競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

共同通信杯2018 出走予定馬:オウケンムーン、素材は光る…が、まだ完成度が低い印象で府中1800がどうか

time 2018/02/08

共同通信杯2018 出走予定馬:オウケンムーン、素材は光る…が、まだ完成度が低い印象で府中1800がどうか

日程:2月11日()
第52回 共同通信杯(GIII)
東京芝1800m
予想用・出走予定馬一覧

菊花賞馬オウケンブルースリの仔にして新馬戦、500万下と初めて産駒で2勝を挙げたオウケンムーンが共同通信杯に出走予定だ。トニービン系も直系としてはなかなか枝葉が伸びていかない中で、血統は地味ながらも強い競馬でここまで台頭してきた。血統はステイヤー色が強いが、1800mでどこまで戦えるかに注目だ。

まあ正直もうちょっと距離が欲しいかな。新馬戦では1800mで後ろから包まれながら上がり最速もエンジンの掛かりが余り良くない感じ。2000に延ばしたここ2走でポジションが良くなっているし、あまり速いラップを要所で問われない方が合っている感じかな。

新馬戦 4着 15頭3枠4番
新潟芝外1800m稍 1:49.2(+0.7) 48.5-46.8 S^2
12.8-11.6-12.1-12.0-13.2-12.9-11.4-10.6-11.9

新馬戦から順を追って。新潟の外回り1800mでワンターンのコース、ペースは1.7と新馬戦としては現実的には流れた方。ただ前半は速いが中盤は13.2が入っているように中弛みはあったしそこからのL2最速トップスピード戦。

4番枠からやや出負け、そこから二の足はまずまずだったが控えて中団馬群の中で進めていく。道中はそこから更に包まれてしまってポジションダウン、後方に下がって3角と最悪の形となる。3~4角でも最内を立ち回りながら後方各馬を外から行かせてから直線で大外となる。序盤で追い出されるが反応も悪いしジリジリとしか伸びてこない。それでもL2で中団からL1ではいい脚を使って伸びてきての4着だった。

エンジンの掛かりが遅そうな感じなのにまして直線までの持って行き方が悪かったので…。まあ新馬戦だし包まれてしまったこと自体は仕方が無いが、結果的に見ても明らかに脚を余す形になった。ただゲートは遅かったが二の足自体は結構悪くなかったし、その辺りがもうちょっと噛み合ってリカバーできていたらまた違う競馬になったかもしれないなと。力という点では底を見せない負け方だったのは良い材料。

未勝利 1着 11頭6枠7番
新潟芝内2000m良  2:01.8R 61.6-60.2 S^1
12.7-11.4-11.8-12.9-12.8-12.5-12.3-11.9-11.7-11.8

未勝利勝ちは2歳レコードのおまけつき。ペースは1.4でスローだがこの時期の2歳2000mとしては流れた方といえる。そこから向こう正面ではそこまで上がらず、3~4角でじわっとペースが上がってのポテンシャル戦。ラストまで落とさなかったのは立派。

7番枠からここでももっさりと出てやや出負け、そこから勢いをつけていくまでに時間がかかったが外枠でもあり包まれずに徐々に押し上げながら2列目の外目までリカバーして入っていく。向こう正面でも2列目の外目でしっかりと動ける位置で追走、序盤に少し接触等もあったが折り合いも問題なく。3~4角で外から楽な手ごたえで先頭列に並びかけて、4角では追いこして先頭に立って直線に入ってくる。序盤でそのまま後続を千切り捨てるパフォーマンス。ラストは後ろをちらっと見てから流しての余裕を持っての圧勝だった。

まあ、まさに楽勝というやつ。ただ最序盤は危うさがあったしやはりゲートは課題になりそうかなと。あそこからリカバーできて3角では前を向いて勝負に行ける一にいたからここまで突き放せたと思う。強いしポテンシャルは相当高いレベルにあって楽しみだが、完成度はまだまだ低い。

500万下 1着 12頭3枠3番
中山芝内2000m良 2:03.4 63.3-60.1 S^3
12.6-11.0-14.0-13.0-12.7-12.0-12.5-11.8-11.7-12.1

前走の500万下戦でも強い競馬での完勝だった。基本的に出し切れればこれまでも強い競馬をしてきている。今回も3.2と超スローで、向こう正面で少しペースは上がったが、L4で少し息が入っている。それでもポテンシャル戦だろう。

3番枠からここではまずまずのスタートを切って楽に先行策。外目外目に誘導したかったが外から内に切り込んでくる各馬がいてむずかしく好位の中目で進めざるを得ない。1~2角でも馬群の中で進めざるを得ない展開だったが向こう正面でヴェロニカグレースが捲ってくれたことで前が飛ばしてスペースが産まれだす。そこを拾いながら上手く外に持ち出して3角。3角でタイプムーンが前に動いていってくれたのでその後ろを通しながら4角で外に持ち出し楽な手ごたえで直線。序盤で堂々と先頭に立つと、最後まで後続を寄せ付けずに楽に振り切っての完勝だった。

とにかくポテンシャルを発揮できれば強いし、スローロンスパに近い形でもしっかりと突き抜けきった。ラストで少し落としているのでそこまで強烈とまではいわないが、スローロンスパの形でも力を見せてきているし一定の評価は必要だろう。ただ正直未勝利勝ちのインパクトが強いし本来ならもう少し前半から流れた方が良かったかもしれない。

●2018共同通信杯に向けての展望

血統的にはオウケンブルースリが父、母父がエリシオでこれだけ見ればコテコテのステイヤー血統という感じ。ノーザンダンサーのインブリードが結構濃くて18.75%と奇跡の血量になる。割とTS持続につながることが多いイメージでそこは今後楽しみ。ただ現時点ではノーザン色強く、ステイヤー型の傾向ではあると思うしそれももう少し距離を延ばすことで前半をゆったり入りながら主導権を取りた、という感じ。ワンターンで府中の1800mでどうしてもゲート、二の足がちょっと物足りない。前走で上手くゲートは出たのでそのまますっと2列目辺りを取れれば面白いかも?というのはある。新馬はラストに伸びているようにエンジンの掛かりが悪かったがL1は来ていた。トップスピード戦でも一定の目途は立てているが、それでもギアチェンジや質的に分が悪いかなというのはある。エンジンの掛かりが遅いのは確かだし、包まれてしまうとなかなか難しい。また新潟の未勝利勝ちの印象は強いが顕著にスローで後半特化の戦いとなるとそこまで高いレベルには無いかなと。今の段階では距離を延ばして主導権を握り、適度なペースを作って前目からしぶとくポテンシャルで粘る、そういうイメージかな。京都新聞杯~ダービー辺りで面白いとは思うが1800でとなるとやはり最序盤、そして要所の反応がカギになる。外目の枠が欲しいかな。馬券的には押さえまで。

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