – 11.8 – 11.8 – 11.7 – 11.2 – 11.8

３走前のターコイズＳでは３着と善戦ぶりを発揮したがやはり３着どまり、という感じ。ペースは1.2でスロー、ラップ推移的にみると中盤以降は11秒代後半からのＬ２最速戦で仕掛けが遅い。ギアチェンジも問われた一戦で良さも出たし足りない面も出た。

14番枠からやや出負け、外枠でもあり無理はせずに中団やや後ろ目ぐらいで進めていく。道中もラビットランを見るような感じで進めて３角。３角で先に外から動いたエテルナミノル、それに呼応したラビットランの後ろでワンテンポ仕掛けを待って、４角ではラビットランの後ろから直線で大外。序盤で中団列から追い出されて反応はそこまでよくないがＬ１ですっと伸びてくると最後は良い伸びを見せての３着だった。

ミスパンテールにはギアチェンジ面でも見劣ったかなという感じだが、それでも外からＬ１までしぶとく脚を使って伸びてきた。上位２頭は内で我慢して瞬時に反応してきたが、こちらは外から仕掛けを待ったとはいえロスが多かったしそれでも最後まで脚を使ってきたというのは評価できる。ＴＳ持続もある程度みせたし後半の総合力が高いのは魅力。

阪神牝馬ステークス(GII)11着

阪神芝外1600ｍ良 13頭４枠５番
1:35.4(+0.6) 49.1-45.7 S^3
12.9 – 12.0 – 12.3 – 11.9 – 11.9 – 11.0 – 11.1 – 11.7

阪神牝馬Ｓでは一転して伸びきれなかった。ペースは超スローでＬ３最速と仕掛けが早く４角地点が最速のＴＳ持続特化戦となった。

５番枠からまずまずのスタートを切ってそこから促しつつも結局は中団ぐらいでの競馬となってしまう。道中もドスローの流れで中団の後ろから３角。３～４角でも仕掛けを待ちながら、４角で外目から促しつつ直線となる。序盤で追い出されるがここではそれなりに伸びかけていたが、Ｌ１の手前ぐらいで甘くなって伸びきれないままの完敗だった。

ここではＬ３最速で仕掛けが速い中でしかも外々を回す羽目になった。それにこのレースは後半特化の競馬になってしまって前の馬も余力があった。前半が速くて中弛みで、というパターンだとそうでもないが全体でスローになってしまうと他も落ちないからこの馬の決め手だけでは通用しない、という感覚かな。それと東京みたいに坂の上りで加速するのは得意だが、それ以外では少しパフォーマンスを落としている感はある。

2018福島牝馬ステークスへの展望

個人的には府中巧者ではあると思っている。府中牝馬Ｓみたいにドスローで３Ｆ勝負では純粋な末脚勝負で難しい印象だが。ヴィクトリアマイルでも２歳時のアルテミスＳでもそうだが前が前半それなりに作って中盤で息が入って、という中で後半のギアチェンジやトップスピードの質、持続力という３要素を引き出してきている感じ。前半からドスローだと前も削がれないので、純粋な決め手では足りないタイプだと思う。実際前走の阪神牝馬Ｓみたいにスローで４角下りから加速となってしまうとギアチェンジの性能も相対的に活かせなくなるし、阪神外回りで崩れる傾向が強いのはその辺かなと。昨年の福島牝Ｓでは厳しい流れで動く足を見せていたし、意外と前半の基礎スピードが問われたほうがいいかもしれない。極端なスローで仕掛けが早いと良さが出にくいし、これまでの傾向を見ても意外と極端なスローは得意としていない。流れても脚を使える感覚はあるので小回りの1800で我慢して一瞬の脚をうまく引き出せれば。それでも狙うとして押さえまでかな。

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