東京新聞杯2018 出走予定馬：クルーガー、京都金杯は仕掛けを待たされた面はある…瞬間的なキレは足りないが、出し切れれば不気味

日程：2018年2月4(日)
第68回 東京新聞杯(GIII)
東京芝1600ｍ
予想用・出走予定馬一覧

昨年秋には不良馬場の富士ステークスで３着と復調、今年初戦の京都金杯でも２着とマイル路線で流石の存在感を見せているクルーガーが東京新聞杯に出走予定だ。元々マイラーズカップで強い勝ち方を見せていた実力馬、骨折を経てもその健在ぶりを2018年もアピールできている。ここで久々に勝利の美酒を浴び、更なる飛躍へとつなげることができるか。

前走の京都金杯でも上手く噛み合っていればというところでの２着なので、やはり高いレベルの馬だとは思う。厳しい流れでもやれるしトップスピードの持続力も高い。ただ基本的には出し切ってこその馬だし、その点ではスパッと切れる脚も持っているグレーターロンドンとの比較では見劣るかなと思う。現時点ではそれを前提にはしておきたい。

●京都金杯(GIII) ２着 13頭８枠13番
京都芝外1600ｍ良 1:34.4(+0.1) 46.8-47.5 M
12.2-10.6-11.4-12.6-12.4-12.1-11.4-11.6

前走の京都金杯はペースがそこそこ流れたことでレース全体の仕掛けの意識が遅くなった形。0.7でややハイに肉薄するレベル、そこからの２Ｆ戦で３～４角の地点ではレースラップでは12秒台と割と遅かった。そこからのギアチェンジをある程度問われているし、３～４角の地点で動けなかった馬は特にその辺が重要だった。

13番枠からまずまずのスタート、そこから無理せずに抑えて中団に下げていくという形になる。道中はレッドアンシェルの後ろで見るような感じで進めて３角。３～４角で前もペースダウンしていく流れ、中団の中目に入り込んで仕掛けを待たされるような形で直線。序盤でそこから追いだされるが反応が鈍くここで一気にブラックムーンらに出し抜かれる。Ｌ１でようやく捌いて伸びてきての２着確保となった。

最序盤の段階で良い位置を取れそうだったのに中団ぐらいまで下げた。まだこれは良いが、結局３～４角でゆるんでいてペースが落ちている中でこちらは仕掛けることができずに外から一気に押し上げてきたブラックムーンに並ばれて直線。こちらは緩い地点で我慢して直線で加速する必要があったのに対し、ブラックムーンは既にスピードに乗っていたので直線入りで一気に出し抜かれたといえる。Ｌ１では伸びてきたので悪くはないし、２着といっても噛み合ったものではないのでそこは評価したい材料かな。

●マイルＣＳ(GI) ７着 18頭５枠10番
京都芝外1600ｍ稍 1:34.1(+0.3) 46.7-47.1 M
12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1

２走前のマイルＣＳでは悪くは無いが正攻法ではトップクラス相手に通用しなかったかなと。稍重で力の要る馬場、ペースは平均で収まったがＬ３最速11.5、トップスピードは問われないものの仕掛けは早かったし後半はポテンシャル寄りの競馬。

10番枠から五分には出てそこから押して追走しつつも中団の外目でという競馬になる。道中も中団の外目でイスラボニータを目標にしながら３角。３～４角で後方外目から追走、コーナーワークで置かれて後方で直線に入ってくる。序盤でそれでもしぶとく伸びて中団まで取り付き、Ｌ１までしぶとくなだれ込んだが同じ様な位置にいたブラックムーンやイスラボニータには伸び負けしての７着完敗だった。

正攻法で進めたのだが、結局後半勝負で外から出し切って勝ち切れるほどのポテンシャルを持っているわけではなかったと。もちろん強敵が相手だったと思うし、イスラなんかも苦しい形になって伸び切れなかった、６着ブラックムーンが京都金杯を勝っているわけで、そのレベルなら通用するともいえる。ここではコーナーの段階で脚を使わされているラップ推移だったしそこで終始外目では苦しかった、悪くはない。

●富士Ｓ(GIII) ３着 15頭７枠13番
東京芝1600ｍ不 1:35.2(+0.4) 47.8-47.0 S^1
12.6 – 11.3 – 11.7 – 12.2 – 12.0 – 11.2 – 11.2 – 12.6

富士Ｓでは不良馬場の中でＬ３最速タイ、３～４角の地点では12秒台に入っていて息が入っての直線勝負、ＴＳ持続戦という感じの競馬になったかな。ここではＬ１の伸びが良かった。

13番枠からやや出負け、ある程度追走しながら入って団子状態の中で最後方近くで３角に入ってくる。３～４角でも後方外々から仕掛けながら直線で上手くイスラボニータの後ろを取る。そこからしぶとく伸びてＬ２の地点で中団列を切り裂き、Ｌ１でレッドアンシェルを捕えてイスラボニータにも接近の３着。

マイルＣＳの場合は３～４角で速いラップを踏んでいたので難しかったが、不良馬場でタフな状況でもコーナー地点では緩め、直線で最速ラップを踏むという競馬だったので外目を通したのもそこまでデメリットにならなかったかなと。出し切りたいタイプではあるので、Ｌ３最速タイでＬ１が大きく減速する流れの中で最後まで脚を使ってきたと。ただそれでもイスラやエアスピネルに完敗。特に対イスラで考えると位置取り的にイスラが悪かった富士Ｓ、マイルＣＳでも見劣っているので単純にそれよりは評価を低くしないといけない。

●2018東京新聞杯に向けての展望

マイル路線では第２グループぐらいには当然入ってくると思うが、トップクラスにはちょっと足りないだろうと。ゲートは良い時もあれば悪い時もある、二の足はさほど速くもないので後ろからになる可能性が高い。ＴＳ持続は高いレベルにはあるが瞬間的な切れ味はさほどでもないし、位置取りがイマイチだったイスラボニータにも先着を許している。今回は強敵が揃っているし、何よりもグレーターロンドンやアドマイヤリードといった瞬間的なトップスピードの質を高いレベルで持っている馬が多く、また前目から長くＴＳ持続を発揮してくる馬もダイワキャグニーがいる。GIではないが結構強敵が揃ってきたので、その辺りと比較すると瞬時の反応やトップスピードの質は見劣る。Ｌ３最速で出し切った時には怖さはあるし、前走も嵌っての２着ではないのでそこは評価したいが今回は３着ヒモあたりで考えたいかな。

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