2019/02/02
日程:2018年1月21日(日)
第59回 アメリカジョッキークラブカップ(GII) 中山芝外2200m
予想用・出走予定馬一覧
昨年の中山牝馬ステークスで鮮やかに抜け出し勝利をものにしたトーセンビクトリーがアメリカジョッキークラブカップに出走予定だ。クイーンステークスでも2着と結果を残したが、昨年秋以降は尻すぼみの結果に。それでも有馬記念は一瞬見せ場もあったし不利もあった。混合GIIと楽ではないが、持ち前の先行力を武器に波乱の勝利へと導けるか。
タイプ的には厄介な存在。ただ今回はマイネルミラノがいるので後続の仕掛けのスイッチは恐らく早めに入れられてしまう。それまでにどこにいるかだろう。理想を言えばミラノよりは前で3角までに内内に潜り込んでミラノを外から行かせる形。前にトミケンがいてミラノが仕掛ける中で少し離れた2列目ポケットを確保と、そこまで持ち込めれば結構怖い存在。
●中山牝馬S(GIII) 1着 16頭2枠4番
中山芝内1800m 1:49.4 50.2-47.0 S^3
12.9 – 12.3 – 12.6 – 12.4 – 12.2 – 12.1 – 11.8 – 11.3 – 11.8
まずは昨年の中山牝馬Sから振り返る。中山の1800、坂スタートでペースが上がりにくく、後半の3F勝負でL2最速11.3。仕掛けが遅くL3-2でギアチェンジをある程度伴う競馬と内内で包まれている立場では器用に加速できたかが焦点となったと思う。
4番枠から坂スタートで好発、そこから内に潜り込んで外の馬を行かせて2列目のポケットと理想的に進めていく。道中は超スローにコントロールされる形だがそこで折り合わせつつ前にスペースを置いて3角。3角でも大きく加速せず、4角で前が徐々に加速しながらの中で外に誘導して直線。序盤で外に出し切りすっと伸びてくるとラストは抜け出したところに外からマジックタイムが襲い掛かるがしっかりと振り切った。
対マジックタイムでは3kgのハンデを貰っていたので勝ち切れたのはあるが、それでも要所でしっかりと動けていたように高いレベルでギアチェンジを持っているのがこの馬の一つの武器だろう。ポジションをしっかりと取って内を確保してしまえば仕掛けを極限まで待てるし、前がスローの流れの中で直線で加速、という流れでも外に出してからすぐに伸びてきていた。適性的に噛み合った競馬ができたかなと。
●エリザベス女王杯(GI) 10着 18頭2枠3番
京都芝外2200m良 2:14.9(+0.6) 62.0-59.5 S^2
12.5 – 11.3 – 12.7 – 12.8 – 12.7 – 12.8 – 12.9 – 12.2 – 11.6 – 11.2 – 11.6
ただ2走前のエリ女に関しては悪くない展開だったと思うが完敗だった。ペースは2.5で超スローに肉薄レベル。L2最速で下り終えてからの加速とギアチェンジもある程度問われている。その中で好位の内から伸び切れなかった。
3番枠から好発を切るがそこから控えて、最序盤はかなりブレーキ気味に下げて掛かりながら結局中団ぐらいで進めていく。向こう正面でも中団の内内で我慢しながら3角。3~4角でも最内でスペースが無い状況、モズカッチャンの後ろから直線でモズの後ろを狙って直線。ただそこで置かれて追い出されてもジリジリとしか伸びてこない。L1まで良いところなくジリジリと伸びずばてずの10着完敗だった。
内容的には中山牝馬Sと近い競馬になっているんだが、結局は最序盤の位置取りで差があったのもあると。ただ相手関係も強敵だったし噛み合わなかったとはいえスマートレイアーやクイーンズリング辺りでも掲示板を外しているのでそこまで悲観しなくてもいいかも。いずれにせよ、前半ある程度ポジションを取った方が良いタイプだとは思う。いいスタートを切れたのに最序盤で下がってしまったのが痛かった。
●有馬記念(GI) 14着 16頭3枠5番
中山芝内2500m良 2:34.8(+1.2) 61.6-59.5 S^2
6.8 – 11.6 – 11.9 – 12.2 – 12.3 – 13.3 – 13.2 – 12.8 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.2 – 12.3
有馬記念では田辺騎乗となって挑んだが見せ場自体はあったと思う。ペースは2秒近いかなりのスローで、ラップ推移的に見ても向こう正面で1段階目といっても12秒台前半、そこから4角で上げていってL2最速11.2と2段階加速気味の競馬。
5番枠からまずまずのスタートを切ってそこから先行策を狙っていたが内のキタサンがスッと出て行ったことと、シャケトラやカレンミロティックらが外から上がってくるので控えて好位。スタンド前ではカレンの後ろぐらいで少しスペースを空けながら折り合って1角。向こう正面でじわっとペースは上がるがまだここでは12秒前半ぐらい、カレンの後ろで我慢して好位外で3角。3~4角でも好位の外外から楽な手ごたえで押し上げ、4角出口では2列目の外まで押し上げて直線。序盤で出し抜くキタサン相手には苦戦も2列目の一角はキープ、しかし挟まれて失速した。
まあ挟まれてなくても少し苦しい脚色にはなっていたがそれでもL2の段階ではまだ2列目の一角を保とうとはしていたわけで、早めに動いた中で一瞬の脚という点では悪くないものは見せている。ただ、結局あの位置から動いて脚を使ってしまうと当然甘くなるのも早くなるので、いかに最序盤で主導権を取って本仕掛けを待てるか。仮に早い仕掛けになったとしてもコーナーで内のポジションを取れているかどうか、という点が問われると思う。負けはしたし着順は悪いが展開や不利を考えると悪くない競馬だったかな。
●2018AJCCに向けての展望
スタートが上手いし、要所でしっかりと動けるタイプなので基本的には前受けがベスト。逃げてもいいタイプだとは思っているし、ジェンティルドンナMでは逃げ切っているので逃げても気性的に問題ないタイプ。今回の条件とメンバー構成を考えた時に一番馬券的にチャンスがあるとすれば単騎の逃げ、もしくはトミケンが単騎逃げならそれにある程度ついていっての番手。ポイントになるのはミラノに対してある程度リードを保って3角以降に入りたいというところ。どうしてもミラノが早めに仕掛けるパターンになるので、そこに近い位置でとなるとそこが仕掛けになってしまう。他の馬に対してリードを取れてない状況で後半仕掛けが早いとL1が甘くなる馬だし流石に難しい。ミラノが押し上げて並びかけてくるまで仕掛けを待てる前が理想。それができれば面白いし、トミケンスラーヴァは強敵だが噛み合えば圏内の粘り込はある。また中山2200でそういったバランスの取り方が上手い田辺というのも面白い。ベストまで考えればトミケンの外からハナを取り切ってしまうパターン。いずれにせよ積極策を取れるかどうかがカギになると思う。ポテンシャル面は微妙に足りないと思うし、いかにうまく本仕掛けを待てるか。中山2200ならヒモ穴で一考の余地は十分にある。